このメールはBCCで配信されています。 本年これが最後のメールマガジンの発行となった。みなさんには、一年間ご愛 読感謝いたします。次号の発行は、2007年の正月元旦です。 2006年も本当に慌しく過ぎようとしている。景気の戦後最高の継続が言われて いるが、あまり実感がないのが正直なところか。 設備投資と輸出と一部の製造業だけが引っ張る好景気は、庶民の財布とは少々 遠い存在なのだろう。地方での経済格差は、ますます広がる気配を見せてい る。 2007年こそ大衆消費の伸びが、実体経済の成長を引っ張る「本当の好景気」に なって欲しいと願望するのは、自分だけではないと思うが。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 過去のすべてのバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからダウンロード ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第139回配信分2006年12月25日発行 駅伝に見る集団の団結力が大事 〜個々の力をいかに組織の力に結集するか〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●24日(日)の午前中に高校駅伝の女子を見ました。京都の西京極からハーフ マラソン21.0975kmの距離を5人のランナーがたすきをつなぎます。今年は、超 高校級のスーパースター小林のいる兵庫県須磨高校が前評判が高かったので す。 ●ところが駅伝は走ってみないと分かりません。第1走者がブレーキで、かな り出遅れて2番手にたすきを渡したときには23位でした。トップと1分くらい差 がありました。ハーフで1分差というのは、かなり大変です。300mくらい開い ていました。背中の見えない距離です。 ●ところが、2番手でたすきを受けたエースの小林が快走。20人抜いて、40秒 詰めて20秒差で3番手にバトンタッチ。最後はアンカー勝負になりましたが、 最終逆転で優勝しました。強い、強いと言われながら、なかなか優勝できな かった須磨高校の2回目の全国制覇です。 ●駅伝は、必ずしも各自の持ちタイムのベストがその日に出せるとは限りませ ん。大学の箱根駅伝でも毎年ドラマが起こります。エースが大ブレーキになる こともあります。腹痛が起こったり、疲労骨折があったり、脱水症状でふらふ らになったり。途中で棄権することもしばしば起こります。たすきをつなぐの も大変なのです。 ●各人が冷静に自分の実力通りの走りをすることは、非常に難しいことです。 誰かに何かが起こります。緊張で実力ダウンする。体調の悪さを言えなくてそ のまま走って悲惨な結果。初め飛ばしすぎて最後に失速。本当に普段の実力 は、なかなか出せません。当日の天候や体調も大いに影響します。 ●どうしても自分のベストタイムを意識して、無理に行って失速というのが一 番多いケースです。これが起こると、一人の判断ミスがチームの成績に大きく 悪影響を及ぼします。あとのメンバーがいくら快走しても、順位は上がりませ ん。 ●組織の各人の役割も同じことです。大エースが一人いても、結果はついてき ません。距離の短い区間もあり、アップダウンの激しい区間もあり、だらだら 続くのぼりの区間あり。エースの前後を固める中間的な距離を走る「つなぎ区 間」をどううまくしのぐかも、大きなポイントです。 ●確かに、世の中は20-60-20の原則、俗に言う「2-6-2」のパターンが当ては まることが多いのです。上のクラスの20%が頑張っても、それは組織の結果に そのまま結びつきません。中間の60%のレベルを上げないといけません。駅伝 は、見ていると非常にその辺りがマネジメントの参考になります。 ●走っている選手以外の補欠選手やマネージャーも含めて、組織のメンバーが 一丸になって、同じものを見て、心をひとつにしないと勝てません。エースが 独走しても勝てません。監督が優秀でも勝てません。社長がいくら頑張って も、所詮一人の力です。 ●須磨高校のエース小林も個人では数々の優勝や記録がありますが、この高校 駅伝での優勝は、青春時代の大きな節目になるでしょう。みんなの力をひとつ に集中するにはどうすればいいのか。そして、本番で結果を出すにはどうすれ ばいいのか。 ●スポーツ、特に団体競技のマネジメントには、我々に多くの貴重な教訓や示 唆を与えてくれます。勝った負けたより、どう取組もうとしているのか、その 想いと志しの強さが大事です。企業の経営も、そういう意味では全く同じで す。売上を上げること、売上を伸ばすことだけが、単なる目的ではありませ ん。その先に何を見ているのか、です。