**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第1079回配信分2024年12月30日発行 今年もいろいろなことがありました 〜恒例の「1年のできごとを振り返る」〜 **************************************************** <はじめに:1〜3月> ・1月1日元旦。平安神宮に初詣に行っていた、その時、地面が大きく揺れ た。参拝を終えて、近くのスタバで並んでいたその時に地震は起こった。どこ で、何が、という子細は分からなかったが、スマホのNHKラジオで女性アナウ ンサーが津波避難の緊急放送を繰り返し叫んでいた。自宅に戻ってTVを見て、 これほどの大きな地震が正月元旦の夕方に起こったことに衝撃を受けた。初日 の出も、御屠蘇気分も、正月の目出度さも、消し飛ぶくらいの衝撃だった。日 本海に突き出た半島という非常に地の利が悪い場所での大震災だったので、水 道、電気、道路などのインフラが断たれ、いまだに避難所生活を強いられてい る方がいる。被災された方の一日も早い日常生活が戻ることを祈るばかりだ。 ・2月。ロシアのウクライナ侵攻から2年。暗い話題が多かったが、月末には 大谷翔平の電撃結婚が発表され、少し明るい話題が提供された。台湾のTSMCが 熊本県に工場を建設する開所式があり、地元経済は活況を呈することに。アル バイトなどの人手も不足し時給は青天井になる。賃貸住宅の家賃は急上昇、地 価も高騰し、半導体バブルの様相を呈してきた。今年は閏年だった最後の29日 に政治資金パーティの裏金疑惑を解明する政治倫理審査会が開かれる。しか し、事実の解明にはほど遠く、結局この疑惑解明の動きが発端になり、のちに 岸田内閣が総辞職になり、政局となるきっかけとなった。いまだに真相が解明 されない裏金疑惑。真実が白日のもとにさらされるには、まだ時間がかかるの だろうか。 ・3月16日、北陸新幹線の金沢〜敦賀間が開業。北陸は一気に盛り上がり、一 時期は能登の震災ダメージもカバーできたかと勘違いするくらいだった。特 に、福井県に東京方面からの旅行客、観光客が増加し、地元では一時期新幹線 バブルで潤った。しかし、在来線が第三セクター方式になり、関西からの特急 サンダーバードが敦賀止まりになり、地元では不便になったと評判は良くな い。いまだに、この時点でも敦賀から新大阪までの延伸の具体的な計画、ルー トがはっきりせず、膨大な建設費、気が遠くなるような工事期間などもあり、 地元京都の同意が得られないまま、政治主導でことが進められている現状に、 反対の声も日増しに大きくなっている。京都では地下水への影響懸念が強く、 予断を許さない。 <4〜6月> ・4月8日から日本版ライドシェアのサービスが開始された。コロナ明けで海 外からのインバウンド観光客の増加、タクシー運転手の人手不足などの解消の 特効薬というふれこみで期待されたが、思ったほどの利用がなく、運転手も集 まらず、期待ほどの成果は出ていない。静岡県の川勝知事が辞職を申し出て、 退任。後任の選挙で、リニア推進の知事が当選し、リニア新幹線の停滞してい た工事が一気に進むことになった。しかし、岐阜県などでは地下水の水脈に異 変が生じたり、地面の異常な変化が現れたりして、一時期該当地域の工事を中 止して原因の解明に注力している。やはり、大深度の地面を掘れば、それなり の影響が出るのは必至なのだろう。北陸新幹線の京都大深度地下工事への余波 もありそうだ。 ・5月。東京国技館の5月場所で、大の里が初優勝を果たす。幕下付け出しか らのデビューでは最速の優勝だ。まだ、大イチョウどころかチョンまげも結え ないザンバラ髪力士の優勝は驚きをもって受け止められた。学生時代の素質か ら、プロに入っても活躍するだろうとの期待はあったが、これほど一気にトッ プに駆け抜けるとは誰も想像しなかった。出身が震災のあった能登地区という ことも人気に大きく影響した。横綱、大関に日本人力士が独りしかいないとい うさびしい状態を変える、救世主的な存在として大きな期待を背負っている。 その後ご存じのように、秋場所でも優勝し、日本人横綱に最も近い位置にい る。琴櫻と並んでの同時昇進を協会は期待しているのだろう。一気にフィー バーする可能性がある。 ・6月。合計特殊出生率が1.20と、過去最低を更新したことが発表され、大き な衝撃を呼んだ。未婚化、晩婚化が原因とされている。少子化対策は、国、都 道府県、地方自治体、市町村などで、一生懸命行われているが、一向に効果が 出てこない。生まれてきた子供への環境整備としての給付金、教育費の無償化 などより、若い男女が結婚しようという意識をどう持ってくれるかが重要だ。 最近では、結婚しなくても独身でも十分生活は可能だ。24時間開いているCVS やNETでの買い物など、独身でも困らない生活スタイルが定着してきた。ま た、社会構造の変化から、適齢期の男女が会う機会が減ったことも原因だろ う。