**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第814回配信分2019年12月02日発行 70歳まで現役で活躍できるためのシリーズ:第1回 〜新聞を定期購読し読むことを習慣化する〜 **************************************************** <はじめに> ・人生100年という書籍がベストセラーになってから久しい。いろいろな意見 があるだろうが、100年生きようと思えば最近の世間の考えでは70歳までは元 気で働く必要があるようだ。年金の問題も、収入の問題も、すべてはこの70歳 まで元気で働ける状態にしておくことでおおよそが解決する。今回から数回に わたり、自分なりに70歳に近くなり、どういう風にすれば元気で70歳まで現役 で働き続けることができるかを自問自答してみた。あくまでも自分の経験則な ので、一般には通用しない面があるとは思うが、参考にしていただければ幸い だ。 ・70歳まで現役で働く、まず第一歩は社会との関わりを強く持つことだ。その スタートは何と言っても現代の情報社会の中に、どっぷりと浸かること。情報 社会から有効な情報を得るには、洪水のごとく押し寄せてくる情報に対して、 一定のフィルターを持つことが必要だ。自分なりにフィルターをかけて、情報 をクリーニングする。そのためには、世間の動き、社会の動向を知っておく必 要がある。必要なものにフィルターをかけて取り除いたり、不必要なものを取 り込んだりしないようにする。それには、まず毎日の新聞が欠かせない。 ・毎日新聞をきちんと読むのは、まず初歩の初歩。成岡は、地元紙の京都新聞 と全国紙の日経新聞を朝刊、夕刊共に定期購読している。1年間の年間購読を 予約し、代金は前払いする。前払いするので、交渉の結果1か月間購読料は ディスカウントしてくれる。どこの販売店でもできるかは定かではないが、交 渉の結果このようにメリットを提供してもらっている。途中で解約したら、さ かのぼって12か月分で精算する約束になっている。最近、住まいを移転したが 事前に申し入れをして、販売店を引き継いでもらった。同じ条件で、次の販売 店と契約をしている。 <情報源として新聞に勝るものはない> ・たまに、ネットで見て他の新聞が必要になったり、読みたい記事があったり する。その時は、スポットで購入する。先日も、成岡の記事が読売新聞に掲載 されたので、当日のみ2つ買った。次には、読む時間を捻出することが重要 だ。成岡の場合は、朝食のときにざっと目を通す。細かく読まないといけない 記事に目を付けて、あとの時間でそこを丹念に読む。また、下段の小さな囲み 記事もときには非常に重要なことがある。紙面の大きい、小さいであまり勝手 な判断をしないようにする。次に、気になる記事はもう一度読み返す。そし て、これはと思えば切り抜いて置いておく。 ・定期購読していない他紙に関しては、週に3日行っている商工会議所がとっ ているので、共有デスクで読んでいる。専門的な新聞や業界紙まで、さすがに 目を通す時間はないが、自分で身銭を切って買った媒体ではないので、なかな か集中して読み込むことは難しい。断片的に知っておくくらいになる。ネット での情報は手軽に入手できるが、やはり一覧性といってざっとした傾向を掴ん だり俯瞰したりする場合、新聞は欠かせない。ときどき、書いている人の氏名 が掲載されていれば、直接メールや手紙を出して、コンタクトするケースもあ る。 ・先日もある日の日経新聞の朝刊に掲載された投稿記事に目が留まり、書いた 方の連絡先が掲載されていたので、メールと手紙でコンタクトし、京都でお目 にかかった。まだ、若い方だったが、非常に貴重な経験をされていたので、お 話しを聞いて当方も大変勉強になった。また、今後親しくお付き合いができそ うだ。毎朝、毎晩、これだけの安いコストでこれだけの情報を持ってきてくれ るソースは、なかなかないだろう。