先週の日曜日に、1年ごとに受けている「TOEIC」の試験を受けた。会場は、池 坊短期大学で、周囲はほとんど20代から30代前半のヤングばかり。 成岡みたいな中年以上のおじさんは、その教室では皆無だった。全体でもそん なにいないかもしれない。毎年、英語の実力がどの程度かを、測る機会として 受験している。偶数年はしっかり勉強し、奇数年はまったく普段どおりの生活 で、特に勉強はしない。 それで、どれくらい違うかを見ておくことは重要だ。自分の立つ位置を客観的 に見ておくこと、それは意外と自分勝手に成りがちな見方の修正になる。 それでも、毎年レベルは落ちていく。維持するのが、精一杯になってきた。 やっぱり、一夜漬けは通用しないものなのだ。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 最新10号分のバックナンバーは、下記の成岡マネジメントオフィスのホーム ページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第66回配信分2005年08月01日発行 組織の病気を診断するシリーズ第6回 〜主なメンバーの人的マネジメントは大丈夫か?〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●どこまでの階層を「経営幹部」というか、どこまでのメンバーを主要なメン バーというかは、会社や組織によっていろいろだろう。しかし、少なくとも経 営ボード、役員クラスは、間違いなく「経営幹部」だ。現場のマネジャーは、 間違いなく「主要なメンバー」だ。 ●その会社の成長のステージと成熟度にもよるが、急成長していたり、大きく 事業が発展したり、また、海外に拠点展開を拡大したり、様々な要因で人材の ニーズが高まる。中小企業は、まだまだ、新卒採用というわけには、時間もお 金もいかないから、中途採用に拠るところが大きい。 ●採用もハイテンポなら、入れ替わりもハイテンポでは、元も子もない。末端 の社員なら、あるいは、大卒の新入社員ならいざ知らず、れっきとした社会経 験のあるそこそこの年齢の幹部が、頻繁に入れ替わるようではいけない。 ●経営幹部の退職にはそれなりの事情があるのは理解できるが、やはりパラダ イムが統一されていないことが一番大きい理由だろう。成長の過程で、創業か らのパラダイムの転換がなされるが、それが、必ずしも経営幹部の中で同じと は言えない事態が発生する。 ●修正が可能な時間と規模ならいざ知らず、規模が大きくなり、組織が出来上 がってくると、修正には時間とエネルギーがかかる。ここが、成長に対するひ とつの踊り場だろう。手戻りしている時間とエネルギーが不足している時に、 経営幹部の意思統一のために、割かないといけないのは、いかなこと、辛いも のがある。 ●それだけに、座標軸の原点を合わすことが重要だ。成長の軌道に乗せるとき は、事業の拡散が必ず発生する。そこで、創業者のDNAが経営幹部に浸透し、 理解されることが重要だ。そこを外すと、ずっとボタンの掛け違いで進むこと になる。これは不幸な出来事だ。 ●成長していくためには様々な経営リソースが要求されるが、最終的には人材 が勝負を分ける。そのためにも、経営幹部との意思統一が最優先課題だ。これ なくして、組織は成り立たず、企業は有機的に運営できる対象とならない。 ●大企業はさすがに人材の厚みが違うので、一人異動で抜けても、後のフォ ローが手厚く、びくともしないことが多いと思うが、中小企業は人材に関して は、相当窮屈だから、経営幹部とは、常にコンタクトを取り、夢の共有をして おかないと、とんでもないことになる。 ●意外と分かっているようで分かっていないのは、幹部の心の中かもしれな い。会議では、きちんとした発言を行い、経営に責任を負っている人でも、い ざ、自分のことになると、必ずしもそうではないケースも、しばしば見られ る。常に、座標軸を合わせておくことが重要だ。 ●成長の過程では人的な流動化は避けて通れないが、それが組織の活性化につ ながる場合と、混乱につながる場合と紙一重の時が多い。大事なことは、誰が 「余人を持って替えがたいか?」だ。成岡は、常にそういう価値基準で判断し ている。 ●経営幹部や主要なメンバーは、新陳代謝と安定的な組織構成とはトレードオ フではあるが、そこをきちんと経営者は判断する必要がある。このクラスの人 的なマネジメントには、相当時間を割いても、融通をつけるべきだ。それくら い、このクラスの人材を、どうマネジメントできるかが、次の成長の大きな ファクターだ。