高校の同窓会の機関誌の編集委員長を拝命し、特集記事の取材で卒業生の先輩 方を3人電話取材させていただいた。いずれも、実業界でご活躍の先輩方だ。 いまの母校に対する要望として、いずれの方も、創設の開校当時の原点に立ち 返ることを強調されていた。50年経って、創設のスピリッツがなくなっていて いると、危機感を持って語られた。 企業も同じなのだろう。50年、いや、30年くらい経つと、創業当時の苦労を 知っているメンバーもほとんどいなくなり、DNAを継承するのは、非常に困難 になる。 組織が継続していくことは、非常に難しいことだと、改めて感じた。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 最新10号分のバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからお申込ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第104回配信分2006年04月23日発行 商品開発ヒット連発の秘訣 〜飲料メーカー商品開発部長の心がけ〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●先日のNHKTVの某番組をご覧になった方もあると思います。平日の22時から の番組なので、見られなかった方もあるでしょう。成岡は、ばっちりビデオに 録画しておきました。某大手飲料メーカーの、ヒット連発の商品開発部長の奮 戦記でした。 ●その方は、キリンの「佐藤 章氏」40歳の半ばだったと思います。年間、お びただしい数の新しい飲料商品が世に出るなかで、毎年毎年、びっくりするよ うな数字の新商品ヒットを飛ばす、業界では有名な方だそうです。成岡は、こ の番組までその存在を知りませんでした。 ●ビールメーカーの飲料部門の新商品開発の責任者で、当初はビールの営業か らスタートされたそうです。そして、幾度の挫折を経て、現在のポジションに たどり着きました。ここ数年、毎年大きなヒットを飛ばし続けています。その 秘訣にNHKが迫りました。 ●1時間くらいの番組なので、この紙面ですべてを伝えることはできません が、ヒントはお伝えできるでしょう。まず、「サプライズ=心地よい驚き」を 生むこと。商品に対する一目惚れのイメージが消費者がもてないといけませ ん。CVSの飲料ケースでの前では、2秒間の間に消費者は商品を選択するので す。 ●確信犯の一人がすべてを決定していく。これも、重要。民主主義や合議制で は商品開発はできません。思いいれのある一人が、とことん、商品に惚れ込ん でのめりこんでいかないとダメなのです。その一人に、あらゆることの決定を させます。役割分担はしません。 ●会社の都合で商品を作らない。社長が言ったから、上司がこう言ったから、 誰それが何とか言ったから。研究所からこう言ってきたから。一切、妥協はし ないそうです。もちろん、組織ですから、きちんと礼儀は守るにしても、自分 たちの都合で商品を作らないことが重要です。 ●最期に、チームで仕事をする。佐藤さん自身は、自分でも語っていました が、決して優秀な企画マンではないと。魅力的なスタッフを集めて、彼らをそ の気にさせるのが、仕事です。魅力的なスタッフを集めるのも能力だと思いま す。彼らに語る時の情熱と表現は、すごい迫力とパッションです。 ●いい人間がいい商品を生み出すそうです。いい人間とは、表現が難しいです が、いい性格、思いやり、気配り、雰囲気を感じ取る能力、周囲が見えるこ と。その感性が、ヒット商品を生み出す原点なのだそうです。 ●年間500万ケース販売したらヒットといわれるなかで、4年続けて1,000万 ケース販売した商品を続けて生み出した能力は尋常ではありません。学ぶこと が多い番組でした。いつか再放送があると思います。見逃した方は、ぜひ、ご 覧ください。