ネットとリアルを並行して使っているが、 やはり何と言っても手軽さと便利さでは、新聞に勝るものはない。 <気合を入れて読むと違ってくる> ・気になった記事は、切り抜いて取っておく。取っておいた記事の切り抜き は、すぐに一杯になってくる。成岡は年間3回、その取り置き記事の棚卸しを している。年末年始、5月の連休、8月のお盆休み。この3回で、それまでに たまった数か月分の取り置き記事を、もう一度ざっと眺める。ほとんどが、こ の時点で廃棄物になってしまう。以前は取り置いた貴重な情報源だったが、時 間の経過と共に情報は古くなり、陳腐化し、不要になる。それはそれでいいと 割り切って、その場で捨てる。80%の取り置き記事が不要になる。しかし、 残った20%は非常に貴重な資料になる。 ・読む欄は経済面に限らない。国際情勢も、政治の動向も、とにかくいま起 こっていることを知っておく必要がある。海の向こうの彼方のことも、いずれ 日本に影響があるだろう。遠いヨーロッパのことだと思っていた子細なこと が、実は非常に大きな影響を及ぼすことも多い。中国とアメリカの貿易摩擦 も、香港の人権問題とトランプ大統領の選挙のことと相まって、相当深刻な事 態になりそうだ。少しずつ、ボディーブローのように効いてくる影響もあれ ば、いきなりカウンターパンチがやってくることもある。知っておいて、準備 ができれば、それに勝るものはない。 ・読者は等しく同じ情報に接しているのに、受け止め方の違いで同じ情報でも 価値に雲泥の差がでてくる。つまり、これは読む側の姿勢だから、70歳まで現 役で頑張ろうと思えば、当然新聞の読み方、気合の入れ方、集中の度合いも変 わってくる。心の持ちようひとつで、同じことが全く異なる価値を見出す。60 歳で定年になり、子会社に出向で行って、そのうち出向がなくなり片道切符に なったひとも、片道切符になった途端に見える景色が変わってくる。そこから が、勝負の始まりで、そこからがスタートだ。何事も、気持ちの持ちようで大 きく変わる。 <毎日を習慣化する> ・まず、70歳まで現役で頑張るなら、最低新聞はひとつ定期購読する。コスト 的には月額4,000円から5,000円くらいだ。できれば、もうひとつ定期購読でき れば、なお良い。これくらいの投資はしても全然惜しくない。必ず回収できる 投資だ。次に、読むスタイルと時間を決める。毎日違っていると、頭への入り 方が違う。同じような時間帯に、同じような手順で、同じような順番で読み込 む。そうすると、自然と習慣化しコストパーフォーマンスが良くなる。時間当 たりの効率もよくなり、短時間で能率よく情報が頭に入る。習慣化することが 大事だ。 ・次に情報を活用することを忘れない。単に読んでいるだけでは情報は生きな い。その情報を二次加工したり、外部に発信するときに活用したりする。自分 なりに、トピックスを1週間分まとめて、SNSで発信する。あるいは、自分の ホームページを更新するネタに使う。または、ひとつのテーマを決めて70歳ま でにレポートや論文が書けるくらいの、のめりこみ方をすればいい。単に新聞 を読んで、新しい情報をゲットするだけではなく、自分なりに加工して仕事先 に有益な情報として提供する。そういう行動が伴うと、新聞代が数倍の価値を 持つことになる。 ・毎朝の定期購読の新聞をどう読むか。たったそれだけのことだが、意識して 行動するのと、全く何も考えないでやっているのとでは、大きな差が生じる。 毎日の少しずつの積み重ねが、70歳になると大きな違いになってくる。とにか く、気が付いた日が吉日だ。どうこう理屈を言うより、まず投資をして、日常 の行動を習慣化して、蓄積したものを加工して、自分なりに発信する。この一 連の動作を繰り返すことだ。新聞代を費用とせずに、投資と思えば、回収する ことに意味を見出すはずだ。今からでも遅くない。思い立ったが吉日だ。騙さ れたと思って、まず、行動することだ。