ようやく長い連休が終わって、また、もとのリズムに戻らないといけない普通 の?日が続くことになった。いささか連休明けでお疲れの方も多いのでは。 連休中にメールを見ていない方は、月曜日に開けたとたんに、大量のメールが 飛び込んで来て、読むだけで時間のかかることだろう。 何が大事で、何を捨てるかを決めるのにも、結構エネルギーが要る。迷惑メー ルも多いし、いつぞやは大事なメールを間違って削除していしまい、大変だっ た。 この洪水から身を守るいい方法は、何かないだろうか。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 最新10号分のバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからお申込ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第106回配信分2006年05月08日発行 まずは、ざくっとした答えを出してみる 〜時間をかけての検討が正しいとは限らない〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●会議をしたり関係者のミーティングをしたりして、参加者の同意と納得を取 り付けて、物事を進めていくという習慣が日本には古来から?根付いていま す。古くは聖徳太子の「和をもって尊しとなす」、でしょうか。民主主義で進 めていくのは悪いことではありません。 ●が、しかし、民主主義は、一番時間とコストのかかる方法なのです。まし て、総意を得て物事を進めるとなると、一番かかるのは時間で、その間にビジ ネスチャンスを逃してしまうことは、よくあることです。タイミングを逸する というやつです。 ●何も独断専行がいいとはいいませんんし、それが蔓延すると、メンバーのモ ティベーションが一気に低下します。どうせ、トップが決めることだ、となる と、途端に人間と言うものはヤル気がなくなるものです。やはり、「我がこ と」にならないからでしょう。 ●経営者にとって大事なことは、まず、「ざくっとした答えを出すこと」で す。方向性とでもいいますか、こっちなのか、あっちなのかを決めることで す。やろうと考えるのか、これは違うと思うのか、です。京都駅で新幹線に乗 るときに、東京向きに乗るのか、博多に向うのかです。 ●のぞみに乗るか、ひかりに乗るかは、早いか遅いかの問題で、さして大きい ことではありません。大事なことは、行き先を間違えないことです。間違える と、引き返すのに倍の時間とコストがかかります。そして、メンバーの途方も ない消耗感とが残ります。 ●経営者の最大の仕事のひとつは、この方向性を決めることです。また、再度 集まって討議、検討する時間の余裕など、あまりありません。「では、ここの データをもう少し集めてから、検討して決めよう」などという結論はよくある 話しですが、これは結論の先延ばしです。 ●もう少しデータを集めても、一緒です。そんなにびっくりする数字が出てく るはずがありません。大勢はここで決めないといけないのです。「決めないこ との罪」は、経営者にとっては、一番してはいけないことなのです。試合を決 める一打は経営者のバットから出るのです。 ●まずは、細かい議論はあと回しにして「ざくっとした方向を決める」ことで す。充分時間をかけて検討することも必要な場合もありますが、それは稀で しょう。そういう意味では、経営トップの直感は、非常に大事です。動物的な 嗅覚も要ります。 ●直感や嗅覚を研ぎ澄ますには、日常の習慣と訓練が必要でしょう。急にそう いうスキルや能力は身に付くものではありません。やはり日頃の問題意識とそ れを自分の会社の課題として認識し、常に考えていることです。体には有給休 暇はあっても、脳細胞に有給休暇はありません。 ●そういう準備が出来ていると、ちょっと待って考えよう、などと寝ぼけた答 えは出てきません。直感で、だいたいこういう方向で間違いない、という答え がすぐに出てくるはずです。衆知を集める会議や検討会も大事ですが、時間を かければいいというものではありません。 ●先月のハーバードビジネスレビュー月刊誌にも、意思決定の特集がありまし た。経営者にとっての最大の仕事のひとつは、この曖昧な不確実な条件の中 で、間違いない方向性を決める意思決定をすることです。何を捨てて、何を残 すのか。何をやらずに、何をするのか。誰をこのプロジェクトのリーダーにす るのか。 ●「もう少し考えてみよう」は大事ですが、結果的に結論を先延ばしにした 「逃げ」が多いです。有名なGEの経営手法の中にも、ワークアウトと言って、 意思決定者がその場で結論を出すと言う会議があります。「結論保留」は、経 営者の怠慢以外の何ものでもありません。