みなさん、連休はいかがお過ごしでしたか? 成岡は前半を某研修に3日間参加し、缶詰状態。 後半をリフレッシュしようと思っていたら、5月4日は土砂降りで残念でした。 でも、最終日は久しぶりにテニスが出来て、ハッピーでした。 5月5日の東京行きの上り新幹線の混雑も、予想以下で、楽勝。 先週は、木曜、金曜の2日間で、また、週末という変則なリズムで、まだ、レ ギュラーのパターンに乗りません。 さて、今回のマネジメントレターのテーマは、「今までの常識を疑う」です。 *************************************************************** 成岡は今まで3回の転職を経験しました。 32歳で初めての転職。製造メーカーから同族会社の出版社へ。 45歳で出版社から系列の印刷会社へ。 51歳で印刷会社から人材系のベンチャー企業へ。 それぞれにそれぞれの会社の「常識」という壁にぶちあたりました。 大学を出て最初のメーカでは、他の会社の勤務経験がないので、それが世の中の 常識と思っていました。毎日の時間の使い方、上司へのコミニュケーションの取 り方、会議の方法、その他、ありとあらゆることが「常識」として頭の中に刷り 込まれました。 そして、180度違う業界へ。また、これが出版業界という「旧態依然」とした業 界で、その常識、特に流通関係の委託販売の仕組みにはびっくり!。 印刷会社は受託生産で、営業とは言うものの、ルートセールスに近い営業で、ご 用聞き営業がまかり通る世界でした。 そして、新興ベンチャー企業では、前例のない世界なので、チャレンジが常識 で、あまり確実なフィージビリティを精査せずに、50%の見通しがあれば果敢に チャレンジするのが「常識」なのです。 かように、どれが正しくてどれが間違っているとは言えませんが、怖いのは、そ の業界に馴染んでしまうと、従来の習慣が「常識」にあっという間になってしま います。 これは、自らの反省ですが、時間が経てば、当初の新鮮なイメージが簡単に後退 し、旧来の「常識」に包み込まれます。これはいけないと思いながら、「この業 界はこれが当然、これが当たり前」とかいう考えに、すぐに妥協してしまいま す。 だから、いつも、あまり懇切に「引継ぎ」なるものをしないようにしています。 また、新しいところでは、ほとんどオリエンテーションを受けません。毎日起こ る新しいことに対する新鮮な疑問を大切にしようと思っています。あまり初めに 細かいことまで聞くと、どうも先入観になり、疑問が湧いてこなくなります。 最近の驚愕の出来事は、製造原価の見積りの甘いこと。また、工数の予測のいい 加減なこと。これで、従来から、そこそこの利益が出ているので、誰も疑ってい ないのです。 以前の印刷業界では、それは薄い利幅の中での商売なので、原価の見積りは非常 にシビアーでした。それこそ、円以下の単位の見積りまできちんと単価をはじい て、厳密に見積りを計算しました。 ソフト中心のベンチャー企業では、比較的その辺りが「どんぶり勘定」になって います。 この常識を変えるのは大変でした。初めは、全然聞く耳を持ってもらえませんで した。それでも、諦めずに、しつこく、しつこく言い続けました。他意がないの で、時間の経過と共に、少しづつ理解納得を得られるようになりました。諦めず に、「意思を持って」言い続けることが重要です。まだ完全に修正されたとは言 えませんが、改善の方向には向かっています。 「常識はまず疑うべきもの」というのが、数回転職した経験から言えることで す。そして、経営環境の変化と共に「常識は変わるもの」という認識を持つこと です。 あなたの頭の中に、いつかしら「常識」というかび臭い考えが染み付いていませ んか? そうですか、いないならいいですが・・・・。得てして、自分が革新的と思い込 んでいる人ほど、旧来の常識に囚われているものです。 「常識は変わるもの」であり、革新的であるためには、常に単純に疑問を持つこ とです。どうしてそんなことをするんだろう? なぜ、これが要るのかな?そ う、思えるのは、意外と「よそ者」の発想が大事です。内部に長くいた人では、 なかなか斬新な発想は浮かばないことが多いのです。 トヨタの強みでよく言う「なぜ?」を5回繰り返せ!は、このような「暗黙知」 で出来上がっている「常識」を疑うのに非常にいい方法のようです。 素人考えですが、例えば、銀行の15時の閉店。最近は、また、17時以降開店する 金融機関も出来たそうですが、一等地に立地して、大きな面積を占めている銀行 が、15時でシャッターが閉まるのは、納得できません。京都の四条烏丸周辺で も、15時以降は何かゴーストタウンのように見えることもあります。 リース商品の途中解約の出来ないこと。特に、最近ではIT技術の進歩が早いの で、あっという間に商品が陳腐化してしまいます。 もっと、下世話な話しでは、コインロッカーの出し入れの不自由さ。1回出し入 れする毎に300円要ります。 高齢化社会を迎えているのに、なかなかバリアフリーの商品開発が進みません。 つまらないところでは、紙の牛乳パックを開けるのは、結構力が要ります。 お年寄りには、少し難儀です。もっと、何とかならないものでしょうか。 小職が長く居た出版業界の書店さんも、買った書籍を配達は無理にしても、一 時、店で預かってくれるくらいのサービスはあってもいいと思いますが・・・ ・。重たい書籍を持って、半日歩き回るのは、大儀です。 年金も、従来の担当者がそのまま居座り続け、改善案を議論しても、改善は出来 るけど革新はむりでしょう。 またちょっとしたヒントが新しいアイデアの元になることが、ままあります。 最近では、「ブラック綿棒」。綿棒は白いという先入観がありませんか? 黒い綿棒なら、どんな形状の「耳あか」が取れたかが、極めてよく分かりま す。たったそれだけのことと思う無かれ。 これが、商品に与えるインパクトは強烈です。 古くは、白物家電、特に冷蔵庫をカラー化したときに、大きな買い替え受容を 生み出しました。 これはこうなんだ、と思っている、その業界の常識=他の業界の非常識のよう な構図がままあります。 だから、時々、社外の一見関係の無い業界の人と話しをしてみることも、非常 に重要です。考え方を変えるには、そのための環境整備がポイントです。 社内のいつもと同じメンバーの顔を見て、うんうん唸っていても、所詮しれてい ます。 どんどん積極的に世の中に向けて行動してみることが重要です。 成岡も、井戸の中の蛙にならないように、今年の後半から、大阪と東京で同じよ うな異業種交流勉強会をすることにしました。大阪は、歴史のある某交流会と提 携です。 東京は、対象を若手を中心に新しく立ち上げる予定です。 また、みなさんから、一杯ヒントをいただければと思います。 ======================================================================