**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第739回配信分2018年06月25日発行 これからの中小企業経営の重要課題 経営者の自分磨き7回シリーズその2 〜日常の健康維持のリズムを作る〜 **************************************************** <はじめに> ・自社の事業価値を高めるには、代表者がそのことに専念できる環境を作るこ とが大切だ。例えば、資金繰り。資金繰りに詰まってくると、毎日毎日そのこ とを考えていないといけない。10日の買掛の支払い、20日の支払手形の決済、 25日の給料の支払い、月末の家賃や経費の支払いなど、毎月毎月気の休まると きがない。四六時中資金繰りで頭がいっぱいで、3年先、5年先に自社の企業 価値を向上させることなどは、眼中にない。目先、目先のことのみを考えるし かなくて、代表者も含め誰一人将来の会社のことを考えていない。 ・本来、未来のことを考えるのは代表者であり社長がやるべき重要な仕事なの だが、実は資金繰りが厳しい企業では、当面のことしか考えられないので、誰 もそれを考えていない。しばらくは、特に支障を来すことはないが、少し長い 時間このような空白が続くと、会社の価値は確実に毀損することは間違いな い。将来の構想がないから、人材にしても設備にしても、場当たり的になり、 刹那的な判断になる。打つ手が継続しないから、安物のパッチワークのように なり、模様にならない。でき上がってみれば、何の模様か分からない。 ・もうひとつ、よくあるケースは代表者の健康問題だ。どこか身体具合がおか しい。重たい疾病の病名がつくほどではないが、何か体調がすぐれない状態 が、ときどき訪れる。特に、65歳を超えて高齢者の仲間入りをする年齢になる と、今まで隠れていた障害が表に出てくる。腰痛、内臓疾患、古いケガが痛ん だり、成人病的な慢性疾患で、半ば闘病生活を送る可能性もある。あるいは、 元気だと思っていた方が突然の心疾患で病に倒れることもある。最近では高度 の医療技術があるので、一命には影響はないが、障害が残る。 <健康管理は自分の責任> ・とにかく会社の規模にもよるが、中小企業は社長がすべてなので、代用が利 かない。利かないなら利かないなりに、対策を打っておかないといけない。特 に健康管理は非常に重要なファクターだ。代表者も50歳代なら若いエネルギー で走れるが、65歳くらいになるどうしても無理がきかない。頑張りどころで頑 張れない。これに資金繰りなどのストレスが加わると、ことは相当深刻にな る。判断力も鈍り、交渉力も弱くなる。何より、気力がなくなり元気がなくな る。中小企業で社長の元気のない会社に事業価値はない。 ・これを解消するには、日頃の生活リズムを作っておくことが大事だ。食生 活、運動、睡眠などのいくつかの大きな要素を、自らきちんとマネジメントで きないといけない。これは残念ながら誰も手伝ってくれない。かかりつけの親 しいドクターがいたとしても、たまに診察に行って能書きを言われるだけだ。 最終的には、自分自身の意思でやらないと、誰かがサポートしてくれることは ない。もともと、社長という存在は孤独なものだが、さらに一層輪をかけて孤 独になる。ときには、愚痴のひとつもこぼしたくなる。 ・食生活にはことさら神経をつかう。病は気からだが、食べるものの影響は大 きい。食生活が一定のリズムでコントロール出来たら、ほとんどの病気は予防 保全ができる。まず、一定の範囲内の時間帯に食事がとれるようにする。宴会 や出張など非日常の場合は仕方ないが、可能な限りある一定の時間の範囲内に 食事を取る。成岡は50歳のときに十二指腸潰瘍を患い、胃の半分以上を切っ た。しかし、一病息災でその手術以降めきめき元気になった。胃が半分ないよ うには見えないはずだ。あのビールの飲み方を見れば。 <日常生活に一定の運動の習慣を> ・一定の運動の習慣を継続するのは、食生活のリズムよりはるかに難しい。し かも、ほとんど毎日毎朝継続するには、相当の意志の強さが要る。しかし、習 慣化してしまえば、何か身体を動かさないと気持ち悪いくらいにまでなると、 全く景色が変わる。いやいやしていると続かない。何か目的があり、それに向 かっての努力は、継続できる確率が高い。成岡の例を挙げると、60歳になるま でのランニングはひたすらタイムを縮めることが目的だった。マラソンレース に出場するときは、必ず毎回自己ベストを狙っていた。 ・それが60歳代になってから、考え方を変えた。参加することに意義があり、 継続することに意味があると考え方を変えた。そうなると、楽しんで走れるよ うになり、周りの景色を見る余裕もできてきた。インターバルのようなきつい 追い込むような練習は止めて、ゆっくり長い時間走るようにした。SLDと言っ て、スロー(ゆっくり)ロング(長い)ディスタンス(距離)という走り方 だ。京都は千年の都なので、街中に多くの歴史的な遺跡や遺産がある。ゆっく り走るとそれらが見えてくる。非常に面白い。面白いと続く。 ・走るだけではダメで、一定の筋肉や部位しか強化できない。あと同じくらい の時間をかけて、筋トレやストレッチなどを行う。65歳を超えて筋力が落ちて くると、血液の循環も悪くなり、身体の免疫力、抵抗力もみるみる低下する。 少し負荷をかけた運動をしたほうがいいときもあり、変化をつけて自らが飽き ないような努力をする。腹筋や背筋、いろいろな筋力が落ちると、いろいろな ところに少しずつ障害が起こる。目には見えないが、機械で言えば、潤滑油切 れやベアリングの破損だ。定期的にメンテナンスしないといけない。 <運動・食事・睡眠> ・最大の日常生活習慣のポイントは、食生活における健康管理だ。30品目くら いを毎日食べるのは理想的なのだが、それは少し難しい。むしろ、品目の多さ より身体にいい食品を一定のリズムで食べることだろう。運動のあとなので、 朝食は結構量も多く、豪華にしてある。普通の人の倍くらい食べているだろう か。どんな忙しいときでも、時間が詰まっているときでも、朝食だけは絶対に 抜かない。ランチなどは、時間に追われて忙しいときは、少ししか食べられな い場合もあるが、朝食は絶対と言っていいほど手を抜かない。 ・ランチは米飯系をしっかり食べる。牛肉系は控えて他の蛋白質を取る。そし て必ず野菜を加えるように心がける。なるべくお昼前後の時間帯に食べるよう にする。夕食は会食や懇親会があり、ばらばらだからこれは仕方ない。自宅で 食べるときは極力炭水化物を取らないようにする。野菜中心で、ビールにつま み的なもので済ます。それからあまりエネルギーを消費する活動をしないか ら、これでいいと割り切っている。一番の課題は睡眠時間の確保だ。こればか りは、なかなか簡単にいかない。6時間を確保するのが難しい。 ・朝5時に起床なので、6時間の睡眠を確保するなら23時には就寝しないとい けない。寝つきは非常にいいので、問題は23時に寝ることができるかだが、こ れは日中の活動と以降の仕事の予定次第だ。極力移動中にいろいろな雑務を片 付けるようにしているが、いつもうまく行くとは限らない。睡眠負債という言 葉が流行ったが、まさに睡眠負債が溜まっているはずだ。だからと言って、休 日に遅くまで寝ることはしない。リズムが狂うので、起床時間は曜日に関係な く同じだ。それが一定の日常生活のリズムを作っている。