何より、未来に希望が持てる社会にすることが、最も大事なことだ。政治 の責任も大きい。 <7〜9月> ・7月。新しい紙幣が20年ぶりに発行され、1000円札、5000円札、10000円札 が刷新された。自動販売機や駅の自動券売機、スーパーのレジなど、意外と多 くの場所で紙幣を別の形のマネーに変えていることを、改めて感じた。東京都 知事選挙で小池百合子現職が圧勝し、3選を果たした。戦前の予想とは全く異 なる結果になった。日経株価平均が42000円を超えて、最高値をつけた。パリ 五輪が開幕し、多くの日本人アスリートの活躍に勇気をもらった。アメリカ大 統領候補のドナルド・トランプ氏の暗殺未遂事件が起こり、このときの写真が 大きなインパクトを与え、11月の大統領選挙の圧勝に結びついた。秋田県、山 形県で記録的な豪雨が襲い、甚大な被害が出た。異常気象が続いている。 ・8月には初めて南海トラフ地震の臨時情報が、宮崎周辺で震度6弱の地震が 起こったことを契機に、気象庁が初めて発して、大騒動になった。結果的に空 振りに終わったが、改めてこの大地震の予知が難しいことが認識された。長崎 原爆79年の今年、平和記念式典にG7の大使が欠席し、話題になった。甲子園球 場が開場し100周年を迎えた記念の年に、京都代表の京都国際高校があれよあ れよという間に頂点に登り詰め、初優勝を果たした。飛ばないバットに変わっ た初めての大会で、ホームランが極端に減り守り勝つ野球が評価された。パリ 五輪のあと、パラリンピックが開催され、多くの障害をもつアスリートの活躍 に大きな感動をもらった。車いすテニスでの男子女子ダブル金メダルは話題に なった。 ・9月。能登で豪雨災害が起こり、地震で傷んだ地元が、また一層苦しい環境 に追いやられた。地震と豪雨のダブルパンチを受けた被災者も多く、早期の復 旧、復興が待たれる。兵庫県知事の斎藤氏の県議会で辞任要求が可決され、失 職した。その後、出直し選挙が行われ、復活当選したが、いまだにそのプロセ スで不信の事案があり、告訴事件に発展し、解決がついていない。自民党総裁 に石破氏が選出され、石破内閣がスタートする。ご存じのように、10月に起死 回生の総選挙を仕掛けて、惨敗。天候不順で、新米の収穫を前にコメの在庫が なくなるという噂がかけめぐり、多くのスーパーの店頭からおコメが品薄に なった。実際にはそうでもなかったのだが、一部の店頭では商品がなくなる事 態になった。令和の米騒動と言われた。 <10月〜年末> ・10月に入り、石破内閣が発足。その後短命内閣で解散、総選挙に打って出て 惨敗。少数与党になり、政局が荒れることに。郵便料金が30年ぶりに値上げに なり、請求書を郵送していた企業がクラウドからの請求書システムに切り替え る事案が多く見られた。首都圏で闇バイトを使った強盗事件が頻発し、物騒な 世の中になったと嘆く人が増える。中東ではイスラエル軍がレバノンに侵攻 し、泥沼の中東情勢が一層の緊迫度を増すことになる。大谷翔平の属するド ジャースが地区優勝し、さらにワールドシリーズを制覇して、日本中が大谷 ブームに沸くことに。日本被団協にノーベル平和賞が授与されることが決定。 東海道新幹線が開業60周年を迎える。この間、日本の大動脈として多くの人を 無事に、定刻に運ぶミッションを達成した。 ・11月。プロ野球はセリーグを巨人が制覇したが、クライマックスシリーズで 3位のDeNAに敗れ、日本シリーズでもソフトバンクが一敗地にまみれ、久しぶ りの下克上に。福島原発で廃炉の準備作業の最難関のデブリ回収が始まる。準 備段階でのトラブルもあったが、何とか破片の回収に成功し、ここから気が遠 くなる時間をかけて廃炉作業が始まることに。アメリカで大統領選挙が行わ れ、トランプ大統領が再選を果たす。返り咲きは歴代二人目。早くも関税を始 めトランプ節が吹き荒れ、来年1月20日の就任を待たずして、多くの疑心暗鬼 を生んでいる。11月になっても異常な高温が続き、農作物に異変が起きる。特 に、葉物野菜の高騰が続き、家庭の主婦から悲鳴が上がる。一転して、月末に は寒波が来襲し、夏から一気に冬に突入する。 ・12月はまだ経過中だが、臨時国会が開幕し、少数与党になった自民公明連合 と、選挙で大躍進した野党との戦々恐々の駆け引きが幕を開けた。103万円の カベに穴を開けつつあるのは良いことだが、減税になれば原資をどこから捻出 するのかをきちんとしないといけない。景気が良くなり税収が増えるのをあて にしたのではおぼつかない。事業計画で売上が伸びる計画で利益が出て、借入 の返済ができるという理屈と同じだ。やはり経費を減らす方向に手を付けない といけない。年々膨張する日本の予算。社会保障費と医療費で全体の3分の 1、国債の償還と利払いで出4分の1が出ていく。GDPも世界5位になり下が り、一人当たりでは韓国の後塵を拝する。少子化の止まらない日本に、明るい 未来を描けるのか。心配だ。