このメールはBCCで配信されています。 いよいよ12月、師走に突入。カレンダーも残り1枚になり、来年のカレンダー を買ってきた。手帳も来年のものにチェンジした。 手帳は翌年のものを12月から使用開始する。1月から使うのが本当だろうが、 12月から新年のものに切り替えるのを、ここ20年くらい続けている。 12月から1月が1冊に入っているほうが、翌年のことと前年の最後とが一緒に なっているので分かりやすい。1月から新しいものにすると、どうも切れてし まう。 古い手帳に書き込まれている課題メモを書き写す。出来たことと、出来ていな いこと、中途半端なこと。課題を書き写す12月の最初に、1年間の整理をし て、また、翌年の課題を書くという、これが11月末から12月頭にかけての年中 行事だ。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 過去のすべてのバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからダウンロード ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第136回配信分2006年12月04日発行 歴然と感じる地方との格差 〜地方の活性化は地元パワーと智恵〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●また親戚の法事があって父の故郷の高知市に行ってきました。飛行機なら伊 丹空港から40分くらいです。乗ったと思って少し水平飛行したら、もう着陸に なります。関西からは非常に近いところです。NHKの大河ドラマの「山内一豊 の妻」で有名になりました。 ●高知県には、だいぶ前に東京から橋本龍太郎元総理大臣の実弟の橋本大二郎 氏がNHKアナウンサーから転身して知事に就任しています。当時、非常に話題 になり、中央とのパイプの太い知事の誕生で、高知県がさぞ活性化するだろう と期待されました。 ●午前中少し時間の余裕があったので、知り合いの不動産屋さんのオフィスに お邪魔しました。最近の高知県の様子を、新聞記事の切り抜きなどを持ってき ていただいて、いろいろと教えてくれました。やはり、地方と中央との格差は 歴然としています。 ●まず、求人倍率が最近全国最低の0.44になったそうです。沖縄県を抜いて? 全国のどん尻を拝したわけです。今までは、求人倍率最低の県といえば、沖 縄、高知、秋田あたりなのですが、とうとう、最後尾に位置することになりま した。0.44というのは、100人の求人者に対し、雇用のニーズが44人しかない ということです。 ●次に地価の下落が止まらないのだそうです。不動産の仕事ですから、これは 敏感に分かります。今年の春くらいから、どんどん地価が下げだして、概ね、 20%以上は下落しているのが実感だそうです。買主の言い値を聞かないと土地 が全然動きません。 ●最後に地元の大手企業の経営破綻が相次いでいます。大手建設会社初め、ゴ ルフ場経営会社などが、膨大な負債を抱えて、民事再生や倒産の状況に落ち込 みました。繁華街のど真ん中の旧西武百貨店の跡地も、建物は取り壊したもの の、まだ建築は始まっていませんでした。 ●ことほどさように、地方経済は全然活況を呈していません。景気は戦後最長 の記録を続けているようですが、それは輸出中心の自動車や電機、機械など、 ごく一部の企業であって、消費が伸びて好景気が続いているのではありませ ん。繁華街も人影がまばらです。 ●県下最大の雇用数を確保しているのが、「高知県庁」なのですから、推して 知るべし。大手の企業の生産工場もありません。造成した工業団地も、閑古鳥 が鳴いています。空き地が草ぼうぼうのままです。人口の流出が止まらず、高 齢者がどんどん増加しています。 ●高知県を企業にたとえるなら、債務超過で破綻懸念先ということでしょう か。将来の事業計画も立てられません。何か、観光以外に売り物がないので す。風光明媚な四万十川はいいですが、それではメシは食べられません。やは り、経済が活性化しないといけません。 ●では、何が起爆剤になるのでしょうか? 地方でなければ出来ないことは何 でしょうか? それが大きな付加価値を生むためにはどうすればいいのでしょ うか? 法事のあとの食事の席で、地元高知で商売をされている方とお話しし てみました。 ●高知県の売り物はなんですか?と素直に質問すると、非常に明快な答えは、 やはり高知県でしか採れない食料品だということです。果物、野菜、海産物、 その他いろいろと沢山あるそうです。ただ、知る人ぞ知るで、知名度も低い し、マーケティングができていません。 ●一例に、夏みかんを一回り大きくした「ぶんたん」という果物があります。 値段はぴんきりですが、高いものになると1個1,000円くらいするものがあるそ うです。1,000円は高いけど、それは素晴らしい味だそうです。安いものは1個 100円くらいのものもあるようですが。 ●難点は皮が厚くて重たいこと。剥くのに時間と力が要ること。ただ、これを 改良すれば、味はおいしいし、栄養も満点。結構いける果物です。同様に「小 夏」というレモンと夏みかんの中間のようなフルーツもあります。これも少々 値段が高いが、非常においしい果物です。 ●また、ナシの大きな特殊な品種もあります。メロンくらいの大きさだそうで す。地元ではスーパーでも販売しているそうですが、他の地域では全然知られ ていません。要するに、マーケティングが下手なのです。周知広報や、流通を 含んだマーケティング活動がないように思います。 ●徳島県の有名な「裏山にある落ち葉を全国ビジネス」に発展させた中心的な 人材とフォローの態勢がないようです。もちろん、インターネットもフルに活 用することが必要です。さらなる品種の改良も必要でしょう。県をあげて、こ れを全国区にするんだという、智恵と汗をかく態勢がないように思います。 ●油のコストも上がり、ハウスで栽培する農業も大変な状況だそうです。談合 して地面を掘り返す地方の活性化作戦はもう成り立たなくなりました。これか らは、技術革新に支えられた地方の知恵比べの時代になりました。それを担う 核となる人材の養成が大事です。