□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第267回配信分2009年06月08日発行 高校の同窓会に出て思うこと 〜年をとることと老ける(ふける)ことは違う〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <はじめに> ●先週の土曜日、6月6日に高校の同窓会があった。18時から京都の某所の料 理屋さんで開催された。例年この時期に開催される同級生の会合には、日程が 許す限り出来るだけ参加している。今年も約200名の卒業生で、40名以上の参 加をみた。この参加人数は、かなりなものだ。遠くは東京方面からの参加者も あり、盛況のうちにお開きになった。最後は恒例になっているが、全員集合の 記念写真を撮り、輪になって校歌を歌い、来年の再開を誓ってお開きとなる。 ●その場で来年の日程も決めた。来年は2010年。我々が高校を卒業した昭和45 年、1970年から40年目に当たる。5年目ごとのこの節目の年には、決まって同 級生の一人がトップである兵庫県の有馬温泉の有名なH旅館に一泊二日で集ま ることになっている。先日は、その場で電話して6月12日の土曜日と日程を決 めた。京都の恒例の会場の料理屋さんも同級生の店だし、プロのカメラマンは いるし、有馬温泉の有名旅館もあるし、この学年は不思議なことに、多士済々 のメンバーが揃っている。 ●当初は卒業して、同じクラスのメンバーだけで集まっていたのが、他のクラ スにも声をかけ、今は学年全体で開催している。学年での卒業生は200名弱だ から、この年齢になって50名近くが集まるのは、驚異的と言ってもいい。幹事 はご苦労さんだが、会場を探す必要もなく、毎年日程的にはこの6月に開催す ることは、ほぼ決まっている。連絡も結構いまはメールで簡単につくし、同窓 会のホームページにも日程や案内がアップされる。そのホームページのメンテ ナンスも、同級生がやっている。 <参加することに意義がある> ●毎年開催しているとマンネリに陥りがちだが、いつも久しぶりの参加者があ り、結構にぎやかになる。今回も、本当に久しぶりに数名の方が参加された。 それと、若い時代とは違って、我々くらいの年齢になると1年間にそれはさま ざまなことが起こる。会社や仕事のこと、子供のこと、親のこと、などなど。 ちょうど人生の後半戦の折り返しくらいの時期なので、本当にいろいろなこと が起こる。また、身体的にも体質の変わり目に差しかかるので、病気になる人 も出てくる。お医者さんもたくさんいるが。 ●やはり参加できるには、時間の都合もあるが健康でないと難しい。身体的な 健康もあるが、精神的な健康も欠かせない。要するにメンタル面の占める割合 が大きい。会社を経営している人もいるが、その状態にも影響される。好調な ときもあるが、環境の変化は激しく経営が苦しいときもある。もっと大変なと きもあるかもしれない。そんなときは、こういう会合に行くのも気が引けると きもあるが、やはり参加するとそれなりに刺激があり、またモティベーション が上がることが多い。 ●それと、高校の同窓会は大きな集団での異業種交流会なのだ。筆者は大学が 工学部の化学だったので、卒業生はほとんど化学メーカーや製薬会社、あるい はその周辺の領域の企業に就職した。なので、大学の卒業生の集まりは、さな がら学会の集まりに近い。話す内容が限られ、筆者のように途中で業界を転向 した者にとっては、はなはだ面白くない。この高校の卒業生の集まりや、野球 部のOB会の集まりのほうが、よほど世の中の動きは分かるし、いろいろな業界 の人に会える。 <年はとっても考えを若く保つ> ●企業に勤めている人は、ぼちぼち最終のステージに入る人も出てくる。しか し、まだ海外勤務で頑張っている人もいる。早くも、先行してリタイアし、次 の人生のステージに上がろうとしている人もいる。毎年集まるから、当然だが 全員必ず1歳の年を刻んでいる。これだけは避けようもない。しかし、それは 数字の年齢であって、メンタルな心の年齢とは異なる。実際の年齢よりかなり 心の年齢が多い人もいれば、相当に若い人もいる。メンタルな年齢が若い人 は、何か新しいことにチャレンジしている。 ●企業もそうだが、小さなリスクを取って、少しずつ積み上げることが大事 だ。いつもよく言うが、いつもトレーニングしていないのに、いきなりマラソ ンは走れない。まずは、ゆっくり走ること。5km走れるようになること。そこ から10km、20kmと走れるようになる。小さなリスクに果敢に挑戦し、それを克 服していくことで、気が付けば大きな変化を起こしている。いきなり大きな変 化を期待して、大きなリスクを取るのは危険だ。ゴルフでも前にハザードが広 がっていたら、刻むのと同じだ。 ●考えを若く保つというのは、小さなリスクに継続的にチャレンジし、自らに 変化を起こすことだ。自らが変化しないと、必ずと言っていいほど体力も気力 も後退する。昨日と同じは楽だが、それでは身体的な能力も、モティベーショ ンも維持できない。身体的な能力は、もうあまり伸びないと思うが、低下する のを防ぎ維持することはできるはずだ。特に下半身を鍛えておかないと、人生 後半になると相当しんどくなるはずだ。毎日車でしか移動しない人は、心して 歩くことをしないといけない。 <まず決めて行動を変える> ●小さなリスクだから、たとえうまくいかなくても、すぐに修正すればいい。 少しやってみて、おかしければ直せばいい。成岡はだいたい3年間でものにな らないことは、きっぱりやめることにしている。3年やって結果がでないこと は、本来向いていない。資格試験は全部この理屈で突破してきた。事業も3年 間で目処が立たないものは、基本的にはやらない。まず、自ら意思決定しない といけない。それまでには十分検討するのはいいが、結論を先に延ばしてはい けない。いま、決めたほうがいい。 ●こういう条件が整ったら始めようと思っても、なかなか条件が揃わないと始 めない。完全に条件が整うことは、珍しい。中小企業だと、何かが足りない。 全部が充足して始まることなど、ないと思ったほうがいい。それでも、始める 意思を持つことが大事だ。そのためには、常にマインドを少しは興奮状態にし ておく。アドレナリンの分泌を活発にしておく。身体を動かすことも、アドレ ナリンの分泌につながる。同窓会に参加して、周囲から刺激を受けるもの、大 いにプラスだ。他人の発言にも刺激を受ける。 ●目標になるような人や事業を、自分で勝手に決め込む。あのようにやりた い、なりたい。全然レベルが違っても、少しでも近づくように努力すればい い。一歩踏み出すと、見える景色が変わってくる。42km走るのも、とにかく初 めの1kmから始まる。もう一度、何かの勉強を始めてもいいし、研究を始めて もいい。久しぶりの同窓会に参加するのが、一番いいかもしれない。来年は5 年ごとの有馬温泉の大宴会になるはずだ。ちゃんと参加することができるよう に、今から心しておこうと思う。