このメールはBCCで配信されています。 有名な女性作家の言葉を最近ラジオで聴いて、はっとしたことがあった。曰 く、「転ぶことが恥ずかしいことではない。立ち上がれないことが恥ずかしい ことなのだ。」 失敗はつきものだ。特に事業が永遠に順風満帆であることは、ほぼ、皆無だろ う。企業の寿命は30年。医者は三代目で潰れる、などなど。ゴーイングコン サーンとは、言うは易く、行なうは難しの典型だ。 転んでも、転んでも、なにくそと立ち上がり、また、歩き出す。その気迫と勇 気と志が重要なのだ。経営はゴールの見えないウルトラマラソンを走っている のと同じだから。 10月の中旬に「中小企業の事業承継」という課題で講演を依頼された。この連 休は、時間を割いて、調べものをしている。京都は代々続いている老舗企業が 多くあり、そこから学ぶことは多い。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 過去すべてのバックナンバーは、下記の成岡マネジメント オフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからPDFにて ダウンロードください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第125回配信分2006年09月18日発行 経営者の過去の経験は経営判断に反映する 〜どうしてそう判断するかは過去にヒントがある〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●いろいろな経営者の方にお目にかかり、初めてのときは、当たり障りのない 範囲で、その経営者の方のプロフィールを伺うことにしています。学校を卒業 してすぐにその企業に入られた方。どこかの企業でしばらく修行されてから、 自分の会社に戻られた方。 ●もともと、その企業を継ぐ気がなかったのに何かの事情で承継された方。突 然のアクシデントで急に役割が回って来た方。経営者の人となりを理解するに は、過去のプロフィールを理解することは重要です。また、気楽にそういう会 話が出来る関係にならないといけません。 ●経営に関する会話を進めていくと、時々、??と感じることがよくありま す。どうしてそう判断するのかな?信じられない、理解できない、という状況 があります。生まれ育ちが違うと、理解が難しいというのと同じかもしれませ ん。 ●いい、悪いは別にして、価値観の相違というのは、なかなか容易に埋められ ません。10年、20年と一緒にいれば、だいたいものの考え方は理解できるので すが、会社で一緒の時間は、せいぜい8時間程度。年間2000時間です。それで は、なかなか分かりません。 ●某社では、臨時の取締役会を開いて、役員相互の理解を深めるために、各自 の略歴や業務経歴を話す時間を設けています。どういう経歴でどんな仕事をし てきたか。どういう重要な意思決定に関わったか。それが、現在の価値判断基 準に大きな影響を与えています。 ●人間は経験したことから学ぶ人種ですから、未経験のことは分からないので す。車の運転はできますから、車のことは概ね分かりますが、飛行機の操縦は 出来ないから、飛行機のことはわかりません。書籍で読んで、分かったような 気分にはなりますが、体験はしていません。 ●どうして経営者の方がそういう判断をするのかの原点は、実は、過去の印象 的な経験や体験、大きなインパクトのあった出来事、そのときに判断した結果 などから形成されています。そこを理解しないと、なぜそう判断するのか分か らないのです。 ●特に判断の基準値形成には、そのことが大きな影響を与えています。成功し たこと、失敗したこと、そこから掴んだものが、判断の基準です。何を元に判 断しているのか、人生観や価値判断の基準にあるものを理解しないと、その経 営者の人となりは分かりません。 ●概ね人間は成功体験が頭に残り、失敗体験は後悔として頭に残ります。成功 体験に基づいて判断することが多いと思います。これが、いわゆる「過去の成 功体験を引きずる」というやつです。成功体験がすべて悪いわけではありませ んが、「その時代環境のときでの」という枕詞がつきます。 ●時代環境が変われば、成功要因も変わるのです。この当たり前のことが、な かなか出来ません。ベテランの経営者ほどこれが強いと思います。公的機関や 役所の方が、過去の事例に当てはめて判断するのも、この類です。すべてが悪 いわけではありませんが、将来に適合しているとは思えません。 ●その企業、特に中小企業の経営マインドを理解するために、大事なことのひ とつは、その経営者の過去のプロフィールをきちんと聞いて、その価値判断の 基準を理解することです。そうすれば、なぜその方がそういう風に考えるの か、判断するのか分かります。相互理解には、ここは非常に重要です。