□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第191回配信分2007年12月22日発行 社長が変われば会社は変わる 〜どれくらい「本気」になっているか〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ●経営者が本気にならないと会社は変わらない。当たり前の理屈だが、どうも 当たり前にならない。会社を、企業を、組織を変えようとしたら、それは大変 なことだ。人間は、所詮変わりたくない動物だから、変わることには、まず、 拒絶反応が起こる。至極当然な流れなのだ。そこを、抗って変化を起こすのは 大変だ。 ●だから、「本気」で叫び、「本気」で改革を成し遂げようとしないと、こと は動かない。人間の気持ちを動かし、変えようとするのは、大変な作業だ。会 議で集めて号令をかけたら、はい、終わりというものではない。まずは、徹底 するのに時間がかかる。組織が大きいと、膨大なエネルギーが要る。後のフォ ローも必要だ。 ●組織が小さいと、レベルが不ぞろいになる。レベルがまちまちだと、でこぼ こや温度差が大きく、これはこれで、また別の悩みがある。均一には、なかな かならない。また、最終的に均一にはならない。それには、相当な時間とコス トがかかる。始めから温度差があるという、認識に立って物事を考える。 ●まして、はたから見ていて経営者本人が「他人事」ではどうにもならない。 「本気」でやってもらわないと最後まで行かない。よくあるケースでは、ス ローガンまではぶち上げて、後のややこしいことは、下に丸投げする。投げら れたほうは、たまったものではない。冗談じゃない、となる。そうなると、最 悪だ。 ●従業員は、職員は経営者の「本気度」を見ている。変化に対し、当初はほと んど様子見する。様子を身ながら、周囲の変化を感じ取る。そして、自分に とって一番有利な動き方を判断する。考えの、判断の基準はどうしても「自 分」になる。冒険をしようとしない。まして、年齢が高くなると、もっとテン ポは遅くなる。 ●この閉塞感を打ち破るのは、経営者しか出来ない。経営者が本気になり、、 「本気」の度合いを発信することで、それを周囲に見せる。なにせ、トップが 「本気」でやるというからには、これは尋常な事態ではないことを分からす。 絶対にやるんだという「意思」を見せることで、周囲の雰囲気は俄然変わるは ずだ。 ●それを周囲に振って、適当にやってくれとなると、周囲の雰囲気は一気にシ ラケムードに変わる。冗談じゃない、となる。周囲は、社長が変われば、会社 は変わるのに、と期待を持っている。それを裏切ってはいけない。期待に応え ないといけない。「わがこと」とどれくらい感じられるかがポイントになる。 ●まずは、自分の問題と捉える。ここがボタンの掛け違いが大きい。こうなっ たのは、誰の責任でもない、自分の責任だと感じられるか。まずは、他人のせ いではなく、自分の問題と置き換えられるか。ここが、他人のせいになると、 あとのマインドにつながらない。しっかり反省することが大事だ。 ●そして、改革に不退転の決意で取り組む。後戻りはしないぞと。過去の過ち は繰り返さないぞ、と。今度は「本気」だと明快に伝える。「本気」だ、「本 気」だと100回言っていると、本当に「本気」のエネルギーが、むくむくと湧 いてくる。「言霊」という言葉があるくらい、口に出して発信すると、それが 本当になる。科学的な根拠はないが。 ●何回も繰り返し言い続けると、周囲もだんだん、これは「本気」だと分かっ てくる。それを見せないといけない。途中でくじけたり、当初からうまくいか ないかも知れない、などとエクスキューズを用意したり、退路を作っておくの は良くない。ただし、経営者たる者、常に代替案を持っておく必要はあるが。 ●改革のパッション=情熱は伝播ささないといけない。が、しかし、社内の改 革が、社長一人の大声で実現するわけではない。そこには、必ず名脇役、名参 謀、名ナンバーツーが要る。そういう人材が確保されていないといけない。優 秀な人間ほど先が見えるから、見限ってリタイアされることもある。 ●そうならないように、とにかく「本気」で「我がこと」であることを常に発 信する。社長が昨日と同じことをしている会社は、従業員も、会社自体も昨日 と同じだ。そうしていると、そのうちに他社から出し抜かれ、相対的に地盤沈 下し、あげくの果てに収益性の悪化を招き、結局衰退の一途をたどることにな る。 ●トップが変われば組織のマインドが変わることは、プロ野球の監督の交代の 例を見るまでもなく、いくたの事例が周囲に転がっている。しかし、自分のこ ととなると出来ないのが、悲しいかな、現実だ。そこをブレークスルー出来た 企業だけが、未来に存在価値があるのだ。そうでない、企業は、残念ながら存 続すら危うい。 ●いつも、24時間365日「本気」のハイテンションでいることは難しい。適当 に弛緩してリラックスすることも必要だ。ただ、そのリラックスは、次のハイ テンションの準備のリラックスだ。次の絵が描けていないといけない。このメ ンタル面の維持が、経営者のひとつの大きな仕事だ。自分でやるしかないの が、少々、しんどいと感じる方もあるだろうが、これは経営者のミッション だ。