□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第407回配信分2012年02月13日発行 成岡流時間活用術:その3 〜2時間で1コマを4つ詰め込む〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <はじめに> ●今回でこのシリーズは終わりにしようと思うが、いろいろと時間活用術を書 いたつもりだが、一気にここまですぐに出来たわけではない。何でもそうだ が、この方法で間違いないと信じて、いろいろと工夫、改善しながら、継続し てブラッシュアップしてきた。それが、だいたいノウハウとして固まった。普 通はそうだろうと思う。現場の改善も、企業経営の改善も、同じレベルだと思 う。一気にマラソンは走れないから、まずは正しい方向に一歩踏み出す。それ を始める勇気が必要だ。 ●何が正しいかは、やってみないと分からないことが多い。やってみて、多少 改善しても、やはり前の方法に戻したことも、いっぱいある。道具も使ってみ て、期待はずれということも、ままある。それくらいのマイナスの確率は許容 しないといけない。事業でもそうだし、新しい企画もそうだ。得意先も年々、 増減を繰り返す。現代では、一気に大きな成長が期待できるビジネスは限られ ているから、小さな成功を積み重ねなければいけない。そうだとすると、新し い試みを継続して取り組まないといけない。 ●そこで必要なのは、この「時間」という資源。お金は最悪、借りればゲット できる。人材も場合によっては外部から招聘できる。機械は買えば手に入る。 ところが、この「時間」だけは逆立ちしても、24時間が25時間にはならない。 どんな賢人にも、どんな人にも、一日は平等に24時間なのだ。一日5分のこと を継続していたら、1ヶ月30日で150分=2時間半。1年12ヶ月で30時間。10 年続ければ、膨大な時間になる。それくらい、積み重ねと継続は大事なこと だ。ただし、正しい方向にすることが条件だが。 <朝の時間を有効に使う> ●言い古されたことだが、午前中特に朝の時間を有効に使うことは、何よりも 大切だ。ここでいう朝とは、始業時間以前の時間帯のこと。だいたいみんなが 出勤して、世の中が動き出す午前9時前後から、いろいろなことが発生する。 メールが頻繁に来る、携帯に電話が入る、FAXが送信されてくる、などなど・ ・・。弊社でも、それくらいの時間にスタッフが出勤してくる。そうなると、 もう雑用の処理に追いかけられる。とにかく、返事をしたり電話に出たりしな いといけない。相手のペースに合わさないといけない。 ●雑用をていぱき片付ける時間帯になると、もう自分でものを考えることは不 可能になる。少し落ち着いて考えをまとめることは、非常に縁遠い時間帯にな る。従って、それ以前の時間帯の使い方が問題だ。そこの時間帯をどうひねり 出すか。となると、結論はその分早くオフィスで仕事を始めるしかない。1時 間でも、30分でもいいが、とにかくそこで自分の時間を確保する。逆算して、 何時に起きて、何時から動いて、何時にオフィスでスタートするか。それを自 分で決めるしかない。誰もお膳立てはしてくれない。 ●成岡はほとんど毎日朝ランニングしているから、リズムを一定にすることを 常に心がけている。たまの休日は、起床時間も変えることもあるが、なるべく 休日でも平日と同じリズムで動くようにしている。休日だからといって、変え るとリズムがおかしくなる。特に、この朝の時間の使い方は重要極まりない。 そこで少しでも自分の時間を有効に使えるなら、非常にあとの行動が楽にな る。一日の仕事の段取りがうまく組める。野球の試合の前の準備運動から、試 合前の練習をするのと同じことだ。いきなり試合には出られない。 <1コマ2時間で設定する> ●だいたいの仕事の区切りを2時間で設定する。もちろん、すべてがこれに該 当するわけではない。しかし、おおむねこう決めておくと、区切りができる。 例えば、人と面談する、先方に会いに行く、会議をする、ミーティングをす る。これらは、1コマだいたい2時間で設定する。この2時間の設定を、午前 中に1コマ、午後2コマ、夜に1コマ。合計4コマをうまく組めると非常に時 間の効率がいい。相手があるので、そうはうまくはいかないが、これを基準に ものを考える。基準があると判断しやすい。 ●たとえば、午後からの面談の設定。成岡は必ず、13時または遅くても13時30 分にする。14時というのは本来有り得ない。なぜなら、14時から2時間とる と、午後に2コマ入らないからだ。では13時に先方でセットすると、移動も含 めると昼休みと昼食の使い方を工夫しないとできない。12時まで前の仕事があ り、13時から次を入れようと思うと、移動と食事の時間をどう配分するか。非 常に工夫の要る話しだ。それを妥協して14時からとなると、午後からの仕事の 効率が非常に悪い。 ●相手のある仕事なので、そう簡単に設定できないが、先方に出かけていくな ら、13時からの面談は可能だろう。要は、当方の気持ち次第。楽をしようと思 えば、14時でも構わないが、あとの段取りが極めて悪い。これを毎日繰り返し ていると、1ヶ月、1年で膨大に時間のロスが生まれる。それに頓着しないで やっていると、自然とそれが当然と思ってくる。誰も修正を言わない。まし て、社長というトップになると、誰も進言しない。それが会社の当然の時刻に なる。全社のロスは非常に大きい。 <定位置・定番・定品> ●以前訪問させていただいた企業のキャッチフレーズをそのまま拝借してい る。ここは製造業だが、つまり、道具を決まった場所に、決まった数量、決 まったものを置くこと、置いてあることだ。特に目新しいことではないが、そ れを徹底することが大事だ。なにごとも決めることはできる。実行し、徹底す ることは非常に難しい、努力が要る。そこに、何か「芯」になるフレーズ、合 言葉が必要だ。それが、この「定位置、定番、定品」なのだ。これを徹底して やると、会社が変わるという。 ●事務員のデスクの引き出しも、全員同じ位置に、同じ文具が置いてある。同 じものしか買わない。そして引き出しにやわらかいマットを型に切って、そこ に事務用品を置くようにしてある。そうすると、引き出しには決まった文具が 決まった位置にひとつしか置いていない。全員が同じものを使っている。そう すると管理が非常に簡単だ。いくつもの種類を使うから在庫管理が面倒にな る。手間もかかる。人それぞれの好みに合わすと際限がない。割り切りで、ひ とつのものに決める。それを徹底して使いこなす。 ●小さいことだが、そこから始める。道具にこだわる。適当に何でもいいや、 と思うことが基本的に間違いのもとだ。やはりいい仕事をするプロというもの は、道具へのこだわりは半端ではない。すごい職人さん、神の手といわれるオ ペの達人のドクターなどは、徹底的に道具にこだわる。常に改良し、常に進化 さす。そこまではいかなくても、やはりこだわり、少しでも効率よく、無駄な く、段取りよくするには、どうするか。いつも考えていると、はっと気が付く 瞬間が必ず来る。考えていない人には、永久にそれは来ない。