いつもご愛読ありがとうございます。 このまま行けば、3月27日が100号記念になる予定です。 100号では、何か、面白い企画はないかと、今から頭をひねっています。ま た、何か、アイデアがありましたら、お知らせください。 ============================================== トリノ五輪がピークを迎え、連日の衛星放送にお疲れの方も多いことではない でしょうか。日本選手の活躍も、期待に届かず、あとは、女子のフィギャス ケートに期待するのみかもしれない。 若手が頑張って、メダルの期待も大きかったが、現実はそう甘くなく、世界の 厚い壁に、ことごとく跳ね返された。大舞台での経験不足は否めなかった。や はり、4年に一度の五輪というのは、甲子園と一緒で魔物が潜んでいるのだろ う。 経験がすべていいとは思えないし、過去の成功体験も障害になることが多い が、大きい舞台を踏んでおくことは大事だ。歌舞伎の名門の子息が小さい頃か ら舞台で鍛えられるのと同じだろう。 我々の日常も、舞台の大小は別にしても、いつも五輪の晴れ舞台、大舞台と同 じ気持ちで相対することが求められている。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 最新10号分のバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからお申込ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第95回配信分2006年02月20日発行 好感より共感を招く経営者の意思決定 〜企業の姿勢にウソがないことが大切〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●年末に、しつこくTVで松下電器が石油温風器の回収を訴えていたCMをご覧に なった方も多かったと思います。年末商戦真っ只中で、なにやら違和感のある 淡々とした女性の口調で訴えるCMは、年末にそぐわない感じでした。 ●一番電気製品が売れる年末に、あのようなCMを流さざるを得なかった現場 も、断腸の思いであったことは、想像に難くないが、それを意思決定したトッ プも偉かったと思います。ただ、そうせざるを得ないという状況に追い込まれ ていたためではありますが。 ●回収は、なかなか進んでいないようですが、年末の売上は、当初の予想に反 して非常に好調だったと報道されています。おそらく、企業イメージの低下は 止められず、年末の売上にも多大の影響が出ると、誰もが思ったはずです。 ●それが、社長の号令の元、全社が一丸となって回収に努める姿勢は、むしろ 消費者の共感を呼んだのかもしれません。あの、大松下で、何万人と言う社員 と、全国の販売店が一致協力して回収に取組むと言うことは、生半可な姿勢で は出来るものではないでしょう。 ●あの回収を呼びかけるチラシも、数回、ポストに投函されていました。社長 の「草の根を分けてでも最後の1台まで探し出す」という、執念にも近い訴え は、確かに消費者に確実に届いていると思います。 ●企業の非を素直に認め(今回は、初動で遅きに失した感はあるが)、ウソを つかず情報公開し、多額の宣伝費をかけて必死になって努力する姿は、好感よ り共感を呼んだのだと思います。消費者は、その姿勢を評価した結果が、業績 の好調につながりました。石油温風器とプラズマテレビを、消費者は重ねて見 なかったのでしょう。 ●かたや、24日に乾坤一擲大勝負の株主総会を迎える三洋電機。増資の要請が 予定通り総会の承認を得て、いまの経営陣が信任されるかは、ふたを開けてみ ないと分からないくらい、混沌としているようです。いま、メディアで三洋電 機のCMは、企業イメージを上げようという意図が、見え見えです。 ●我々身近に相対している中小中堅企業とはわけが違うと思われるかもしれま せんが、やっていることは同じです。意思決定のポイントも同じです。企業の 姿勢の見せ方も一緒です。要は、正しいことを粛々とやることです。 ●先週のメルマガでは、東横インの西田社長の幻滅の記者会見のことを書きま した。今回の松下電器の対応は、その対極にあります。企業の姿勢の見せ方 で、これほど雲泥の差が出ることは、ある意味、恐ろしいことです。一度、そ うなると、挽回は容易なことではありません。 ●危機管理も含め、平時から、企業姿勢の見せ方、意思決定の基本に、確固た るものがないと、その場その場のちぐはぐな対応に終始していまいます。「人 のふり見て、我がふり直す」のが、一番の近道でしょうか。