このメールはBCCで配信されています。 中学生の自殺が続いている。本当に悲しいできごとだ。しばらく前は、30代か ら50歳くらいの男性の自殺が多いことが問題になっていた。それが、中学生の 自殺に移った。 子供が将来を悲観して自ら命を絶つことはあってはならない。本人の周囲の問 題もあるが、周りとの人間関係、とりわけ他人との距離のとり方が分からない のだろうか。 我々が小さいときは、必ず学校の友達と外で身体をぶつけながら遊んでいた。 空き地やグランドでの野球などが全盛期だった。けんかもしたが、すぐ仲直り もした。 いまは、自宅でのTVゲームが主流なのか。友人と会話も少ない。まして、帰っ ても自宅に誰もいない。学校の先生もサラリーマン化して、面倒を見ない。ど こかおかしくないだろうか。このままでは、日本の将来が案じられる。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 過去のすべてのバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからダウンロード ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第134回配信分2006年11月20日発行 日本語を正しく話すことが大事 〜意思疎通はきちんとした日本語から〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●11月初めのNHKTVクローズアップ現代で、「若者の日本語力がここまで落ち ているのか」と思わせる実情と、企業での取り組みについて紹介されていまし た。成岡は残念ながら見落としましたが、お知り合いの方から教えていただい たので、引用して紹介します。 ●企業のケースでは、 ・研磨剤製造工場において「成分に差異が発生したら報告する」との注意書き があるが、"差異"と言う言葉について、読めても意味が分からず、多額の損害 を発生させた。 ・工場に書かれていた注意事項のうち、多くの言葉について意味が理解されて いないことが判明した。 ・口頭で指示しても、文書で指示しても、意味が理解されなされなければ、そ れだけで生産性が低下する。 ・工場(企業)において書き取りや、読み上げ訓練が始まった。 ●何故、このような状況になったのかを、大学生1200人の調査結果から推測す ると、 ・語彙力が中学生レベルの大学生の60%が本を読まない。92%が文章を書かな い。 ・携帯mailの利用時間は、語彙力が大学生レベルの場合35分、中学生レベ ルの場合65分と、語彙力が低い者ほど利用時間が多いことが分かった。 ・また、携帯mailでも”ひらがな”を多用する傾向も見られた。 ●紙に文章を書くのと携帯mailを使うのを脳の活動で調査すると、 ・紙に文章を書く時は、脳全体が活発に活動。 ・これはペンの握り方、筆圧、紙に各位置の判断、文字の大きさ等、多くのこ とを考えているから起こる現象である。 ・携帯mailを使う時は、ほとんど脳が活動しない。(脳が赤く反応する部 位の大きさの違い) ・この結果から、思考力、記憶力の発達に大きな影響を与えると考えられる。 ●原因として、「言葉の意味の希薄化 (言葉の共食い)」があると指摘されて います。 ・”むかつく”と言う言葉が多様な局面で使われている。(多くの意味が含ま れる) ・親に叱られてむかつく・・・腹が立つ ・電車に乗り遅れてむかつく・・・自分が失敗して悔しい ・彼女に振られてむかつくから泣く・・・せつないから泣く つまり、言葉そのものの意味や価値が薄れてきている。 ●ITの功罪 ・mailは文字や絵文字だけでなく音や映像まで送れるようになってきた。 つまり、言葉の欲求が薄れている。 ・IT(net)は表現の場を拡大した。 ・小学生もブログを活用している。 ・小中学生は日本語を学んでいる最中だが、ITが便利なため依存が進んでし まい日本語学習の土台が育成されない。 ●人材育成会社での状況では、 ・開始前に携帯電話を集める。 ・文章の暗記を徹底させる。 ・手書きを1日5時間させる。→ 文章を書く抵抗感が無くなる。 ・暗記した内容の読み上げテスト → 相手の目を見て話すよう指導を受け る。 ・暗記内容が思い出せない生徒・・・「すみません覚えていません」との応え 方に「自分でやめようとしない」との叱責する指導者。 ・学んだ学生は、"文字"に色々な意味があることが分かり勉強になったと好意 的にとらえていた。 ●結び ・赤ん坊は自己表現できないから泣くしかない。今の若者は、表現が適切にで きないから「キレる」しかない。 ・母国語である日本語が失われつつあるという大きな問題。 ●成岡の最近の驚くべき経験では、京都の某著名ホテルの宴会係りに電話した ときに応対した若い女性は、 ・敬語がまったく使えない。むちゃくちゃな表現。 ・自分の動作に謙譲語を使うときに、間違って尊敬語を使ってしまう。 ・注意してあげたら「照れ笑い」する。 ・本気で注意してあげたら今度は「ふくれる」。 これが、京都で一流と言われるホテルの宴会係(営業)の若い女性の応対の実 態です。びっくりしてしまいました。 ●確かに「日本語の荒廃」は感じますし、目に余ることもあります。残念なが ら、家庭でも学校でも日本語をきちんと教えていないのが現実です。「ゆとり 教育」の前に、「日本語」が正しく使えないといけません。メールも、パソコ ンも道具に過ぎません。使うのは人間です。 ●まず、自社の社員の「日本語の乱れ」をなくしましょう。正確な敬語、正確 な表現、言葉を正しく理解することから始めないといけません。それには、経 営者が自ら率先垂範して「正しい日本語」を使うように努力することです。そ れから、社員や従業員に伝えていきましょう。