プロ野球もパリーグが開幕し、その少し前に春の甲子園の高校野球が始まりま した。いよいよ、4月1日からはセリーグも開幕します。 何かと慌しい年度末ですが、決意も新たな新年度のスタートでもあります。 さて、今回は、4月の新年度に対応した「個人情報保護」の関連のメッセージ です。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第48回配信分2005年03月28日発行 個人情報保護法完全実施に向けて 〜最低限の個人情報保護対策はしっかり〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●4月1日から個人情報保護法が完全実施になることは、みなさん、ご存知のこ とと思います。いや、ペイオフのほうが大事だ、という方もいらっしゃるで しょう。それはそれでいいのですが、特に中小企業の経営者の方で、個人情報 保護法の内容に関し、あまりご存じない方もあるかと思います。 ●この法律は、自分の会社には関係ないと、ゆめゆめ思わないことです。対象 となる件数によるとの判断もありますが、最低限、4月1日以降に守らないとい けない部分は、規模に関係なく、守らないといけないことなのです。 ●この法律を中小企業で完璧にやろうと思ったら、それは大変な面がありま す。中小企業でなくても、例えば、病院や学校、ホテルや飲食店なども、すべ て対象になります。病院などは、まともにやろうと思ったら、今までの通常の 業務は出来ない、とう悲鳴も聞こえるといわれています。 ●それこそ、入院病棟の相部屋の氏名の表示もいけない、待合室での個人名を 呼ぶのもダメという判断もあるくらいで、安全と個人のプライバシーと、個人 情報保護とのバランスが非常に難しい業種もあります。 ●一般の企業では、業種に関係なく、基本方針の宣言の公表や、個人情報保護 の特定、どこに、なにが、どういう状態で保存、管理されているのか、公開を 要求されたときの対応が決まっているのか、開示の義務に対する決まりがきち んとあるのか、苦情や相談の窓口が明確になっているのか、などが必然的に要 求されます。 ●法律の専門家ではありませんが、法律的に言うと、知っていて義務を怠った のと、しらないで過失が起こったこととの間には、天と地ほどの開きがあるん だそうです。そういう意味では、今回の個人情報保護に関しては、企業を経営 する立場にある方々は、知らなかったではすみません。 ●設備的な管理や情報システムの安全面にかなりなレベルの対応を要求される 企業では、相当なエネルギーと経営リソースを投入して対応するべきです。い まからは、環境への配慮や、個人情報保護にたいする企業の姿勢が、非常に重 要な要素として評価されるでしょう。 ●個人情報保護をきちんとやったから売上が上がるのか?という質問を、よく 耳にしますが、こういう問題は、そういうレベルの判断の範疇を超えていま す。まさに、経営上のコンプライアンスをどこまできちんと考えるか、経営哲 学に近いレベルの話しだと思います。 ●やったから、売上がなんぼ、やらなっかたら売上がなんぼ、という世界の話 ではないのです。要するに、経営者が、真剣に取組むべき課題と認識している のか、とりあえず、何も起こらなかったらいいんだ、という思想の基に、対応 を考えられているなら、それはそれまです。 ●関連してプライバシーマークの取得をしたほうがいいのか?という質問もよ くありますが、いいか、悪いかという問題ではないのです。経営者の方が、個 人情報保護をきちんと自社でマネジメントしているよ、ということを社会一般 に広く広報したいなら、また、それが、会社の存在価値を高めて、間接的に企 業価値の向上につながると認識されていられるなら、取得をされるのは、非常 に意義があります。 ●企業規模によっては、個人情報保護をきちんとすることも、プライバシー マークを取得することも、それは、大変な努力を要する企業が沢山あると思い ますが、それは、先週のメルマガでも書きましたが、何が、いま、一番大事な ことなのか、です。 ●そんなことより資金繰りだ。そんなことより、いまは、売上だ。いや、営業 部門の建て直しだ、新商品の開発だ、・・・・・。いろいろと、事情は山積し ていると思います。要は、経営者の方が、今回の個人情報保護を、どう、位置 づけておられるかということが、非常に重要なのです。 ●いま一度、今回の個人情報保護の趣旨と内容の重要な部分をレビューして、 それが自社の経営にとって、どれくらい重要なことなのか、経営者本人の意識 と関心をどれくらい持つべきなのか、限られた会社の経営リソースをどれくら い投入するべきものなのか、再度確認しましょう。担当者に任している・・ ・、では通用しない課題です。 ========================================================================