このメールはBCCで配信されています。 先日、家庭内の節水の記事を新聞で読んだが、自分の先入観がいかに間違って いるかということに唖然とした。 某メーカーの調査によると、一般家庭内の水の使い道の内訳は、トイレ周りが 28%、風呂が24%、炊事関連23%、洗濯17%、洗顔その他8%という結果だった。 個人的なイメージとしては、風呂が一番水量を食っていると思っていたが、果 たしてそうではなかった。特に男性は外で仕事をして、用を足すことが家庭内 で少ないからかもしれない。 この調査の目的は、節水型のトイレの開発と売り込みだが、どういう調べ方を したかは別として、感覚的な先入観で判断してはいけないと強く感じた。 経営の現場でも経営者の先入観の思い込みはよくある。その根拠も聞いてみる と大したことではないことが多い。ちょっとした経験やその場の印象で感じた ことが意外と多い。事実を正確に認識することが大事だ。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 最新10号分のバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからお申込ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第121回配信分2006年08月20日発行 人に言われてやっているようではダメ 〜いかに自分のことに思えるかが鍵〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●最近、いろいろな組織や団体の仕事をさせていただいているので、従来にも 増して様々な環境におかれている企業経営者にお目にかかることが多くなりま した。積極的に事業展開されている経営者の方はいいとして、何かの理由で経 営状況が困難な方にお目にかかるのは、なかなかしんどいものがあります。 ●そういう組織では、特にマネジメント層の各自の課題が明確になっていない ことが多いように感じます。経営体制が同族的か、そうでないかにもよります が、管理職レベルでの課題=ミッションの設定に、納得感が少ないように感じ ることが、よくあります。課題が経営層から落下傘的に降ってくるようです。 ●いずれにしても、課題が上から降ってきて、納得したように一瞬は思います が、なかなか続かないのは、それが「わが事になっていないから」です。自分 自身の課題ではなく、与えられた課題だからです。自分のことになっていませ ん。あてがい扶持なのです。 ●お給料をもらう立場と、払う立場では雲泥の差があるとは、よく言った例え ですが、まさにその理屈が当てはまります。あてがいぶちで課題が設定される のと、自分の意思で決められた課題であるのとは、天と地ほどの差がありま す。何事も自分が意思決定しないといけないのです。 ●集合研修会に参加された経営者の方が、その研修会のメニューで考えた課題 が、そのまま会社に持って帰られたときに、なかなか下に降りてこなれないの は、上から降ってきた課題になっているからです。部下は、聞いてはいます が、納得していません。 ●以前に在籍した某社では、この課題を自らの課題と認識し、わが事に思え るまで徹底的に意思疎通を図ることに時間をかけていました。それは、なかな かエネルギーの要ることで、半端な気持ちでは出来ないことです。しかし、 徹底して実行していました。 ●本当に自分自身の問題であり、課題と認識できるには、まず、自らが課題の 設定をきちんとしないといけません。それが、意外と曖昧であったり、いい加 減であったり、場当たり的であったりします。本当に、現状の問題点がきちん と認識できていることは、意外と少ないのです。 ●課題の設定がわが事になっていないと、その後のアクションも間違います。 意識が低いと優先順位も違うし、かける時間やお金も間違います。また、経営 トップと自分との間で、課題認識のずれが発生します。これが、組織内でよく 起こる現象です。意外と多くあります。 ●会社をわが事で経営しておられる経営者と、一定の雇用関係にある次のマネ ジメント層とでは、どうしても乖離が起こることは避けられませんが、その乖 離をいかに小さく、かつ、日常のこまめなコミュニケーションでカバーするの かが、大変重要です。経営者が一番情報量が多いので、積極的にその溝を埋め る努力をしないといけません。自ら近づいていかないといけません。 ●経営トップは、下のマネジメント層に課題を下ろすときに、よほど気をつけ てトップダウンしないといけません。面従腹背ではないですが、聞いている振 りして、本当に理解されていないことが、ほとんどです。一度下命して、それ で理解納得でき、ことが進むのは、よほどマネジメントの成熟度が高い組織で す。一般の中小企業では、なかなか、そういうことはありません。 ●「わが事」として考えられる、それは思えば、すごいことです。経営者自身 以外で、どれくらいそのようなマネジメント層がいるのか、そこが企業の総合 力として、体力勝負で問われます。ここを、きちんとマネジメントすることが 経営者の仕事です。根気良く、しつこいくらい、意思疎通を図るくらいで、 ちょうどいいのです。