このメールはBCCで配信されています。 節分も終わって、立春を迎え、これからどんどん春に向かって季節は進んで行 く。先日、少し雪が舞ったが、今年の冬は例年にない暖冬で終わりそうだ。経 済は、冬は冬らしく、夏は夏らしくないと、どうもうまく行かない。 飲みものも、衣服も、冷暖房器具も、何もかもが狂ってくる。昨年厳しい雪 だったので、今年は逆の天候だと考えるか、昨年どおりだろうと考えるかは、 その人次第だが、気候に左右されるビジネスは難しい。農業もしかりだ。 後楽園球場がドームになったときに、回収できるのか危ぶまれたが、全天候と は非常に安定したサービスが提供できるインフラであることが、すぐに認知さ れた。 これからは、天候に左右されないビジネスモデルを考えないといけない時代に なってきたということだろう。 *********************************************** 今回から新しく配信させていただく方もいらっしゃいます。 毎週月曜日の配信です。 ぜひ、ご愛読ください。 また、別のアドレスに送信希望の方は、ご連絡ください。 過去のすべてのバックナンバータイトルは、下記の成岡 マネジメントオフィスのホームページのURLにあります。 http://www.nmo.ne.jp/letter.htm バックナンバーご希望の方はホームページからダウンロード ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第145回配信分2007年02月05日発行 経営者に必須のリーダーシップ 〜トップが果たすべき役割とは〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●先日の通常国会の安倍総理の演説を聞いても、いったい、何を目指して、ど こに行くのか、よく分からないという方が多くなった。支持率も、ご存知のよ うに、低下の一途をたどっている。「美しい日本」とは、何なのか、よく分か らない。夏の参議院選挙での敗北→政権交代が現実になるかもしれない。 ●就任早々、閣僚や主要なポストの更迭や交代などの洗礼に見舞われ、可哀想 と思えなくもない。しかし、どうしても、前任者のパワーが圧倒的だったの で、比較してしまう。やはり、小泉さんのリーダーシップは大変なものだっ た。派閥からの圧力にも屈することなく、信念があった。見てて潔かった。 ●安倍さんは、人当たりは良いが、リーダーシップに欠けるところがある。周 囲の派閥から、勝ち馬に乗って、あとのおいしいところをねらった人が多かっ たから、担がれてなったトップなのだ。周囲の目を非常に気にして、マネジメ ントしないといけない。周囲に気を遣って、足元がおろそかになっている。 ●トップになったらなったで、開き直ってリーダーシップをどんどん発揮すれ ばいい。それができないのは、やはりお坊ちゃん育ちと言われても仕方ない。 逆境に育っていないからだろう。会社も、ピンチを乗り切ると、必然的に強く なる。順風満帆できた会社は、少しおかしくなると、修正が効かない。 ●不二家の迷走もそうだし、パロマの危機管理のなさも同様の原因だ。同族一 族の経営が悪いとは思わないし、日本では、いや世界でも同族経営の立派な会 社は多くある。問題は、経営トップのいい意味でのリーダーシップなのだ。ワ ンマンとは決定的に違う。 ●先日、星野仙一が北京五輪の野球監督に選ばれた。彼は、「金メダル以外は いらない」と、堂々と宣言した。立派だと思う。あれくらい、明快に目標を掲 げられたら、みんなついてくるだろう。もっとも、スポーツは勝負だから、ビ ジネスより分かりやすいけれど。 ●彼が人気があるのは、そのリーダーシップのスタイルだからだ。ときとし て、かっとなってベンチでものを投げたりすることもあるそうだが、感情を前 面に出すときは、だせばいい。もちろん、暴力はいけないが、人間は感情の動 物だから、素直に出すほうが分かりやすい。何を考えているか、すぐに分か る。 ●結果がいい時は素直にみんなと喜び、悪いときには自分が責任を取る。それ が、リーダーのリーダーたる心意気のはずだ。現場が悪かった、私は知りませ ん、などは禁句であり、言ったとたんに組織のモティベーションは急降下す る。そういうトップが多い。 ●安倍さんのリーダーシップのなさも、そういうところが原因なのだろう。自 分の信念に基づいて、自分が責任を持って、どんどん進めればいい。閣僚の失 言の取り繕いで時間をつぶさずに、経済の建て直しや、社会福祉の問題の克服 に、全力で取組んでいるとは感じられない。 ●確かに好調な企業もあるが、大半は景気の好調から取り残されている人たち が多い。また、そういう人に社会のサポートが循環しない仕組みが出来つつあ る。少子高齢化は、政府の予想より、3年ほど早く進行しているというのが常 識だ。このままでは、ジリ貧になっていく。 ●いまいちど、リーダーは何をするべきなのか。各々の会社や組織としての トップのリーダーシップはどうあるべきか。それは、自分が全部責任を持つと いう、気持ちが大事なのだ。「なりたい人より、させたい人」をリーダーにし ないといけない。「なりたい人」にトップを任すと、組織は迷走する。ただ、 「させたい人」もなかなか見つからないが。