**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第769回配信分2019年01月21日発行 これからの中小企業経営の重要課題 中小企業経営者に勧める7つの習慣:その3 〜時間の習慣〜 **************************************************** <はじめに> ・自分の時間へのこだわり方は半端ではないと自負している。周りからは非常 に時間にうるさいと言われている。まあ、それくらいがちょうどいいのかなと 自分では納得している。他人に厳しいのは、自分にも厳しいので、自分への戒 めだと思っている。時間は有限であり、我々にとってはおカネ以上に一番大事 な経営資源なのだ。おカネは借りてもいいし、設備は買えばいいが、無駄に消 費した時間は戻ってこない。あと何年現役でやれるかわからないが、今後は1 時間、1分、1秒が大切で大事なのだ。 ・時間の使い方は15分単位で考えるようにしている。15分の隙間ができれば、 何かできるはずだ。そう考えるように癖をつける。電車の移動時間、昼ご飯の 残り時間、人との待ち合わせ時間などは、15分単位で考えて、15分空けられれ ば何かまとまったことができると思い込む。空いたときに、そこから準備した のでは遅いので、15分以上空くだろうと思える時は、空いた時間に何をするか 決めておく。それも、あまり大層に構えてすることではなく、少しのスペース でできることを選択する。 ・例えば、阪急で大阪に行くとする。烏丸四条から梅田まで35分くらいかかる とすると、何か2コマできるものを用意する。もちろん、それが30分以上かか るなら、2コマ全部その仕事に充てる。15分あればつまらない用事や、あまり エネルギーの要らない仕事などは、15分あれば片付く。特に簡単な作業的なも のや、雑用の類などはこの15分で片付ける。たまには、疲れがたまって眠たい ときもある。そういうときはぐっすり熟睡する。15分は短いかもしれないが、 意外と準備段取りをきちんとしておけば、結構なことができる。 <車は運転しない> ・アポイントも15分単位で設定する。10時に訪問する約束の場合は、15分前に は現地に到着するようにしている。そして、相手には申し訳ないかもしれない が、15分前なら訪問してもいいと勝手に割り切っている。もっとも、それが失 礼に当たる場合は時間まで現地で待つが、大丈夫な相手の場合は15分前でもい いと勝手に解釈している。逆に、15分前に訪問して相手が準備ができているか どうかも、品定めのひとつの判断基準にしている。当方も、逆に訪問される場 合は15分前に来られても、大丈夫なように準備をしておく。 ・日常は雑用の連続で、つまらないが時間がかかる用事をてきぱきと片付けな いといけない。先送りすると、どんどん用事がたまっていく。15分で簡単な用 事は片付くように周囲の環境をセッティングすることが大事だ。さあ、取り出 してやるという段階になって、書類を探すのに時間がかかると、もうそれだけ でやる気が起こらない。生産性が悪いというのは、効率が悪いことだ。時間単 位の生産性は段取りの良さに比例する。さっと必要なものが出てくるようにし ておけば、すぐにその用事に取り掛かれる。 ・朝の早い時間帯に当日の一日の仕事の流れを組み立てておく。途中で移動が あれば、電車、バスなどの時間で何ができるか考えておく。アポイントとアポ イントの隙間時間があれば、ここで何が出来るかをあらかじめ考えておく。た まった雑誌を読んでもいいし、大学授業のレポートの採点をしてもいい。JRの 長い時間乗車するなら、相当のことができる。この移動時間を有効に使えるか どうかは、生産性に極めて大きな影響を与える。移動時間は貴重だから、ほと んど車を運転して移動しない。運転していると何もできない。 <朝に一日のリズムを想定する> ・一日の仕事の組み立ては、2時間単位で設定する。午前に1コマ、午後一番 に1コマ、午後の後半に1コマ。そして夜時間に1コマ。合計4コマを一日の 構成にしている。もっとも毎日この4コマが完全に埋まるわけではない。逆に 午後の2コマが同じ仕事で続けて埋まることもある。夜の1コマも何も予定が 入らない場合もある。別にそれで構わないが、一日4コマをどう無駄なく有効 に使うかに大きな努力を払っている。午前の10時から2時間有効に使うには、 ぎりぎりのことをやっていたのでは難しい。 ・10時から有効な仕事にかかろうとすると、朝の雑用をそれまでに全部片づけ ておかないといけない。朝一番に連絡をしないといけない用事もある。メール を早く送っておかないといけない相手もある。逆に、朝起きてメールを開けた ら結構複雑なメールを受信して、その返事に時間がかかることもある。まず、 朝の早い時間帯はこの雑用を手早く片付けるためにある。ここで手間取ると一 日のリズムが作れない。午前中の生産性は、この朝早い時間帯の雑用の処理の 段取りに依存する。ここで時間を使わないようにする。 ・1コマごとの区切りと次のコマへの移動時間も考慮しておかないといけな い。結構移動が多いので、公共交通機関の場合は、かなり詳細に移動の時間を 調べておく。製造業の企業に出向くときは、公共交通機関の駅から相当離れて いることが多いから、この駅から現地までの移動手段を想定しておかないとい けない。自転車で移動できればいいが、天候の加減やそのときの荷物の状態な どで、必ずしも同じではない。夏場に突然の夕立や、冬場の突然の天候の急変 などは、大敵だ。最近はスマホで相当詳しく雨雲の動きがわかる。 <計画通りにはいかないが計画は作っておく> ・移動はなるべく一人で移動する。誰かが一緒だと気を遣う。なるべく別々に 行動して、現地集合にするのがいい。移動は貴重な時間だから、これは一人で 有効に使わないといけない。JRなどでは食事の時間としても使える場合もあ る。とにかく朝の早い時間にその一日の行動イメージを作っておく。これがな いままに、ただオフィスに出社しても時間の浪費になる。予定は予定として、 その一日の時間の流れを事前にシュミレーションしておくことが大事だ。これ が終わって、次にこれが始まる。その間のつなぎをどうするか。 ・しかし、事前の想定通りにことは動かない。何か事前の想定以外のことが起 こる。状況をディスターブ、つまり邪魔する何かが起こる。突然電話がかかっ てきて、止む無く出たら相当にややこしい話しで、思いのほか時間がかかるこ とがある。あるいは、報告書を書くのに手間取って、思いのほか時間がかかっ てしまった。また、突然の来訪があり、少し対応しないといけないことにな り、予定外に時間がかかる。予定した業務ができないまま、停滞した業務が積 み上がり、非常にストレスを感じることがある。 ・計画はあくまでも計画なので、現実は計画通りにことは運ばない。しかし、 運ばないことは百も承知で、やはり朝一番に当日の仕事の流れをシュミレー ションする。突然の思い付きの行動は極力避ける。急に状況が変わって、予定 を変更し突発の出来事を処理しないといけないこともある。むしろその方が多 いかもしれない。しかし、1コマ2時間、15分の間隔で用事を片付けるという 原則の流れをなるべく崩さない。とにかく万人に一日は24時間だ。この24時間 をいかに有効に使うかは、本人の心がけひとつだ。