一昨日、昨日と診断士の更新研修を受講してきた。企業再生の具体的な案件の 検討シュミレーションなので、極めて現実的なケースだった。 10グループに分かれて案を検討したが、どのグループも真剣に現実的な案を提 案した。 重要なことは、案は出来ても、実行が伴わないと、何の意味もない。Drが患者 にいくらいい処方箋を書いても、患者がそれを守り、実行しないことには、全 く意味をなさない。 よって、計画を実行に移すための体制と強い意志が必要となる。ここからは、 意思と信念の問題に移る。極めて、エモーショナルだが、人間力が要求される レベルに移行する。 経営とは、強い意志を持って、実行に移す行動力が求められる。 今回で、一旦、「組織の病気を診断するシリーズ」は第10回を迎えたので、最 終回としたい。また、改めて、別の視点でのシリーズを考えたいと思う。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 最新10号分のバックナンバーは、下記の成岡マネジメントオフィスのホーム ページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第71回配信分2005年09月05日発行 組織の病気を診断するシリーズ第10回 〜経営者のマインドをしっかり確立する〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●会社の経営が傾いていくときには、いくつか原因がありますが、中小企業の 場合は、経営者の判断や方針に大きく左右されます。特に、人数的に小規模で あったり、同族やごく一部のメンバーで経営の意思決定が行われたりする場合 には、特にその傾向が強いものです。 ●著者も以前にかなり長い間、同族中小企業の経営に携わってきたが、経営の 軸がぶれだしたころから、顕著に組織の疲弊が進み、いろいろなところできし みが発生し、徐々に、その亀裂が大きくなっていったと感じています。 ●経営者のマインドがぶれたり、基本的な部分でずれたりしだすと、なかな か、修正がすぐに効かないものです。特に、大半の中小企業は、創業者がその まま経営のトップであることが多いのです。その場合は、余計に周囲から、き ちんとした情報が入らないものです。 ●時として、ワンマンであったりするものですが、ワンマンが絶対的に悪いと はいえませんが、周囲の状況をよく判断し、意見を充分聞き、リスクも考慮し た上での、決断がワンマンであれば、それは構わないかもしれません。 ●しかし、大抵はそうではなく、自分の過去の経験則からくる「独善」であっ たり、「ひとりよがりの判断」であったり、「偏見」や「先入観」もありま す。 ●経営者も人間ですから、時には、もちろん、間違うこともあるでしょう。た だ、いつも修正する心の幅と余裕が必要です。また、周囲にそういうスタッフ を配置しておかないといけません。 ●組織や会社が病気に蝕まれていくときは、まず、経営者のマインドがぶれを 生じ始めたときです。1年365日24時間、いつも間違いなく、かつ、正常に判断 が出来るかというと、それは、神様でもない限りありえません。 ●間違いは、あってはならないことですが、人間のやることですから、必ずあ ります。要は、それに早く気がついたり、事前のリスクをキャッチしたり、先 に違う意見を求めたりして、判断の軸がぶれないように、修正する必要があり ます。 ●そういう意味では、番頭さんとか、腹心とかいう表現が妥当な、No.2を探 すことです。いい経営者には、必ずいい番頭さんがついています。また、そう いう番頭さんを探してくるのも、経営者の能力のひとつでもあります。 ●組織が病気になる症状で、一番顕著なのは、誰もがトップに意見を言わなく なることです。これが始まると、一気にモラルが蝕まれ、モティベーションは 下がり、ボディーブローのように業績の悪化が効いてきます。 ●逆に、経営者は、自分のマインドがずれてきたなと感じたら、すぐに、修正 をかけられるよう、日頃からモニタリングをきちんとしておかないといけませ ん。病気で言えば、血液検査や画像診断をすぐにやって、きちんとコメントし てくれる、いい目利きの開業医をホームドクターに持つようなものです。 ●いずれにしても、経営は一人ではできません。理屈は分かっていても、それ は知識レベルで、実行して結果をだしたのとは違います。大事なことは、分か る人から、出来る人になることです。経営は理屈ではありません。