□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第173回配信分2007年08月20日発行 常に謙虚に学習する姿勢を忘れない 〜実るほど頭を垂れる稲穂かな〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●会社の創業の時期は大変な状況も、数年たち社業が順調になってくると、初 心を忘れて慢心することが多い。当初は苦労したことも、次第に過去の記憶の 彼方に忘れ去って、自分の力でこうなったんだと錯覚する経営者の方を、多く 見てきた。 ●慢心と本人は気がついていないが、周囲や取引先のの協力、社員の献身的な 働き、金融機関の支援、顧客からの評価など、様々な要因が後押しして、よう やく成長できた。決して経営者だけの力ではない。市場が評価してくれたの だ。顧客あっての賜物だ。 ●それが、どこかでおかしくなる。何か、判断が間違う。価値観の原点が揺ら ぐ。方向性がぶれて、先に行っての振れ幅が大きくなる。目先の数字の上下に 一喜一憂し、そもそも何をやろうと創業した会社なのか、不透明になってく る。木を見て森を見なくなる。 ●つまるところ、謙虚さが失われている。周囲の喧騒に惑わされ、中心を見な くなる。人生、周りはすべて師、とは有名な言葉だが、考えると奥深い。常に 周囲から教えてもらうという心境がなくなると、慢心と傲慢につながる。CSR も、ここが原点だろう。 ●単に勉強するということとは、少し違う。学習し、学んだことを実践する。 その過程で、学んだことと違う場面や、書いていなかったことを判断する局面 が、いっぱい出てくる。知っていることと、できることは違う。そこで、結果 について謙虚に学ばねばならない。 ●学ぶとは、何も、講義を聴いたり書籍を読んだりだけではない。結果を真摯 に受け止め、振り返りを行い、どこがまずかったのか、どこの考えが至らな かったのか、どこがずれていたのかを、本当に真剣に考える。それが、一番の 学習だ。 ●その際に、事実をそのまま受け止めないといけない。先日の選挙の結果も、 そのまま受け止めていない。だから、また失敗するだろう。口先だけの反省 は、していないのと同じだ。まずは、謙虚になることが大事だ。すべては、経 営者自身の問題と思えるか。 ●これが思える人は、どんどん成長の余地がある。まだ自分は未熟だと思っ て、貪欲に学び吸収する。年齢が上であろうと、下であろうと、関係ない。若 い人からも学ぶことは多々ある。先輩や後輩は、運動部のOB会だけでいい。若 くして、素晴らしい事業を立派にしている若い経営者も多くいる。 ●選挙のときだけペコペコ頭が低くて、当選したあとふんぞり返る人も多い。 世襲だからという理由で、承継された経営者の方もある。事情はさておき、周 囲から生かされているのだから、周囲から学ぶ姿勢が重要だ。まして、成功を 自分だけの手柄と思ってはいけない。 ●いい結果は、周囲の力。また、社員の、メンバーの賜物。うまくいかない結 果は、自分自身の問題。そう、思えるなら、どんどん成長のエンジンが加速す る。自分の業績と思った途端に、エンジンは加速を止める。キーワードは、 「実るほど頭が低くなるトップの器」だ。