□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第289回配信分2009年11月09日発行 来年の手帳はもう準備されましたか? 〜3年先の予定まで書き込める手帳を〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <はじめに> ●先日、某ビジネス雑誌の記事に手帳が命という営業の方のコメントが掲載さ れていた。さて、11月に入りみなさんは来年の手帳を既に買い求められただろ うか? いま、書店や文具店をのぞくと、入り口のコーナーに相当な場所を割 いて、手帳やダイアリーのコーナーが設けられている。最近では、携帯のスケ ジュールに書き込んで手帳代わりに使われている方も多いかと思うが、これは 感心できない。やはり、日程やスケジュールは相当先のことまで一覧できるも のが好ましい。なので、成岡は携帯のダイアリーは使わない。 ●好き嫌いの問題もあるので、強制はしないが手帳は使い慣れたものをずっと 使い続けるのが一番いい。ということで、成岡は既に10月の初めに発行元に FAXを送って、相当以前に入手した。この手帳の気に入っているのは、今年の 12月の分から来年の手帳が使えることだ。つまり、来月12月になったら2010年 の手帳に切り替える。つまり、今の手帳は今月11月で終わることになる。12月 から来年の1月への切替は、新年のばたばたと重なるので、これは非常に便利 な使い方になる。 ●それと、12月の仕事の最中に1月からの仕事の関連がいっぱい出てくる。こ の12月に2冊の手帳を持ち歩くのは、非常に面倒だ。そういう意見で、おそら くこの会社の企画マンは、12月から翌年の手帳を使えたら便利だと考えたのだ ろう。現場の意見から出た発想だと思うと、非常に愉快だ。また、従来の既成 概念を少し打ち破って、当初は冒険だっただろうが、結構評判がいいらしい。 なので、この手帳がなくなると困るし、馴染んだ道具は繰り返して、使いこな すのが一番だ。 <11月末に翌年の手帳に切り替える> ●今月の末に、この来年の手帳に切り替える。切り替えるときに、いろいろな 数字のメモや、ID、PWなどの大事なデータ、金融機関の口座番号、重要な関係 先の住所や電話番号などの一覧表などは、毎回書き写すのは面倒だから、何枚 かのカード状の丈夫な紙に書き込んでそれをそのまま再使用する。特にそれで 時間を使うことはない。あと、手帳に挟んでおくものも決めてある。いちい ち、あれはどこに、これはあそこにと混乱すると、時間はかかるし、間違いも 起こる。決められた場所に決められた道具が整然とあるのが、美しい。 ●そして、この手帳のもうひとつの特徴が、3年先までの予定が書き込めるこ とだ。やはり、仕事は連続しているから、3年先までが長期で見通せるものが 必要だ。来年1年間くらいは、何とか分かるだろう。しかし、2年先、3年先 となると、特に現在の経済環境下では、非常に見通すことが難しい。正直、難 しいとは思うが、難しいと言っているだけでは、何も変わらない。来年は、こ のあたりで何が起こり、このあたりで何をしないといけないのか。それを、 じっくり考えるためにも3年先の予定が書けないといけない。 ●既に、決まっている大きな予定もあるだろう。大きなイベント、それに伴う 海外出張。記念行事。家庭内の用事もあるだろう。昨日の、成岡が会長を務め ている高校の野球部のOB会ですら、昨日開催の理事会で来年1年間くらいのお およその予定を決定した。OB会の総会、イベント、その他の行事も含めて、数 名の理事が集まって決定した。先に予定を決めると、おおよそこのあたりで何 をして、このあたりで何をしないといけないかが、イメージできる。イメージ できない仕事は、決してうまくいかない。 <会社としての年間スケジュールを決める> ●四半期=3ヶ月ごとの会議。会社の全体会議。決算の役員会。株主総会。開 発関係の会議。見本市。展示会。海外出張など、考えればおおよその大きなイ ベントや会議などの予定は、今からでもおおよそ分かるはずだ。会議中心の会 社運営は、あまり好ましくないが、少なくともそういう大事な日程を中心にし て、いつ、誰が、何をしないといけないかが、おおよそ見えてくるはずだ。こ れを、成岡は以前に「会社時計」という言い方をしたが、仕事にリズム感が生 まれるようにしないといけない。 ●毎週、毎日のリズム感も大事だが、経営者は3年間くらいの先までを見通 す、大きな意味でのリズム感が必要だ。この年にだいたいこういうことをや る。次の年にこういうことを実現する。最後の3年目にこういうことを完成す る。何事も、準備や構想から始めて、3年くらいかかるはずだ。もっと拙速に やらないといけないものもあるだろうが、ひとつの大きな投資から回収までを 考えると、最低3年間はかかるだろう。その全体を通したスケジュールが、一 覧で見えるものが手元にないといけない。 ●来年は、上海で万博がある。その日程も、当然既に決まっている。ビジネス 雑誌を見れば、もっと先までの大きなイベントの日程は決まっている。それに 合わせて、年間の大事なスケジュールを決める。人間は、急に言われると反発 を覚えるものだが、相当以前から準備の時間も考慮して発表しておけば、精神 的な余裕が生まれて、あまり反発は感じなくなる。急に言われると、まず、気 分が悪い。気分が悪いことから入ると、決して結果は良くない。予め分かって いることは、先、先に公開、公表、発表することだ。 <先に言うことは意思を表す> ●先に周囲に伝えることは、そのままその経営者の意思を表す。たいそうに言 えば、決意を表す。最後まで、状況を眺め、最適の回答を出すというのも、正 しいように感じるが、逆に言えば「風見鶏」になる可能性もある。今回の冒頭 の引用にあるように、意思を持って何事にもあたれば、楽観的かもしれない が、その意思の強さで結果は変わる。最後まで諦めない、成功するまでやり通 すなどというのは、まさにこの意思の表れなのだ。どうでもいいと思った瞬間 に、結果が出なくなる。 ●あまり初めから自分にプレッシャーをかけると、そのプレッシャーに潰され る方もあるだろうから、あまり肩に力を入れないほうがいい。それより、昨日 までの習慣を変える事だ。一番身近な道具である、手帳ひとつにもこだわる。 こだわるから、徹底的に使いこなすことを考える。同じものを使い続ける。ま た、それを早め早めに確保する。そして、毎年毎年使い方も進歩を加える。今 年より来年、来年より再来年が少しでも改善されることが重要だ。そして、 思ったら、すぐに行動に移る。 ●気づくこと、そこから変化が始まる。小さなことだが、手帳は、ぜひご自分 で納得いくまで吟味して、選んで、納得したものを買うことだ。ゆめゆめ、取 引先の金融機関から、ただでいただいた手帳を使うのは、ご法度だ。1000円に もならない買い物だ。ここは、一番来年へ向けての自分自身の決意を固めるた めにも、それくらいは自分で選んで自分でお金を払う。そうすれば、意識も変 わる。意識が変われば行動が変わる。トップの行動が変われば、会社が変わ る。大きな改革も、小さな一歩から始まる。とにかく、実行することだ。