□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第250回配信分2009年02月09日発行 非常に大事な社員教育と情報の共有化 〜パート社員にも徹底することの必要性〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <はじめに> ●先日、市内某ホームセンターに棚を買いに行った。買いに行ったというよ り、まず、どんなサイズがどんな値段であるのかを、下調べに行った。当日買 う気はなかったし、情報収集だけでいいと思っていた。それで、入れる場所の サイズを測って、メモして持参した。最近のホームセンターは広く、店員が少 ないから、置いてある場所を探すのも大変だ。 ●ようやく探し当てた置き場に、いろいろと並べてあった。小さい棚や、金属 のラックはよく売れるのだろう。手前に並べてあり、大きさと値段が分かりや すく表示されていた。しかし、今回所望しているのは、かなり大きい木製の棚 なのだ。横(W)600mm×奥行き(D)300mm×高さ(H)1800mmくらいだから、か なり大型の棚なのだ。あまりしょっちゅう売れないものだろう。 ●こういうあまり売れないものは、並べてあるのも上のほうで、目立たない。 前後に重ねて並べてあり、通路からは見えにくい。手前にはよく出るものが置 いてあり、金額の表示もサイズも、品番の札も見えなかった。おそらく、感覚 的にはサイズはあれだろうとは思ったが、やはり確認しておく必要がある。色 や在庫の有無も確かめないといけない。 <一人目の店員の情報量がお粗末> ●かくして、広いお店の中を移動して、ようやく店員さんを見つけて、その棚 の置いてある場所まで連れてきた。そして、サイズや値段、色、在庫、配送の こと、組み立てて配送ならいくらくらいかかるかなど、細かに質問した。初め は適当に店員さんも答えていたが、こちらが本気で買う気があるので、質問の 内容も細かくなる。 ●そして、先日新聞にディスカウントのチラシも入っていた。その期限は切れ ていたが、それも突っ込んで尋ねてみた。だんだん、細かいことになったの で、答えが迷走してきた。自信がない返答もあり、一層混乱してきた。在庫や サイズ、色の有無などになると、その場では確認できない。ハンディーターミ ナルで確認するなどというシステムではない。 ●やはり、これはまずいと思ったのか、担当の係りの者を呼んで来ると言っ て、いったんレジの方に行ってしまった。それから、待てど暮らせど、なかな か現れない。待つこと5分くらいだったろうか。随分長く感じた。ようやく、 そこの係りの担当らしき店員さんが現れた。服装は同じだが、何となく雰囲気 も異なるし、応対のテンポもリズムもものの言い方も違う。 <聞いてみると大違い> ●今度は細かく丁寧に答えてくれた。サイズは当方の希望通りだった。金額は 先日の新聞チラシの安売りの賞味期限は過ぎているが、その安い値段で構わな い。市内の配達は、昨年の10月から有料になり、一律300円かかること。配達 も毎日ではなく、水曜日の午後、木曜日終日、土曜日終日と3回しかないこ と。在庫は充分あること。 ●色は3種類で、それぞれ在庫もあること。組み立て代金は、3000円以上の商 品だと、商品代金の10%になること。現在展示の商品は2年以上展示してお り、ほこりがひどく下部に一部キズがあり、お届けはできないこと。支払の方 法は、かくかくしかじか・・・・・。実に、よどみなく、的確で、こちらの聞 きたいことに無駄なく、丁寧に答えてくれる。 ●内容は先ほどの店員さんと、だいぶ異なっていた。大違いの部分もあった。 組み立て代金が、さきほどは1,500円かかると言い、今回は商品代金の10% だった。相当な金額の開きがある。倍以上の違いだ。もし、この係りの店員さ んが当日いなかったら、果たしてどうなっていただろうか。非常に心配という より、その店の信用を疑うことになる。 <難しい教育と情報共有> ●ホームセンターの商品点数は、おびただしい数になる。大型のホームセン ターなら、数万点ではきかないかもしれない。大きいものから非常に細かい釘 1本まで、ありとあらゆる商品が並べてある。それを完璧に全員が分かってい るというのは無理な注文だろう。今回も、初めにたまたま通路を歩いていた店 員さん(あとでパートさんと理解)に声をかけた。 ●声をかけた人には悪いが、分からないことは分からないと言ってもらったほ うが有難かった。分かる人に聞くほうが正しい。当方は、誰がパートさんで誰 が従業員や社員なのか分からない。こういうことは、しばし、よくあること だ。サービス業では当然だろうし、飲食店などではほとんどがパート社員とい うお店も珍しくない。商品の情報を一定水準で共有化するのは難しい。 ●難しいと言っていたのでは、始まらない。顧客満足、いや、最近では顧客感 動は、並みのことを突き抜けて大きく差別化することから始まる。お客さん は、値段の安さなどでは感動しない。顧客の立場に立って、本当に知りたいこ とが的確にゲットでき、かつ、期待値以上のものが得られたら、そこに感動が 起こる。今回は、いい教訓を見せてもらった。