**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第592回配信分2015年08月31日発行 中小企業の経営者が日ごろから備えること その90 〜信頼できる人から薦められたことは一度やってみる〜 **************************************************** <はじめに> ●毎月末に発行している弊社のNMOオフィスレター。その最終ページに毎号成 岡からの推薦図書のコーナーがある。これがなかなかいいという評価をしてい ただく読者の方もある。もう発行して120号くらいになっているので、10年間 で120冊くらいをご紹介したことになる。実際に毎月購入している書籍はもっ と多いが、なかなかみなさんに推薦できるとなると、そう多くはない。非常に 専門的だったり、特定の分野だったりする。その中から、万人向けにこれはと 思う1冊を選ぶのは、なかなか骨が折れる作業なのだ。 ●毎月多くの書籍を買っているが、大半は全部読まない。読まないというか、 全部読む時間がない。そこで、2通りの方式を採用しているが、まず目次と前 書き、後書きは必ずどの書籍も全部読む。そして、興味が持てる章やいますぐ に必要な章だけ読んで終わる書籍もある。これはこれで意味がある。別の書籍 は、最後の章だけ読んでみる。だいたい、最初より最後のほうが著者が言いた い、書きたいことが多く載っている。最後の章だけで終わる書籍もある。ある いは、飛び飛びに章をばらばら読む書籍もある。 ●非常に気に入った書籍は、色々な読み方をしてから最初に戻って最後まで読 む。そういう書籍は珍しい。推理小説ならいざ知らず、我々が読む主にビジネ ス書ならこれで十分だ。そして、書棚に入ってまた再開する時を待つ。滅多に 買った書籍は捨てない。なぜ捨てないかというと、いずれまた必要になるとき が来る可能性がある。いまは部分的にしか必要なかったかもしれないが、どん な場面に遭遇するか分からない。だから、その際に必要になる可能性がある。 普遍的な書籍は復活する場合が多い。そういう内容のものを買っている。 <他者からの推薦を信じる> ●では、購入する書籍の選択はどうしているかというと、これはほとんど他人 からの推薦、評判だ。つまり、いろいろな媒体の書評を必ずチェックしてい る。日経新聞の朝刊と夕刊、某会計企業の月刊誌、数種類のビジネス誌、ネッ トでの書評などだ。大事なことは、必ず定点観測をすること。そして、たまに 書店に行ってビジネス書のコーナーに足を運ぶ。購入はほとんどアマゾンで 買っているが、たまには書店のビジネス書のコーナーをチェックする。そし て、書評にあった書籍があれば、ぱらぱらとめくってみる。 ●書評に掲載されているというのは、他人が読んでなかなか役に立つ、面白 い、有意義だから推薦しているのだ。だから、他人の意見は非常に貴重なの だ。特に、同じような立場の人、大学教授、ビジネス評論家などが推薦する書 籍は、あまり外れがない。それと、ビジネス雑誌の書評は非常に適格だ。これ らの情報を取捨選択して、数冊の書籍を毎月必ずと言っていいほど購入する。 これに定期購読の雑誌を加えると、相当な金額を毎月払っている。しかし、こ れは商売柄当然の投資なのだ。選ぶのに時間がかかることのほうが、厳しい。 ●このような購入の方式を採用していると、外れもある。全部役に立たない書 籍も多い。しかし、少しでも、僅かでも役に立った部分があれば、それで満足 している。弊社の機関誌に掲載し、皆さんに推薦しているのは、この中でも全 部最初から最後まで読んだものがほとんどだ。それくらい自信を持って薦める ようなものでないといけない。まず、自分が全部読んで、自分が書評を書けな いといけない。そして、いずれはまた役に立つかもしれないと、一過性で終わ らないものをなるべく選んでいるつもりだ。 <推薦者を自分なりに選択する> ●今週号のテーマは他人からの推薦のあったものは検討の余地があるという意 味だ。現代は巷に情報が溢れている。とにかく、シャワーのように色々な種類 の、色々なグレードの情報が、やたら色々なところから送られてくる。あるい は発信されている。SNSなどという便利な情報源もあるし、このメルマガもそ うだが勝手に送りつけられている情報も多い。その洪水のような情報から、い かに自分にジャストフィットするものを取捨選択するかは、非常に難しい。あ る意味、至難の技と言っても過言ではない。 ●だから、自分なりの流儀を作っておかないと、洪水に流されてしまう。書籍 の選択で言えば、成岡は色々な媒体からの書評を大変貴重な情報だと信じて、 参考にしている。もう独立して10年以上経過するが、自社の情報誌を発行する ことを始めた時以前から、このようにしてきた。買いためた書籍は山のように あり、書棚がとうとう足りなくなった。新オフィスに移転して、相当古い書籍 を処分したが、それでもスペースが足りなくなった、さあ、どうしようかと正 直困っている。書籍は結構重たいので、下が丈夫な場所でないと置けない。 ●この外部や他人からの推薦された情報は、非常に貴重だ。なぜなら、その 人、その雑誌や媒体のフィルターが一度はかかっている。だから、何でも書評 がいいというわけではない。これというレベルの媒体や人物を、自分なりの基 準や標準で選んでおかないといけない。闇雲になんでもありというと、おそら く混乱して収拾がつかなくなる。そうなると、混乱に一層拍車がかかり、もう 本当に脈絡のない情報の洪水に溺れてしまう。一度、そうなるとなかなか洪水 から脱出できない。 <信じて意識し行動する> ●書籍はこのように選んでいるが、その他の情報も概ね同じだ。媒体やWEBや NET、あるいは特定の人物などからの情報で、これはと思う推薦の情報は非常 に貴重だ。大事なことは、その情報を信じて自分で一度動くことだ。書籍で言 えば、一度買ってみることだ。以前は、ほとんど書店で確認していた。手に 取って、中味をざっと見てから買っていた。いま、それくらい時間の余裕がな いので、書評の内容だけで買っている。それで外れが出ても、納得している。 時間をおカネで買っていると思えば安いものだ。 ●新しい店舗で評判のお店などは、東京まで出かけていくのはしんどいが、関 西特に京都市内のお店は何らかのついでに必ず見るか、覗くようにしている。 行けない場合は、少なくとも誰か他人に聞くことにしている。これこれこんな 店が紹介されていいたが、知っているか?あるいは、行ったことがあるか?と 必ず聞くことにしている。そして、3人くらいの他人が同じような感想や意見 があれば、これは本物と思うようにしている。この3というのが自分自身の キーワードだと信じている。3人が言えば、それは確実だと。 ●大事なことは、他人や周囲からの推薦情報は非常に貴重だということだ。そ の情報源を多くあればいいというものではない。多いより、自分にとって取捨 選択する基準を持っていればいい。飲食店なら誰々の評判。製造業なら誰それ が詳しいなどという、自分なりの情報源レベルを維持しておく。そのために は、その情報源を常にブラッシュアップしておかないといけない。日ごろか ら、そういう情報源がないか、ないかと思っていると必ずどこかにあるもの だ。探していないと見つからない。まず、自分で意識し行動することだ。