このメールはBCCで配信されています。 先週の土曜日に久しぶりにKNS(関西ネットワークシステム)の例会に参加し た。最近は、講演をするほうが多く、参加して聞くほうはご無沙汰だった。 多くの参加者があり(200名)、普段顔をあわすことの少ない顔ぶれで、新鮮 だった。ゲストの一橋大学大学院教授関満博先生の特別講演も大変刺激的だっ た。 車のバッテリーは、最近でこそ性能がよくなったが、昔は酷使するとすぐに バッテリーがあがってしまった。こまめな充電が必要だった。 人間も同じで、適度に充電をしないと放電ばかりでは、そのうちストックが底 をつく。充電ばかりもいけないが、適度な充電と放電のバランスが大事だ。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 過去のすべてのバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからダウンロード ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第135回配信分2006年11月27日発行 IT経営塾勉強会5周年記念講演会抄録 〜アサヒスーパードライヒットの秘密〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●先日23日の祭日に、京都にてIT経営塾勉強会5周年記念特別講演会を開催し ました。多数の来場をいただき、有難うございました。講演いただいたアサヒ ビール京滋支社長の古泉さま、パネラーとして参加いただいたアロンジェの市 田さま、京都経済新聞社の築地さま、有難うございました。 ●講演の詳細な内容は、近日中にホームページにアップし、ダイジェストは NMO Office Letterの1月号に掲載の予定です。今回のメールマガジンでは、本 当のダイジェストだけを記載いたします。 ●来年の2007年でスーパードライ発売20周年になるそうです。成岡が社会人に なった昭和49年、1974年はおりしもオイルショックの真っ只中でした。スー パードライは1987年、昭和62年の発売でした。 ●当時のアサヒビールは、シェアが10%を切り、業績は非常に悪かったとのこ とです。飲料市場でシェアが10%を切ると「忘れられた同級生」と酷評される そうです。確かに、存在価値が問われる数字です。 ●社内の危機感もピークだったその前後に、相次いで村井さん、樋口さんとい う名経営者が来られました。村井さんは経営理念を、見直し、有名な「すべて はお客様の”うまい”のために」という理念を策定されました。 ●樋口さんは、新しい「ラベルと味」を決められ、スーパードライの発売を決 定しました。そして、いままでの在庫の思い切った処分を決めました。食品業 界で「ラベルと味」を変えて、成功した例は、それまでは極めて少なかったそ うです。リスクの高い決断でした。 ●ただ、それほどリスクの高い決断をせざるを得ないという、切羽詰った状況 であったということも、事実でした。業績は「崖っぷち」で、「後がない」状 況だったというのが、正直なところだったようです。 ●社内の反対もいろいろとあったとのことです。どうしても、こういう決断に は「総論賛成各論反対」になります。マーケティングという考え方も、それま ではほとんどなく、消費者はビールの味は分からない、という考えが支配的 だったようです。 ●現在では、そんな馬鹿な?と思いますが、古くからの社内の風土や概念とい うものは、そう簡単に変わるものではありません。いわゆる「プロダクトアウ ト」の発想で、「マーケットイン」という概念はありませんでした。味が消費 者に支持されなかったということです。 ●街頭の試飲会が毎週行われ、消費者が「これはおいしい」との反応があり、 シェアが徐々に上がって、宣伝効果もあり、遂に爆発的ヒットに結びつきまし た。他社も、いろいろと新しい戦略で追いかけ、市場は大きく広がりました。 ●さて、最後に、パネラーの市田さんのコメントが非常に新鮮でした。「ヒッ ト商品の生みの苦しみはありますが、大ヒットのあとの業績の継続が大変だと 思います。」まさに、その通り。さすがに、ご自分で事業を経営され、実績を 残された経営者の指摘でした。 ●ヒット商品の裏には、NHKのプロジェクトXではありませんが、ドラマがあり ます。1時間の講演と1時間のパネルディスカッションではとても語りつくせな い「秘話」があったはずです。その一部でも当事者からお話しが聞けたこと は、大変有意義でした。 ●蛇足ですが、11月の記念講演会の開催は、あまりに観光シーズン真っ只中な ので、来年は6月に大阪の開催といたします。新しい趣向を入れて、またご案 内いたしますので、ご参加よろしくお願いいたします。