このメールはBCCにて配信されています。 ご存知の方もあるかと思うが、早稲田の名SHとしてならし、ラグビー全日本の 監督までされた宿沢広朗氏が、6月17日群馬県の山歩きの山中で、心筋梗塞で 急死された。享年55歳。 確か、当時の住友銀行のバンカーで、早稲田の監督から全日本の監督までさ れ、1989年のスコットランド戦では歴史的な勝利をもたらした名監督だった。 日本のラグビーを世界に押し出した立役者だった。 以前の仕事で、東京で特別講演をしていただき、スポーツとマネジメントに関 して、非常に印象に残るお話をしていだいた記憶がある。立派な社会人であ り、素敵なスポーツマンであり、尊敬すべき経営者だった。 現役時代と同じに、スポーツマンであった人は、概して無理を平気でして、足 元をすくわれるらしい。もう、現役とは違うのだから、年齢相応に無理をしな いようにすることが大事なのだろう。合掌。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 最新10号分のバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからお申込ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第114回配信分2006年07月03日発行 中小企業の内部統制を考えるシリーズその5 〜後継者への事業継承を真剣に考える〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●最近、中小企業の経営者の方とよく話題に上るのが標題の事業継承です。つ まり、分かりやすく言えば後継者問題になります。いま、経営者の方が、60歳 後半から70歳くらいにさしかかってきた企業が、真剣に後継者問題に悩み始め ています。 ●後継者問題を、成岡なりに整理すると、 (1)後継者が全くいないか、探す見通しが立っていない (2)後継者とおぼしき人物はいるが、社外にいて自分の会社には気が無い (3)後継者と思える人物はいるが、果たして能力があるか疑問を感じている (4)そもそも今の事業を誰かに継承することは難しい ●いろいろと事情はありますが、経営者として考えるべきことの、まず第一は 自分の会社の事業継承です。すなわち、自分の後は誰が経営をするのかという ことです。適任者を在職中から探したり、めぼしをつけておかなくてはなりま せん。これを怠ると、時間の経過と共に、どんどん大変なことになります。 ●もし、探す見通しが立っていないなら、外部にその道筋を見つけることで す。今年の中小企業白書でも、後継者不足による廃業がかなりの数にのぼり、 それによる雇用機会の喪失が非常に大きい数字になっているとのレポートがあ りました。本気で事業継承を考え出しました。 ●企業が体力があり、元気なうちにどこかにM&Aしてもらうのもひとつの方法 です。企業価値がどんどん毀損したり、減損したりしてからではM&Aは難しく なります。双方の意思が一致しないといけませんから、価値の高いうちにアク ションを起こさないといけません。 ●後継者の見通しが立ってないなら、経営者責任で早く次の対策に動かないと いけません。従業員を路頭に迷わすようなことは断じて許されませんから。そ れは経営者の大きな責任の範疇です。企業は継続してこそ価値があります。京 都の老舗の経営を見習うべきです。 ●後継者と目される人物がそれなりに存在する場合は、自社の事業にモティ ベーションを持ってもらうように、常にアクションを起こしておくことが大事 です。こちらの都合のいい時だけ投げかけるのはいけません。先方にもそれな りに想いがありますから、それを一致させておくことは、非常にエネルギーが 要るでしょうが、これも経営者責任の範疇です。 ●能力に疑問があるときは、真剣に、かつ、慎重に見極めることです。これ が、身内となると難しい。成岡格言?に、「自分の息子の家庭教師はできな い」というのがあって、結構共感を呼びます。それくらい、身内に対しては評 価が崩れます。客観的に評価することの困難さがあります。 ●それを、敢えてしないといけないのが、経営者の責任です。外部での修行も よし、研修で徹底的に鍛えるもよし、どんどん難しい事業を任すもよし、お金 の苦労をさせるのもよし。鍛え方は無尽蔵にあります。意思の問題です。本人 が、まず、その気にならないといけません。 ●能力は開発すれば、どんどん改善されていくと信じることです。すぐには結 果の出にくい人もいますから。何よりも、企業の存続の浮沈がかかっている、 ビッグプロジェクトですから、経営者は絶対に手を抜いてはいけません。愛情 を持って、指導と教育をすることです。 ●そもそも誰かに事業を継承することが難しいなら、最終の形を早くから想定 して、事業は継承できなくても、経営者の意思が継承できるような環境や形を つくらないといけません。お金で残して基金を創設するとか、教育の機関に形 を変えて意思を存続さすとか。 ●いずれにしても、いったん事業として、この世界に生まれたビジネスが一定 期間評価され存続しているなら、何らかの形で事業継承を、企業価値を毀損し ないように、円滑に運ばないといけません。後継者に引き継ぐなら、教育は経 営者の責任です。新しい形の事業継承を考えていくべき時代になってきまし た。