このメールはBCCで配信されています。 今週も梅雨明けが望めないらしい。今年の梅雨は異常に長く、かつ、男性的に 豪快に降り続く。これも、地球温暖化のなせる業なのだろうか。 これほど梅雨明けが長引くのも珍しい。先週の木曜日に予定されていた母校野 球部の夏の予選の試合も、流れてしまった。次はいつのことになるのか、見当 がつかない。もう、今年の応援は諦めた。 天候不順と一言で片付けられないものが潜んでいるようだ。中東の情勢不安と 長引く梅雨。なにやら不気味な 感じがする。リスクマネジメントが大事な状況になってきたように思える。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 最新10号分のバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからお申込ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第117回配信分2006年07月24日発行 まずはいいのもを真似してみることは大事 〜マーケティングの基本は真似ること〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●中国では、何でもすぐにコピーをして、許諾無く使うというのは一種常識な のだそうです。以前に出版社にいたときに、結構ヒットした写真集も、海賊版 がすぐに出ました。もちろん、品質は最悪でしたが、それでも価格との相談で 市場では結構売れたようです。 ●出版物のコピーは論外としても、工業製品は似たような名前を付けて、紛ら わしいメーカー名で、堂々と市場で売り出しています。オートバイ、家電製 品、日用品、アパレル、それこそ生活のあらゆる分野に模造品は入り込んでい ます。結構日常の生活に使われています。 ●しかし、オートバイや家電製品などは、徹底的に対象になる商品を分解、研 究して、そのいいとこどりをして、本物と見間違うくらいの立派な商品に仕立 ててあります。リバースエンジニアリングということばもありますが、最終製 品から川上に遡り、模倣をできる技術は、ある意味大したものです。本物と そっくりさんです。 ●サービス業でも、製造業でも、その業界で成功したビジネスモデルは、最近 ではITの発達により、そのノウハウの表面的な部分や代表的な例は、ほとんど 公開されています。ただ、本当に大事なノウハウ部分は、そう簡単に公開はし ていないでしょうが、インターネットやその他の情報から、かなりな部分はわ かるはずです。 ●詳細は分からないにしても、その業界に身をおくなら、ピンと来るポイント は分かるはずです。では、その通り自分の会社や組織に当てはめて、うまくい くでしょうか?これは参考になると思えば、徹底的に真似をしてみるのは大事 です。環境や条件が異なりますから、必ずしも同じようにやってみて、再現性 があるとは思えません。 ●小生が学卒で入社した株式会社三菱レイヨンのポリエステル繊維の製造工程 は、1974年当時(第1次オイルショックの頃)オランダのAkuzoInternational という会社から技術導入していました。東レ-Dupon、帝人-ICIと同じです。英 語で書かれた技術資料があり、それをひたすら勉強し模倣しようとしていまし た。 ●同じようにやってもほとんどうまくいきません。微妙な温度ムラ、攪拌の状 態、製造装置のスペック、原材料の違い、様々な要素で、環境を同じにして製 造することは、基本的に不可能です。完全に模倣することはできません。その 微妙な条件の少しの違いで、かなり物性の異なる製品が出来ます。 ●サービス業のマニュアルやシステムなども、最近では有名な会社のシステム の概要であったり、日常業務の方法などは、かなりの部分がオープンになって います。それを見て、聞いて、では、同じようにやろうと思っても、それは、 なかなかうまく行きません。条件や環境が全くおなじということは、ほとんど 有り得ないことですから。 ●なので、先達の事例に学び、学習し、いいとこ取りをして、自分の会社や組 織にあったシステムを考えるには、まず、身近にある成功事例を真似ることか ら始まります。真似ることは決して恥ずかしいことでもないし、大事なことで す。真似ることができれば、それはそれで一流の証です。 ●もちろん、真似るときに一定のルールや規則、常識はありますから、社会の 中で活動する限り、最低限守るべきルールはきちんと守ることは言うまでもあ りません。それを、きちんとやれば、堂々と成功事例から吸収し、自分の会 社、組織に合うように変えればいいのです。 ●マーケティングなどと難しく考えるより、まずは、身近にある成功事例に学 ぶ姿勢を持ちましょう。自分の会社は特殊で、自分しか分からないなどと不遜 に思わずに、まずは、先達のいいところを真似してみましょう。簡単に真似が 出来れば、あなたの組織や会社のレベルは相当高いと思います。そう簡単なこ とではないと思います。 ●そして、その真似する中から、自分たちの考えた工夫やアイデアを積み重ね て、自分たちのノウハウを作りましょう。試してなんぼです。やってみること が大事です。調査に時間をかけ、データを集め、議論をすることも必要です。 ないがしろにしてはいけませんが、いいものの真似をすることは、大事なこと です。 ●最も簡単に、かつ、凝縮したノウハウが学べます。まずは、身近にある自社 にあった成功事例を集め、研究することから始めましょう。3つ集めて、穴の 開くほど眺めれば、何かヒントが見えてくるはずです。それで見えてこなかっ たら、集めた事例がミスマッチです。やり直したほうがいいでしょう。 ●マーケティングの第一歩は、成功事例を真似ることです。真似ることが出来 れば、次のステージが見えてきます。真似ることさえ難しいのが、現実だと思 います。何が足りないのか、何が不足しているのか、何が間違っているのか。 その反省から、次の打つ手が見えてくると思います。