◇◆◇◆  経営のヒントを現場から  ◇◆◇◆ *******【成岡マネジメントレター】040705_第18回配信分******* <<<<>>>> 先日、東京ビッグサイト国際会議場で多数の学生を集め、「インターンシップ フォーラム2004」なるイベントを2日間にわたって弊社で開催しました。 今回で4回目になる、この「インターンシップフォーラム」は、年々参加企業の 数も増え、登録学生の数でも、日本で指折りのインターンシップイベントとして 完全に定着しました。 「インターンシップ」とはご存知の方もあるでしょうが、「就業体験」と訳され て、3回生の夏休みを中心に1ヶ月くらい企業で実際の就業を体験するものです。 欧米ではノーマルなこのシステムも、日本ではまだ、認知されて3年くらいかも しれません。 特に、新卒採用においては、1997年くらいから、インターネットの普及により、 大企業を中心として、WEB上からのエントリー制度を導入する企業が急激に増加 しました。 加えて、就職情報誌大手のリクルートが、紙媒体から「リクナビ」というWEBサ イトへ媒体を切り替え、企業へのエントリーが非常に安易に出来るような、利便 性の高いシステムを開発したのです。 ここで何が起こったかというと、応募する側は簡便な故に多数のエントリーを行 い確率を上げようとし、きちんとした志望動機のないまま、一端エントリーだけ が無数に行われることになりました。 また、企業側は、従来のハガキやFAXでの応募の10倍くらいの人数を、短時間に 対応するはめに、結果的になってしまいました。   当然のことながら、採用時点のミスマッチは増加し、採用選考に多大の時間とエ ネルギーを費やすはめになりました。 決して、WEBからのエントリーが悪いとは思えないが、デジタル技術の進歩が意 外なところに影響を与え、弊社のような「採用プロセスのコンサルティング」と いったニュービジネスを生むことにも繋がることになりました。 インターンシップは、このような人材採用のミスマッチを解消する方法として、 3回生の間に希望する企業で1ヶ月程度、擬似就業体験をしてもらって、本当にそ の企業に向いているのか、その企業での仕事とは何なのか、社員の人はどんなこ とを考えて働いているのか、といったことを実体験する貴重な機会です。 3回生の暑い夏に、慣れない背広を着て、毎日、通勤するという地獄の?体験を するだけでも値打ちがあるかもしれません。 ここで考えるべきは、人材採用においては、いくらIT技術が進歩、進化しても、 最後のジャッジは人間が人間を判断することには変わりがなかったということで した。 いくら、グループウェアが進歩しても、ERPが普及しても、メールやイントラ ネットの情報共有ツールが進化しても、所詮それを利用するのは人間だし、情報 を提供するのも人間です。 よって、ハードやソフトのインフラは整備されても、それを活用する人間側の ヒューマンリソースのインフラが整わないと、形はできたけど、魂や理念が入ら ないシステムが出来上がってしまいます。ここに、もっと企業のリソースを投下 することが重要です。 真剣な学生さんの眼差しと、対応する企業の人事部の方々とのやりとりを聞いて いると、本当に人対人が本音で語り合って、そこから何かが生まれるのだなあ と思います。こういうことがきちんと出来れば、採用のミスマッチは解消してい くこと、間違いないと実感した2日間でした。 ======================================================================