各地から「梅の頼り」が聞かれるようになりました。和歌山、茨城、岡山、そ して、地元京都の南部、そして、近場の滋賀県長浜の盆梅展・・・。季節は確 実に変化しています。それも、毎年、毎年、形を変えて、いろいろな環境に対 応して。 同じように見えても、決して同じでないのが自然の環境への対応でしょう。 成岡の大好きな言葉に、知人の会社の当時の会社案内にあった言葉、「大きい ものが生き残ったのではなく、強いものが生き残ったわけではない。環境に一 番順応した種が生き残ったのだ」というくだりがあります。 経営を司る我々が、一番、心しないといけないのは、実は、この環境に適応す ることなのだと思います。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第43回配信分2005年02月21日発行 何をするかより何をやらないかを決める 〜自社のドメインを決め込む〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●最近、いくつかの企業の経営の現場に立ち会って、いろいろと努力されてい る実情をつぶさに拝見し、また、経営者の方から、いろいろとお話しを伺う機 会がありました。どの方も、当然に真剣で、一番会社の現実に危機感をお持 ちなのは、本当にトップ経営者なんだなと、痛感しました。 ●ただ、お聞きした、あるいは、現場を案内していただいた率直な感想を申し 上げれば、あれも始めた、これもやりたい、あれも手をつけた、ここは誰それ に改善の指示をした・・・。非常に、一見、アグレッシブに見えますが、実 は、それは、現場が混乱しているだけで、ほとんど実効が上がっていない事例 が多いのです。 ●それは、なぜか?経営ボードの方は、ご自分の胸に手をあてて、冷静に考え てください。オーダーを出された立場で考えてみてください。次から次へと、 ご自分が考えたこと、やりたいことを、考えては投げ、考えては言い、最後に 意思疎通していないのに、結論を共有したかと錯覚している場合はありません か? ●会社を作って、今までは一人でやってきましたが、さあ、これから他の方に 協力を願って、さらに新しい人に来てもらって、となると、この、想いを共有 することの難しさ、大事さがつくづく感じられるようになりました。 ●そこで、大事なことは、あれもやりたい、これもやりたいのは、やまやまな れど、自社のドメインを決め込んで、まず、やることを決めるより、やらない ものをきちんと選択することが重要だと思います。 ●いま、まだ、創業して間がないので、色々な案件をいただき、それはそれで 嬉しいのですが、先日ある方から、成岡さんところは何をやる会社なのかはっ きりさせていった方がいいよ、と貴重な提言をいただきました。それは、事業 の分野かもしれないし、案件の選択かもしれないし、お客様との付き合い方か もしれません。 ●何を始める、何をやるかより、色々とある中で、何をやらないか、何を捨て るかを選択して決定し、実行することは、いざとなるとなかなか難しい問題で す。大企業の、特に製造メーカーの最近の動向を見ていますと、非常に迷って いる企業と、あっさりというか、すっぱりというか、見事というか、極めて大 胆にかつ積極的にやめる事業を決定し、他の企業に売却したりしています。 ●当然、周到なしたたかな計算あってのことですが、中小企業レベルもそこま での厳密なシュミレーションがなくても、事業のフィージビリティスタディを しなくても、経営者のある意味、直感で分かることも多いにあるはずです。 ●やらない事業の決定は、従業員や周囲の人間に、やる事業の決定よりも、よ り効果的に自社の事業ドメインを明確に表現できます。お客さんからの注文に 対するアクションも、このオーダーをどう扱うかも、このクレームをどうさば くかも、この新しい関係の出来た方とどうつきあうかも、この意思決定にか かってくる問題です。 ●勇気を持ってやらないことの決断もしましょう。ただ、はっきりと、なぜそ れをやらないんだという説明は、社内、社外に表明することは重要です。選択 と集中とは、結局、この、やらないものの選別だと思います。 ●それにしても、自分の書棚は、みれば、あれもこれもと乱雑にいっぱいいろ んなジャンルの書籍や雑誌が並んでいて、人に言えたものではないなぁ〜、と 改めて捨てる書籍を選ばないと、もう入りきれなくなってきています・・。 ========================================================================