□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第169回配信分2007年07月23日発行 選挙は組織の戦い 〜きっちりしたマネジメントが勝利の方程式〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●ここで政治の話しをするつもりはさらさらないが、いよいよ、参議院選挙の 投票日が来週の日曜日に迫ってきた。今回は、関心も高く、事前の不在者投票 も多いと聞く。年金問題や、政治倫理、格差解消、憲法改正など、重要な課題 が山積している。 ●不在者投票も、過去には非常に煩雑で、面倒だったが、最近では至極簡単に なった。ただ、住民票のある区役所に行かないとできないのは、いただけな い。これだけITが普及した世の中だから、どこの区役所に行っても不在者投票 できるようにして欲しい。 ●さて、成岡は過去に、といっても、20年以上前の話だが、当時昭和50年代に 勤務していた会社では、市会議員を会社から出していた。人口30万人の地方都 市で、定員40名の市会議員選挙なので、ボーダーラインは4,000票だった。ど この誰が、誰に投票したかわかるくらいの数字だ。 ●当時8年間組合の役員だったので、選挙のたびに数ヶ月、選対本部に詰めて 選挙活動を、いわば公務で行った。市会議員選挙が2回、その他国会議員選挙 は数知れずあり、毎年選挙の手伝いをしていた記憶がある。なので、いまで も、ひとごとと思えない。 ●どんな選挙でも、立候補して当選するとなると、その活動は大変だ。タレン ト候補ならいざ知らず、一般の知名度のない人が立つと、当選には、本当にも のすごいエネルギーが要る。お金も要るだろうが、周囲の労力の提供が半端で はない。 ●選挙期間中に目に見えるものは、しれている。実は、表面に見えるもの以外 に、多くの業務があり、それをきちんとマネジメントできて、初めて通過でき る。いわば、プロジェクトをやっているみたいなものだ。最近では、選挙活動 をマネジメントするプロもいる。 ●まず、後援会の名簿集め。公示日まえの広報活動。公示日当日のポスター張 り。期間中の事務所の運営。街頭宣伝カーの段取り。候補者本人の支持母体周 り。立会い演説会。ミニ集会。電話依頼作戦。はがきなどの通信物発送。など など、挙げればきりがない。 ●これらを、一糸乱れぬ統制の下に、きっちりこなしてこそ、当選の栄誉が与 えられる。当時は、携帯電話も、パソコンもなかったから、連絡や資料の作成 は大変だった。名簿ひとつ作るのも、手書きの作業だった。選対本部長は、プ ロジェクトマネジャーなのだ。 ●お金の管理もある。人員の手配と段取り。弁士や応援演説者の手配。会場の 段取り。ウグイス嬢のトレーニング。電話作戦のスクリプト。そして、投票直 前の作戦変更。投票日当日と、結果が判明したあとの段取り。いやはや、イベ ントとしても、結構大変だ。 ●そして、非常に大事なのは、終わってからの後始末と挨拶周り。当落の結果 は別にして、お世話になった人へのあいさつ回りは欠かせない。これを怠る と、みんな黙っているが、次回が恐ろしい。民主主義の民意の反映が選挙なの だが、こうなると、本当に個人で立つのは難しい。 ●国政選挙は分からないが、地方選挙などは、準備開始から終了まで6ヶ月く らいはかかる。長期戦のプロジェクトになる。しかも、投票日は決まってい る。きっちり結果を出さないといけない。しかし、やってみないと分からない 部分も多い。予測が難しい。 ●当時、初回の立候補の際には、5位で非常にいい結果が出た。2回目は、それ で緩んで20位前後の結果は当選だが、プロジェクトは惨敗。そして、3回目は また一桁に返り咲いて、まずまず。やはり、緊張感が緩んだときの、リバウン ドは大きい。 ●状況がいいときほど、緊張感を保って、常に組織にいいストレスを与え続け なければならない。業績がいい会社が、緩んでしまって、翌年にこけるのと同 じだ。常に、適度にコップの中の水がよどまないように、かき混ぜなければな らない。それが難しい。 ●あまり、危機、危機と煽ってもいけないし、かと言って、状況がいいとも言 えない。あと少し、あと少しといい続けないと、組織に適度の緊張感は生まれ ない。いい意味の危機感を、常に適度のテンションで保つのは、トップのミッ ションなのだ。これができて、初めて、好業績が維持されるのだ。