□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第469回配信分2013年04月22日発行 営業に本当にかけている時間は僅か 〜日常の段取りをいかにきちんとやるか〜 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ <はじめに> ●先日、某社の営業会議に参加させていただいた。この営業会議は年間に数 回、だいたい四半期ごとに開催し、数名の営業部門の方が一同に介し、各人の 担当の営業関係の情報、四半期の実績、今後の見通しなどを情報交換する。非 常に大事な会議で、必ず参加させていただいている。これに参加しないと、単 に数字の合計した資料を見ても、実態が分からない。それぞれの担当の方と同 行しているわけではないが、それでもこの会議に出ていると、資料の読み方が 変わる。 ●どの得意先で、この四半期どうだった。今後どのような展開になりそうだ。 数字の見通しはこうなる。そのような重要な情報が満載ある。資料も各自がき ちんと書いてきてくれるので、非常に有難い。しかも数日以前に提出され、事 前に読み込んでくることができる。事前に読まないと、当日その場で読んで も、なかなか理解し質問することができない。それくらい、日常の業務内容に 立ち入り、色々と考えるとなると、会議の当日即興ではできない。真剣勝負だ から。 ●かくて、数日以前に資料をいただいて、何とか読む時間をひねりだし、ざっ とでいいから目を通す。紙の資料のほうがありがたいが、データでいただく と、USBに入れて持ち運びができる。どこかで、少しの時間空いたときにで も、ざっと見ることはできる。15分くらいのアイドルタイムというのは、必ず あるもので、その間にできることは色々とある。電車の待ち時間でもそうだ。 意外とこれをつなぎあわすと、大きな時間が生まれる。それを活かさない手は ない。 <本当に仕事をしている時間は少ない> ●その会議の際に申し上げたが、成岡も自分が相当長い期間営業をしていたの で分かるが、本当に相手先に行って面談している時間は、意外と少ない。少な いというより、僅かしかないというほうが正しい。移動の時間、面談の準備、 アポイントをとる電話の時間、先方に行っての待ち時間、営業報告書を書いて いる時間、などなどを考えると、本当に正味でどれくらい顧客との面談に時間 をかけているかを、いったい真剣に考えると、意外と少ないものだ。 ●以前にやっていた営業は専門書の営業だから、客先は図書館、大学、大きな 書店、専門家の職場などだ。あまりアポイントを取って行くことは少なかった から、事前の約束がないから、行っても待たされたり、時間が合わなかったり で、非常に効率が悪かった。それでも、少し待ち時間があっても、なかなか面 談の時間が取れない相手が多かったので、我慢して1時間くらいは先方で待つ ことも多かった。それを時間を記録につけると、なんと本当に顧客と面談して いるのは、実は僅かだ。 ●なかなかそれを効率的にやることは難しい。なにせ、ビジネスは相手のある ことだから。文句を言っても仕方ないので、当時はそのままやっていた。ある 人から言われて、記録をこまめにつけるようになった。だいたいの時間でいい が、何時から何時までどこで、誰に会って、どうしたという記録を時系列に 従って書くようにした。それを見て、一時期愕然としたことがある。つまり、 いかに本当の仕事をしている時間が、いかに少ないか、ということに気が付い た。 <車で移動すると何もできない> ●まずは、面談するための準備の時間が相当必要だ。ビルの上の階からずっと 個別に関係なく順番に訪問するなら、それは簡単だ。しかし、専門書の営業は そうはいかない。なにせ、読者は限られているから、逃がしたら終わりだ。な ので、対象が少ないから相当に準備していかないと、失敗する。かくて、面談 する以前に相当の時間をかけることになる。次は移動の時間だ。これが結構ば かにならないくらい長い時間を投下している。 ●当時は車で移動をしていた。なにせ、書籍は重たい。それに営業の資料、パ ンフレット、チラシ、紙の説明の資料など、結構山ほどある。どうしても電車 での移動は難しいから、車のトランクに山盛り積んでの移動となる。当時は カーナビなどという高級なシステムはなかったから、地図は必須だった。かく て、移動の車中では何もできない。カセットを聞くくらいできたらいいほう だ。かくて、移動の時間は最大の無駄時間となる。電車なら何とか車中でも仕 事はできるが。 ●最大で、数時間、6時間くらいぶっ通しで車の運転して移動を繰り返してい た。夕方、京都の本社で営業会議が終わり、後始末をして17時くらいに出発す る。名神高速から、中央道を通り、東京神田のホテルまで、早くて5時間、途 中休むと6時間くらいかかる。夏はラジオの野球のナイター放送を聞きながら 走るが、秋から冬にかけては聞く番組もない。かくて、することがないとどん どん疲れはたまり、眠たくなる。高速の走行で一番危険な居眠り運転寸前とい う状態になる。 <翌日に前日の記録をつける> ●とにかく、客先での正味の商談の時間は少ない。仕方ないが、でもその時間 を何とか最大限に作ろうと思うが、そう簡単にはいかない。これを最大限に活 用できると、非常に営業成績、ひいては会社の業績が良くなるだろう。みんな それなりに努力をするが、それが簡単に結果に結びつかない。どうすればいい かと、相当に悩んだ時期があった。結論は、日頃の準備をいかに完璧にやるか だ。これをおろそかにしては、いい結果は出ないことに気が付いた。 ●毎日の時間の経過を追って、手帳にその日のやったことをこまめに書くこと にした。実は、社会人になって、数年したときからこまめに手帳に時系列の記 録を書くようにしていた。製造業の開発の現場にいたから、何時何分になにが あったかというのは、記録としては非常に大事なのだ。それを書く習慣があっ たから、仕事が変わってもそれを継続していた。その記録を見ると愕然とす る。それくらい、いかにロスタイム、無駄な時間が多いかが分かる。 ●その手帳が、もう30冊を超えて保存されている。翌日の朝一番に記載するの だが、最近はそんなことはめったにないが、会社を設立した当初、何も書くこ とがないという空白の時間が結構あった。翌日に前日を反省すると、いろいろ なことが分かる。本当に客先で真剣な商談をしている時間は僅かだということ が非常によく分かる。これを毎日、毎日繰り返し、反省し、段取りをよくする ことを心がけると、毎日の仕事の効率が格段に上がる。ぜひ、試して見られる といい。