□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第404回配信分2012年01月30日発行 成岡流時間活用術:その1 〜雑用を効率的に片付けるコツ〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <はじめに> ●仕事柄多くの方にお目にかかるが、よく聞かれるのは毎週毎週この相当な分 量のメールマガジンを書いて、毎月月刊の機関誌を発行したりしているので、 よくそんなにものを書く時間がありますね?と言われる。いつもそういうとき には、「そうですね、定期的にやると決めていると、自然にできるもので す。」とお答えすることにしている。とはいえ、実際にはやはり当事者にして みると、週刊誌や月刊誌の連載をしているようなもので、やはり締め切りが 迫ってくると、いつもざわついてくるのは仕方ない。 ●特にこの毎週のメールマガジンは、さっと書ける週ともたもたする週が極端 だ。構想が浮かんで、さっと書ける時は1時間くらいで書けるものだ。ところ が、どっこい適当なテーマが浮かばないと、これは苦心惨憺する。数回、一度 全部書いてから全部書き直したこともあった。前日にほとんど書いていたが、 寝てから起きてみてどうもしっくりこないから、これも全部書き直したことも あった。いずれにしても、一度つまづくと相当な時間がかかり、難儀する。作 家が数本連載を持つというのが、信じられない。 ●この言わば本業ではあるが、一種の雑用をいかにうまくさばいて片付けるか が、意外に大きなポイントなのだ。この雑用に時間を取られていては本業に集 中する時間がおろそかになる。といって適当にやってしまうと、また修正やや り直し、手戻りが発生すると、逆戻りには相当なロスが生じる。かえってもっ ときちんとやっていたら、という後悔が起こる。こうなると最悪だ。だから、 雑用といってもそれは大事な雑用だから、丁寧に、かつ迅速に、手早く段取り よくやらないといけない。過去35年で習得したワザがいくつかある。 <15分1コマをいかにうまく使うか> ●雑用を片付けるコツの第1は、時間単位を15分で考える。これはみなさんの 担当されている仕事にもよる。特に経営者の方で定職をもたないマネジメント をされている方なら、これは参考になるはずだ。自分の決めた時計の刻みを15 分と設定し、15分以上まとまった時間がありそうなら、何かひとつはできるは ずだと、初めから決めておく。阪急電車の京都〜大阪の移動なら35分くらいだ から、2コマある。これを有効に利用しないのはもったいない。だから、必死 でできることを準備しておく。 ●35分あれば簡単な原稿のひとつも書ける。それにはノートPC持参が必須にな るが、いつもたいてい持ち歩いている。必ず何とか座って、すぐに原稿を書き 出す。35分もあれば、このメールマガジンの半分くらいは書ける。あるいは、 講演の原稿の下書きを作る。エクセルの数字の表の作業をする。写真の図版を シートに張り込む。つまり、考えることは難しいが、作業はできる。ならば、 作業を移動中にするように仕事の段取りを組む。そういう風に工夫をする。書 きかけの報告書の最終を書く、などなど。 ●15分という時間は結構あるものだ。やってみれば結構使える。誰かと一緒だ と難しい。だから移動は出来る限る単独が好ましい。現地集合にして移動は自 分の時間だ。車の運転もしたくない。携帯電話はイヤフォーンで移動中にでき るが、なるべくしたくない。出来る限り移動は電車を使う。重たい荷物がある と辛いが、それより時間を有効に使えるほうがメリットと割り切る。どうしよ うと迷うと面倒だから、初めからそうすると決め込む。明日の予定の移動に合 わせて、仕事の段取りを設定する。 <一定のパターンを作る> ●1時間は15分の4倍だから、15分1コマの仕事=雑用を4つは片付けられ る。しかし、そのように段取り良くやろうと思うと、日頃からそのように環境 を整えておく必要がある。まず、道具。使う道具は必ず同じ。置く場所も決 まっている。持ち出す道具も必ず一緒。バッグに入れる場所も同じ。都度、ど うしようかと迷わない。気分で変えない。天候で変えない。もちろん持参する 資料は、その都度変わるが道具立ては必ず同じにしている。特に筆記用具や、 文房具へのこだわりは、人一倍だ。 ●30年間ずっと使っている同じ手帳。ボールペンもずっと同じ。万年筆、蛍光 ペンなどもこれと決めたら浮気しない。買うときは10本くらいをまとめて買 う。スイッチしたら、またとことん使い込む。それくらい道具にはこだわりが ある。それくらいこだわると、迷いがないからシンプルになる。あまりあれこ れ考えない。マンネリ化することもあるので、いいものが出ると使ってみて、 採用したら当分浮気しない。それくらい思い入れをもって道具を選ぶくらいで ないと、効率的にはできない。日頃から環境を整える。 ●整理整頓も重要な要素だ。整理とは不要なものを捨てること。整頓とは、探 さないでものがすっと出てくること。パソコンのファイルの名称付け方ひとつ も徹底的にこだわる。弊社ではご存知の方も多いが、一定のファイル名称の付 け方のルールがある。住所録を登録する際の住所の記載のルールがある。誰が 見ても分かる、直ぐに探せる、迷わない、共通化する、一定のルールのもとに 整然と並ぶようにする。そうすると非常に短時間で必要なものが出てくる。間 違いが起こらない。 <最後までこだわる> ●よく年末に大掃除をされている企業が多いが、あれは平生やらないから年末 にまとめてやるということだ。平生やっていれば特に年末にこだわる必要はな い。常に整理整頓をしていれば、特に年末の忙しいときにやる必要はない。し かし、まとまって時間が作れない場合も多いから、弊社でも一定の期日は決め ている。5月の連休、8月のお盆、そして年末年始。年間3回くらい大整理を やっておけば、あまり年末だからといって時間をかける必要はない。いつもの 心がけが大事なのだ。 ●移動の15分。環境の整理整頓。平生の環境整備。共通したパターン化。どれ をとってもそんなに面倒なことはない。要するに、やるのかやらないのか、そ れが一番大事なことだ。分かっているが、やらない。やらないのか、できない のか。たいてい、やっても中途半端で終わることが多いだろう。それならやら ないほうがましだ。一度始めたら、とことん結論が出るまでこだわるべきだ。 特に、トップが言い出して中途半端で投げ出すのが最悪だ。部下はそれを冷や やかに見ている。また、同じことの繰り返しだと。 ●3S、5Sなど整理整頓のスローガンは多い。古くは小集団活動。QC活動。名 称は何でもいい。形にあまりこだわることもない。要するに、とことん極めて みようという意思がないと、なにごとも続かない。社長自らがそのような活動 を実践しないと、いくら部下に号令をかけても、また親父が言い出した、とい う冷ややかな目で見ているだけになる。実効あらしめるのは、こだわる意思。 最後まで徹底する頑固さ。そして、必ず定着さすという信念がないと、なにご とも結果は出ない。途中で投げ出すだけになる。