**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第760回配信分2018年11月19日発行 これからの中小企業経営の重要課題 経営する上での重要なキーワード:その2 〜「意識」が変われば「行動」が変わる〜 **************************************************** <はじめに> ・高齢者用のオムツや生理用品で有名なユニチャームと言う企業の高原社長が 唱えているフレーズにある一言が素晴らしい。曰く、「意識が変われば行動が 変わる」というのがある。社員のモチベーションをいかに上げるかに腐心して いる我々にとって、一種のバイブルとも言える名言だ。これには、その後にも いろいろと明言が続くのだが、まずとりあえずこのフレーズを取り上げたいと 思う。行動が変わるには、まず意識を変えることが必要だと。確かにその通り かもしれない。 ・成岡はいままで講演ではよく、「性格は変えられないが、行動は変えられ る」とお話しをしてきた。性格は生まれ持ったものなので、教育や訓練では変 えられない。性格は変えられないが、自分自身の行動は変えようと思えば変え られるはずだ。気持ちの持ち方ひとつで、行動を変えることはできる。例え ば、三日坊主が常連の人でも、毎朝5時に起きようと思えば、起きることはで きるはずだ。要するにやる気の問題なので、気持ちの持ちようひとつで行動は 変えられるはずだ。 ・日本人的に言うと基本は性善説なのだ。頑張ればできるという性善説に基づ いて、やればできると信じて疑わない。問題は、やればできるのだが、やらな いのだ。どうしてやらない、やれないのかを考えないといけない。やればいい と分かっているのだが、それが持続できない。持続できない何か事情や理由が あるはずだ。その障害を取り除かないといけない。気持ちだけあっても、結果 が出ないことが多い。それが続くと、モチベーションが下がってしまう。まず は、意識をしっかり持つことだ。 <目的を明確にする> ・意識をしっかり持つには、まず自分自身の気持ちの中で、そのテーマが最優 先にならないといけない。いろいろな気持ちが錯綜するなかで、そのやるべき ことがまず最優先の事項にならないといけない。何を差し置いてもそのテーマ がまず頭の中で先に出てくる。いろいろな取り組むテーマがたくさんあって も、まずそのことを最優先でやろうとしないといけない。やると決めたら、ま ずそのことを最初にとりかかる。分かってはいるけど、それがなかなか日常生 活の中でできない。 ・具体的には、例えば健康維持のために運動をしようと意識する。これは、ま ず誰もができることだ。健康のために運動することを否定する人は、まずいな い。すべての人に受け入れられるテーマなのだが、いざこれが実践となると、 ほとんどの人は継続できない。数日間や、数か月は継続できても、ずっとこれ を続けることは難しい。意識をすれば行動は変わると書いてはあるが、まずこ の意識を継続して持ち続けることができないのだ。どうして継続することがで きないのだろうか。 ・継続してできない理由は簡単だ。自分自身の心の中で、目的が明確になって いないからだ。理屈では分かっていても、それが継続できないのは、目的が明 確になっているか、いないかだ。目的とは自分が設定した最終のゴールなの だ。健康維持が最終のゴールではない。健康をずっと維持して、いったい何を 達成しようとしているのか。健康の維持は、そのための環境設定のひとつなの だ。この達成しようとするゴールが明確でないと、いくら分かっているからと いって、運動を毎日継続することは難しい。 <意識が変われば結果的に人生が変わる> ・よって、意識を明確に持つには、まず最終的なゴールが明確になっているか を自分自身に問いかけないといけない。会社の代表者であるなら、まずどうい う会社にしたいのか。そのイメージをどれくらい強烈に持っているか。生半可 なことでは、会社の経営などできるはずもないから、全身全霊を傾むけて経営 に当たることになる。状態がいいときもあれば、悪いときもある。体調がすぐ れないときもあれば、すこぶる元気で調子がいいときもある。リズムはまちま ちだから、感情をコントロールするのも難しい。 ・どういう意識で毎日仕事に取り組むか。経営課題に向かい合うかの意識を明 確に持つことが大事だ。このフレーズは、まず意識から始まっている。そし て、「意識」が変われば「行動」も変わるという。そして、次のフレーズにつ ながるのだが、「行動」が変わると何が変わるだろう?このフレーズでは、 「行動」が変われば、「能力」が変わるとしている。「能力」は後付けで得る ものだ。生まれつき能力が備わっている人などいない。「能力」とは何かがで きることだから、「能力」が変わる、つまりできることがどんどん増える。 ・「能力」が変われば「習慣」が変わる。「習慣」とは意識をせずに行える動 作。毎日、毎日意識をしなくても、やっている、できること。一時期のベスト セラーで、「7つの習慣」という本があったが、まさにこの「習慣」を変える ことからいろいろなことが始まる。そして、最後に「習慣」が変わると「人 格」が変わると書いてある。そして、最後に「人格」が変わると「人生」が変 わるとある。まず、意識を変えることが結果的に人生を左右するくらい、影響 力があり、結果が変わる。 <まず意識を変えよう> ・「意識」が変われば「行動」が変わる。「行動」が変われば「能力」が変わ る。「能力」が変われば「習慣」が変わる。「習慣」が変われば「人格」が変 わる。「人格」変われば「人生」が変わる。この一連の流れは非常によくお腹 の中に落ちてくる。「人生」100年を変えていくには、まずこの「意識」を日 常レベルの中で変えないといけない。そして、何を変えて、何を変えないの か。物を捨てることも大事なのだが、日本人の生産性、特に労働時間あたりの 生産性は非常に低い。まず「意識」を変えることだ。 ・確かに「行動」が変わると結果もついてくる。毎日、毎日同じことを繰り返 しやっているようなことでも、「行動」が変わると結果に大いに影響する。例 えば、毎朝運動をするために1時間早く起きることを「意識」する。1時間早 く起きるのは「行動」だ。その1時間で運動を少しすることになるのだが、こ れをやることの「目的」を明確にしておかないと続かない。「目的」は100歳 まで元気で生きることだ。たとえ年齢が100歳になっても、健康で100歳まで生 きるのと、そうでない人との差が歴然とついてくる。 ・「意識」を変えると最後には「人生」が変わるという。そこまで行くには相 当の時間がかかるかもしれないが、意外と結果は早く出る場合もある。大事な ことは、結果を急がずこつこつ努力を継続することだろう。継続するために は、目的を明確にしてぶれないことだ。そして、不要なことを考えない。いろ いろと気が散ったり、いろいろな人がいろいろなことを言ってくるだろうが、 明確に目的を定めたらぶれないことだ。「意識」を変えれば「行動」が変わ る。まず、ここから始めよう。