□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第248回配信分2009年01月26日発行 関係が発展するのは2回目から 〜この人ともう一度会いたいか?〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <はじめに> ●ビジネスが発展するのは人と人との縁を大事にすることだと、先日のこの メールマガジンで書いた。では、縁を大事にするとは、どういうことだろう。 成岡の経験と感性からアドバイスするなら、それは初回の次の2回目が大切だ ということだ。何でも、初めがきっかけなのだ。発展するか、しないかは2回 目以降の関係づくりが大事なのだ。 ●2回目がないと、当然3回目もない。関係が発展するのは、この2回目が極 めて大切だ。それは、人と人との関係でも、お店でも、商品でも、サービスで も、同じだ。人の場合は、初回はたいてい紹介者や間を接着してくれた人がい る。誰かが取り持ったご縁という場合が多い。結婚で考えると、昔はそういう 年長者が、多くいてくれた。だれそれと、だれそれとなら、相性がいいだろう とか、家柄が釣り合うとかを、暗黙のノウハウで計算の上進めていた。 ●初回はそう踏み込んだ内容にまでいかないことが多い。単なる紹介や、おき まりの挨拶で終わることもある。なかなか次につながるきっかけもないままと いうことも多い。では、次につながるのはどういうときだろうか。それは、こ の人に、この企業に再度アプローチしてみたい、会ってみたいと思わす何かが あるときだ。また、感じられるときだ。それがないと、次につながることには なりにくい。 <近いうちにもう一度お店に足を運ぶ> ●初回は、誰かに連れて行ってもらったお店に、近いうちにもう一度足を運ぼ うかと思うなら、それは本物だ。一人ではなく、誰かを連れて行こうと思うな ら、それは顧客になり得る。2回目は自分で行かないといけない。人に連れて 行ってもらったときは、道も覚えていないし、人に任せてある。記憶も定かで はない。今度は、自力で行かないといけない。エネルギーはかかるし、面倒 だ。 ●しかし、それを克服してまで、行こうと思える何かがないといけない。期待 や感嘆がないと、そうはならない。単なる顧客満足では、なかなかそうはいか ない。人の心を捉える何かがある。何か感じるものがないと、そうはならな い。数字で表せたり、口で表現できる以上のものが、何かあるのだ。何かそこ から学び取るものがある。商売柄、人に勧めるのは、繁盛しているお店だった り、特徴あるお店だったりする。 ●そこに行けば、何か得るものがあると感じさせるお店だ。これが差別化であ り、価値なのだ。2回目に行ってみたいと思えるのは、実はそういうお店だ。 単なる値段の安さではない。高くてもいいのだ。かなり初回から間をおいて2 回目ということも、ないではないが、馴染みになった店は、たいてい初回から 2回目までの間隔が短い。そして、2回目になぜかその後につながるきっかけ が生まれる。 <会ってみたいと感じさすことが大事> ●営業でもなんでもそうだが、初回から次につながることが大事だ。以前に営 業部門の責任者をしていたときには、必ず次につながるお客さんからの宿題を 持って帰れと命じていた。どんな宿題、課題でもいい。お客さんが、もう一度 その人間に会いたいと思わせる材料や、何かが必要なのだ。だから、面談のほ とんどの時間は商売の話しはしないことが多かった。雑談と言われればそれま でだが、お客さんに有益な情報を提供することが大事なのだ。 ●面談するということは、時間をもらうことだ。時間はお金と同じだ。以前に 書いたが、実はお金よりも価値があるものだ。お金は消費したら、何かで補充 できるが、時間は消費しても戻せない。時間よ戻れ、はできないのだ。それく らいトップになると、時間はお金以上に大切だ。その貴重な時間を割いて、 会ってもらうには、先方へ何か差別化された価値が提供できないといけない。 ●実は、営業とはものを売っているかもしれないが、それ以前にあなたから提 供される価値を売っているのだ。お客さんはその提供される価値に対して、お 金=時間を費やしてくれる。それが結果に結びつく。ものを売ろう、売ろうと して売れないのは、実はそこなのだ。よく、初めて営業して、初めてものが売 れたときに、本人にどうして売れたか尋ねても、実はほとんど理由が分からな いことが多い。それは、そうなのだ。売っていないから売れたのだ。 <2回目が成功の鍵> ●お見合いでも、何でも、初めてのときはそれで終わる。次に発展するか、し ないかは2回目にかかっている。では、どうしたら2回目の接点がもてるか だ。そこにみんな苦労をする。すぐにハガキを書いて送ってくれる人もある。 めったにないが、翌日電話をいただくこともある。メールをいただくことは、 結構多い。何か資料を郵送していただく場合もある。しかし、たいていそれで 切れてしまうことが大半だ。 ●だから、初回に宿題を持って帰らないといけない。何か課題を持って帰っ て、その答えを携えて次の機会を早く作る。その情報に価値があるから、相手 も会うことに納得感を覚える。会えば何かプラスになることが多い。だから時 間を作ってくれるのだ。そう考えると、何もあまり難しいことはない。宿題や 課題は難しいこともあるが、最善を尽くせばいい。完璧な答えなど、相手は期 待していない。 ●3段とびは、ホップ、ステップ、ジャンプだ。一番長い距離を飛ぶのは、最 後のジャンプだが、その前のステップの過程が一番重要だという。初回は誰で もできる。しかし、2回目につながる確率を考えてみればいい。名刺はたくさ んあれど、そこから本当の人間関係に発展し、かつ、それがさらに信頼が高ま りビジネスに発展するのは、本当に少ないのだ。チャンスはみんな平等公平に あったはずだ。しかし、しっかり掴む人は少ない。