<配信先のみなさまへ> 早いもので、もう、2月になりました。 ぼちぼち、新年度の計画や予算の策定に追われている方も多いのではないでしょう か? 予算の策定時期になると気が付くのは、意外と新しいことが始まってなくて、何と なく、前年対比でどうしよう、こうしようと、いまだにそういう考えで予算の数字 を考えている方が多いように感じます。 いまの時代は、まず、考え方として、「前年対比」や「昨年対比(これを昨対と略 す場合も多い)」で考えるのはナンセンスです。 一度、昨年度のことはご破算にして、新たに業務を見直して予算を考えるような癖 をつけましょう。 経営は相対値ではなく、絶対値でやるものです。 では、今回は、「慣性の法則を打ち破る」です。 =========================================================== 人間というものは、どうも、同じことをやっているほうが安心感があるようで す。その人の性格にも拠りますが、概して、昨日と今日は同じが良いようで す。 「慣性の法則」というのがあって、摩擦がないと、物体は転がり続ける性質を 持っています。 まず、改革の第一歩は、組織の中で、この「慣性の法則」に反して「建設的な摩擦 を起こすこと」でしょう。 この「建設的」というのが、案外難しいのです。同じことでも、人によっては決し て「建設的」にはならないことがありますから。 「摩擦」を起こすにはエネルギーも要りますし、それなりの準備も必要です。 マッチポンプのように、火を点けただけでは、燃えません。酸素の供給も必要 ですし、燃えるものの供給も必要です。 そして、何より大事なことは、「火を点けた」人がきちんと結果が出せるよう に環境を整備することです。俗に言う「二階に上げて梯子を外す」ようなこと があってはなりません。トップマネジメントのサポートが重要です。 もうひとつは、「悪意や他意があっては」ならないのです。私利私欲や、目先 の個人的な利害得失、損得勘定や個人的な感情に左右されて、判断してはいけませ ん。 これも、言うは安く、行なうは難し。常に、経営の「判断軸」がぶれないように、 基本的な「考えの中心軸」を持つことが、目先の損得や短期の利害得失から、 救ってくれます。 「建設的な摩擦」を提起し、組織に「前向きなゆらぎ」を与え、常に活性化状 態に保ち、いい意味での「危機感」を醸成する。これが、マネジメントのポイ ントでしょうか。 経営とは、常に少し先を睨んで、「業績が順調な時に」「建設的な摩擦からの 危機感」を、逆に「業績に陰り」が出てきたときに「積極性」を、といった「逆張 り」の意思決定も必要です。 ==================================================================