新しい年も、はや、七日正月も過ぎ、また、日頃のペースに戻ってきました。 ただ、今年は、成人の日が9日の月曜日なので、仕事始め→2日で連休→実質は 10日からという方も多いのではないかと思います。 平成の時代になって、12月の23日が天皇誕生日になり、なにやら年末が1週間 早まった感があります。また、年明けの成人式の連休と、12月下旬から1月上 旬にかけては、あまり仕事の効率は上がりません。 加えて、東北から北陸地方にかけての豪雪が、物流や生産の面で、じわっと影 響をボディブローのように与えています。大雪が豪雪になり、天気予報が外れ たのが、災害になりました。予測不可能な天候異変です。ITの発達した現代で も、天変地異の予測は難しいのでしょうか。 1月2日のKBS京都ラジオの出演の収録は下記のURLで聞けます。ぜひ、一度お聞 きください。 http://www.nmo.ne.jp/kbs06.htm *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 最新10号分のバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからお申込ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第89回配信分2006年01月09日発行 意欲と能力のバランスを見極める 〜ドイツプロイセンの参謀評価基準に学ぶ〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●1月の中旬に、某法人の依頼でセミナーの講師を務めさせていただくことに なりました。正月休みの半分は、この講演の準備と、ネタの整理に費やしまし た。時間は取られますが、講演の下準備は、日頃の雑然とした頭の中を整理 し、ごちゃごちゃなものを、すきっとさせてくれるいい機会です。 ●こういう時にこそ、今までのノウハウを棚卸をして、頭の中を整理します。 過去に収集した資料も、色々と繰り返し見ていると、面白い記事がありまし た。経営トップが組織を編成するとき、3つの必要な機能を備える必要がある と書いてありました。 ●まず、「現場の責任者」です。これは、製造部門の責任者の場合も、事業部 長のような方も該当します。要するに、ラインのヘッドです。深い専門知識、 決断力、先見性、暖かい人間性、・・・・・。色々なタレントが要求されるポ ジションです。責任感も重要です。 ●次に「参謀」部門です。企画力と分析力に優れ、物事を組み立てたり、企画 したり、シミュレーションしたり、そういう能力に長けた人が適任です。ライ ンのヘッドとは、また、一面異なるタレントが必要です。 ●最後に「補佐役」です。これは、トップに常に寄り添い、決してトップから 上に行くことなく、常に周囲に目配りし、トップの足りないところや、事前の 調整を行います。露払いもします。決して、目立たない存在ですが、これなく しては、組織は円滑に機能しないことが多いのです。上昇意欲があってはいけ ません。 ●大抵の組織には、「参謀」的な存在の方はいても、「補佐役」的な存在は少 ないと記述してありました。そうだと思います。サラリーマン社会では、なか なか「補佐役」のような立場の人は、よほどモノが分かった人でないと、勤ま らないかもしれません。 ●中小中堅企業では、経営トップの方は、こういう「補佐役」を求めておられ る方も多いのではないかと思います。企業が、組織が円滑に、その機能を十分 発揮するのに、目立たないが必須の機能かと思います。 ●最後に面白かったのは、昔のドイツプロイセンの軍隊では、「参謀」となる べき人に対する明確な評価基準があったとのことでした。その人の「意欲」と 「能力」を評価して、 (1)第1番に評価されるのは、「能力が大で意欲が小の人」 (2)2番目に評価されるのは、「能力も大で、かつ、意欲も大の人」 (3)3番目に評価されるのは、「能力が小で、意欲も小の人」 (4)そして、最後に絶対に評価の対象にならない人は、「能力が小で、意欲 が大の人」 と明確に決まっていたそうです。 ●なるほど、よく見ると、納得できます。戦争では、参謀の作戦ですべてが決 まると言っても過言ではないので、「能力が小で、意欲が大の人」が作戦を立 てると、部隊が全滅することが、確率統計的に証明されていたそうです。経験 から導かれた、非常に示唆に富んだ評価基準だと思います。 ●組織を作って、少なくとも複数の人間が関わりあって、何事かをなしていく のは、一人でやるより、非常にエネルギーのかかる作業です。一人でやるほう が、時間と手間がかかりますが、簡単な場合も多いのです。しかし、経営トッ プは、自らが人選した「現場責任者」の責任感と「参謀」の知恵を使って、業 績を挙げることを続けなくてはいけません。 ●加えて「参謀」的なパーソナリティを持った人材も必要です。作戦を立てる 人間がいないと、羅針盤のない船のようなもです。が、「参謀役」を人選ある いは評価されるときは、ぜひ、このフレーズを思い出してください。参考にな ると思います。