このメールはBCCで配信されています。 9月の末から某大学の後期の授業15回を担当することになった。その初回が先 日あり、90分の授業を行った。以前にも某大学の講義を何回かさせていただい たが、まず、授業をきちんと受ける体制にすることが大変だ。 定刻に来ない、来ても隣としゃべっていて静かにしない。出欠をとってもきち んと返事をしない、・・・、などなど。言えばきりがないかもしれないが、躾 と礼儀を教えるのも大学の授業の一環なのかもしれない。 こちらも切れないように、我慢して?やるしかないかもしれないが、家庭や義 務教育で本来身に付けるべきことが、出来ていないのが現状なのだろう。 そういう意味で安倍新政権が教育改革をとりあげたのは、極めて自然であり、 逆に焦眉の課題なのだ。教育には時間とお金がかかるが、一番将来に向けた有 効な投資なのだ。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 過去のすべてのバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからダウンロード ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第127回配信分2006年10月02日発行 成岡マネジメントオフィス設立2周年記念号その2 〜社長とは何をする人なのか?〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●9月末から、京都の某財団からのお声がけで、「自立化塾」なる長期研修講 座のコーディネータと3回の講師を依頼されて、先週の土曜日からカリキュラ ムが始まりました。初回は、京都のモノ作りでは著名な秋田製作所、株式会社 アクト代表取締役の秋田社長から、経営哲学を講義いただきました。 ●株式会社秋田製作所、株式会社アクトは、様々な企業からの機械、設計、加 工を行い、マシニング、エレクトロニクス、ソフトウエアを組み合わせた先端 機械を製作する会社です。当日、初めて説明を聞いた人は、何をやっている会 社なのか、初めは理解するのが難しかったかもしれません。 ●現場の技術責任者の方に業務と製品の概要をお話しいただき、工場見学をさ せていただきました。後半は、秋田社長ご自身から、その経営哲学をお話しい ただきました。社長は何をすればいいのかを、ご自身の経験とそこから得られ た確固たる信念をうかがいました。 ●秋田製作所、アクトという組織は、少々風変わりなところがあって、社員自 らが志を高く持って働ける仕掛けがいろいろと工夫されてあります。定型的な 仕事はなく、依頼先の企業からの非常にレベルの高い受注を担当者が、ひたす ら考えて工夫します。一生懸命働く姿勢には、周りを感動させるものがありま す。 ●量産型の製品は、実はひとつもなく、個々のオーダーを完成することがそれ ぞれ智恵と工夫の塊です。何とか発注もとの希望を適えるように、創意と工夫 をこらします。大量生産の製品はありません。随分、手間ひまをかけて、完成 するものなのです。 ●それでいて、無借金。社員数がそんなに多くはありませんが、給与水準もそ れなりに高いようです。何よりも、嬉々として皆さん、よく働くそうです。決 して、トップからの指示や命令で強制的にやっているのではないのです。社長 は、支援をし、自立をサポートしているのです。 ●カリスマ社長にありがちな、パワフルで強固なリーダーシップの下に、社員 一丸となって・・・・、というような雰囲気は、あまり感じられませんでし た。むしろ、本社のスペースもゆったりして、贅沢なくらいの余裕の空間があ ります。そこから、社員相互のコミュニケーションが図られるのでしょう。 ●社長が若い人に訴えるのは「夢と志」を持つこと。そこそこの年齢になれば 「使命感」を持つことだそうです。社業の傍ら、地域の各種委員、学校のPTA 役員、業界の役員など、社会活動も本業のひとつだとお話しされました。そこ から、また社会との新しい接点が生まれます。中小企業は地域で生きているの です。 ●「志」があれば、売上の目標を達成したりすることも大事ですが、一番大事 なものを見失わないと思います。すぐに、我々は目先の具体的な業績や数字に 目が行きます。そこも大事ではありますが、遠くを見つめ、明確な目標を見失 わないことが大事です。羅針盤がきちんと出来ています。 ●ただ、言うは易く、行なうは難し。分かっていることと、出来ることは違い ます。分かっている人は多いけど、出来る人は少ない。まして、出来て、結果 を出している人は、なおさら少ない。秋田製作所、アクトさんの、一番大事に されていることは、社員を人財として育てることです。 ●そのための、支援をし、自立をサポートするのが社長のミッションなので す。決して、トップダウンで指示命令が落下傘のごとく上から降って下りてく ることはないそうです。非常にハイレベルなマネジメントだと思いますが、ま ずは、そうなろうと思わないとなりません。 ● スタンフォード大学のビジネススクールのポラス教授の研究によると、 「永年にわた利益の最大化を目的としてきた同業他社よりも、基本的な理念の 追求を優先してきた会社のほうが利益が高い」という研究があります。「遠く を見据えた企業には、一貫した哲学があり、結果的に、より遠くへ到達でき る。」と。