今日は(日曜日に書いていますから)久し振りに雨の日曜日になりました。 先週のメールマガジンに、葵祭りの記述の中で「上鴨神社」と書いたら、早 速、某君から「上賀茂神社」でしょうと、訂正をいただきました。 京都に在住している者でも、こういう間違いをするんだなあ、とため息。ちな みに、確か、高野川と賀茂川が合流して「鴨川」になるんだと思っていて、念 のために地図で調べたら、なんと、北山の方では「鴨川」で、植物園の辺では 「賀茂川」で、出町柳から合流して「鴨川」でした。 生半可な知識より、事実をきちんと調べることが大事なんだと、つくづく思い ました。ひとつ、賢くなった。 さて、 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 最新10号分のバックナンバーは、下記の成岡マネジメントオフィスのホーム ページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm 今回は、最近お邪魔した「京都伝統工芸館」で感じたお話し。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第56回配信分2005年05月23日発行 プロダクトアウトよりマーケットインの発想で 〜作品を創る前に買ってくれる人を想像する〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●5月連休の最後に、京都の南禅寺で開催の伝統工芸展覧会を見に行った。親 しい方から招待券をいただいて、なかなか行けなかったが、ようやく時間を見 つけて、朝一番に行ってみた。 ●さすがに連休最終日の朝早い時間帯だったので、まだお客さんはほとんどな く、案内の方とゆっくり話ができた。その方は、京都の工芸専門学校を卒業 し、京都の伝統工芸館に勤務されているスタッフの方だった。 ●曰く、非常にレベルの高い作品や独創的な作品も多くあるが、なかなか、世 間で見てもらう機会もなく、かつ、また、売れるということになると、非常に 厳しいものがある。卒業生の就職も難しく、なかなか流通に乗らない。 ●職人さんは自分たちの感性で作品を創り、それを何とかして流通さそうとす るが、出来上がったものを値段をつけて、展示してもなかなか売れない。相談 事は、どうすれば、この作品が流通するのだろうか?ということだった。 ●当たり前のことで、自分たちの好きなようにものを創ってから、さあどうし ようはないと思う。そもそも、この資本主義社会の世の中に、ものを流通さそ うと思ったら、まずは、買ってくれそうな人のイメージが沸かないといけな い。 ●そのイメージが沸かないなら、どういうシッチュエーションで自分の作品が どこに展示され、どうやって購買に繋がっていくのかが、想像できないはず だ。それで、ものが売れるはずがない。 ●まず、誰が買ってくれるのか、そこがイメージできるかだ。30歳過ぎた独身 のOLが、東京都内の少し高級なマンションに住み、可処分所得がそこそこあっ て、年に最低1回は海外旅行に行く。時々、自分の頑張りに対する褒美を兼ね て、贅沢な食事や買い物をたまにする。 ●住空間には、結構、投資をする。快適な睡眠、快適な自由時間を過ごす環 境、バス、トイレも結構素敵だ。そんな空間にぴったりの作品が多い。陶磁 器、タペストリー、桐の小さなタンス、うちわや扇子、竹細工などは、もう、 素敵なインテリアである。実際の使用や利用には向かないかもしれないが、イ ンテリアとしては絶好だ。 ●ターゲットが想定できたら、いかにそのターゲットに向いた作品のイメージ をふくらますことができるか。ライフスタイルはどうなんだ?、一般的な傾向 は?、いくらくらいならそういうものにゲットする気持ちを持てるか?。まず は、消費者視点で考えてみることが大事だ。バブル真っ盛りなら、少々割高で も何とかなった。いまは、そうは行かない。常に消費者視点を座標軸とするこ とだ。 ●こんなものができてしまった、というのはお手軽だが、それでは、ものは売 れない。そういう意味では、いいものが沢山有る。京都発、京都ブランドを全 国に、特に首都圏と外国にプレゼンし、消費者がハッピーになってもらうよう な、いい仕事をしてみたいと思う。 ●伝統の技と、現代の住空間がマッチングした新しい感覚のインテリアとし て、建築家やデベロッパー、マンション開発者、インテリアコーディネータな どの、異業種との情報交換も有効かもしれない。同じ業界で右往左往してもた かがしれている。 ●どなたか、志を同じくする方がいらっしゃれば、NPO法人を設立して、収益 事業をしてもいいのだから、何とか形にできないかと思っている。最近話題の LLPやLLCでもできるかもしれない。まずは、消費者の手に渡った場面から発想 しててみることだ。