□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・・経営の現場からのヒント・・・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(隔週月曜日発行) 第25回配信分2004年10月11日発行 特別号1:新しく会社を創ってわかったこと 〜(株)成岡マネジメントオフィスの創業〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●今回は、毎号と少し趣きを変えて、成岡個人のことを題材にさせていただき ます。 ●先日、関係の皆様にはお手紙でご案内をさしあげましたが、10月1日に新し く会社を設立し、社名を「株式会社成岡マネジメントオフィス」としました。 中小企業の経営のお役に立てるよう、頑張りたいと思いますので、皆様方のご 指導、ご鞭撻を、心よりお願い申し上げます。 ●さて、会社を初めて創業し、株式会社としたこともありますが、結構、会社 を創ることは大変なことなんだと改めて実感しました。まず、形式的な手続き ですが、自分でやろうかと思いましたが、東京に単身赴任中なので、やむを得 ず司法書士に依頼しましたが、必要書類を整えることが大変でした。法律とは 融通の効かないものなのです。 ●次に、登記の住所を決める必要があり、商号が問題ないかのチェックが要り ます。登記の住所地と営業活動の場所は必ずしも同じである必要はありません が、本店登記の住所地の選択と決定は、やはり大きな意味のある事柄です。そ して、商号が決まれば、印鑑の製作依頼です。日本はまだ印鑑社会ですから、 法人の印鑑を作り印鑑登録をします。法人の実印とは結構値段の高いもんだ と、改めて感じました。 ●次に取締役をどなたにお願いするかです。もちろん、個人企業みたいなもの ですから、家族をするというのが手っ取り早いのでしょうが、今回は、家族と は一線を引いて、あくまでも、きちんと趣旨を納得していただいて、お願いで きる方を口説きました。企業の透明性を高めるには、なあなあではダメである との信念です。 ●過去に取締役をしていた同族会社では、この「牽制機能」が発揮されず、取 締役会も内容のないものとなり、きちんとした報告や議論のないまま、重要な 意思決定がされていきました。そして、本来の牽制機能が働かず、経営の内容 はどんどん悪化し、最悪の結末を迎えたわけです。今回は、このようなことが ないように、第三者のきちんと意見を言っていただけるかたにお願いいたしま した。 ●そして、登記の前に、きちんと取締役会を開いて、状況報告と事業活動の内 容を説明し、色々とご意見をいただきました。少なくとも、隔月にきちんとし た役員会を開いて、本来の牽制機能が正常に機能するように努めたいと思いま す。当たり前のことを、きちんと当たり前にやることが、なかなか難しいので しょうが、それをやらないと意味がない形式的なことになってしまいます。 ●最後に資本金ですが、最近では「1円創業」もできるようですが、やはり、 立ち上げの資本金は大事です。会社を創り、あるていどの環境を整え、事業活 動をスタートするには、想像していた以上に余分なお金がかかります。今度の 会社は、特に生産設備をもつわけでもありませんが、それでも、日常の環境を 整え、印刷物を作り、色々な諸準備に想像以上のお金が必要でした。金融機関 での証明書の発行にも、時間とお金がかかることも、初めて実感として分かり ました。資本金も2週間ほどしばらくは動かせないことも分かりました。差し 当たりまとまったお金が要ります。 ●確かに社会的な責任を持つ事業活動をするわけですから、厳しい制限と責任 が伴うことはわかりますが、現行の商法は必ずしも現実に対応していないこと も良くわかりました。創業より廃業が多く、経済の活性化が停滞していると指 摘されてから、かなり経っていますが、これだけ会社の設立に時間と手間がか かるとは思いませんでした。結構、スピーディにやったつもりでも、延べで 2ヶ月はかかったように感じます。 ●意思決定を早くし、タイミングに乗り遅れず、ビジネスチャンスを逃さない ことが重要なファクターであるにも関わらず、旧態依然としている現行の法体 系に非常に疑問を感じましたし、手続きが面倒かつ現実的でないことも多くあ りました。 ●例えば、定款に記載する会社の目的ですが、最近の社会情勢に対応した表現 や文言が認められません。「IT」などと言う表現も最近やっと認知されてきた そうです。法務局段階での解釈もばらばらです。法務局も基本的には役所です から、前例主義で新しいことを自分から変えていくことは踏み出しません。 ●イチローの快挙に人種の差別なく喝采を挙げるアメリカと違って、まだま だ、先例主義とムラ社会の論理と日和見的な考えの蔓延している社会なんだ と、改めて認識しました。この、閉塞的な状況を微力ながら何とか崩して行き たいと思います。 ============================================================