**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第864回配信分2020年11月16日発行 特別シリーズ:新型コロナウィルス感染パンデミック対策その36 コロナ後世界と社会の課題その7 〜3次感染に負けない知恵と工夫を〜 **************************************************** <はじめに> ・冒頭のコラムでも書いたが、どうやら日本も本格的な三次感染の様相を呈し てきた。政府は絶対に三次感染だとは認めないだろうが、明らかに現在の状態 は三次感染だと言ってもおかしくない。経済の再生と感染の予防という二律背 反の難しいテーマに取り組む関係者の方のご苦労はいかばかりかと察するが、 国民市民の我々は自衛手段を考えて実行しないといけない。また、日常生活と 商売とのバランスを考えないといけない。縮小、縮小とばかり言っても、対策 にはならない。予防は予防だが、積極的に病気の治療とリハビリに励まないと いけない。全体が沈みかかっても、自社は何とか少しでも浮上するように努力 しないといけない。負けるなコロナ!を合言葉に力を合わせないといけない。 ・まず、最低限の感染対策を徹底する。最近多少気が緩んでいるのは事実だろ う。当初の緊張感がなくなり、手洗いもマスクもルーズになっている。3月ご ろのあのなんともいえない緊張感はもうどこへ行ったのか分からない。通勤の 地下鉄もバスも結構満員に近いし、飲食店も満員ではないが、結構大人数の飲 食機会もある。飲食店や関係者には悪いが、やはり感染拡大を防ぐには、密に ならない範囲での飲食、会食で済むように努力しないといけない。小職も多人 数での会食は控えて、数名も少ない人数での会食にとどめている。4人掛けの テーブル以内で済むような人数での会食機会に抑えている。そして、時間も2 時間以内に収まるように努力している。 ・一番経営が厳しいのは居酒屋業態だろう。日本人は一緒に食事をして、アル コールをたしなむという機会を非常に大事にしてきた。ビジネスで面談して も、夜時間の会食につながらないとなかなか親しくならない。一度一緒に食事 をしてお酒を飲むと、非常に距離が近くなるように感じる。そして、また次の 機会を設けて、相互にご馳走したりすると、途端にコミュニケーションが取れ るようになる。しかし、いまは一緒に会食する機会を抑えて、時間も短くし、 それ以外の会話はリモートでやるしかない。オンライン飲み会というのは参加 したことがないが、どうも勝手が違うので積極的に活用していない。人数を抑 えて、時間を短くして、それ以外のコミュニケーションはリモートで行う。 <早く準備を始める> ・換気をこまめにして、少々寒いと感じる感覚を払拭しないといけない。これ から本当の冬の寒い時期に向かうが、一定時間に換気をすることを習慣づけな いといけない。先日の会議も1時間でいったんリセットして、10分間の換気を 行った。窓を開けて、新鮮な空気を取り入れて、少々室内温度は下がるが、そ れは全員で我慢する。冷え性の女性には申し訳ないが、少々厚着をしてカバー する。この冬はそういう寒さ対策の商品やウエアが売れる予感がする。3月の お彼岸までは寒さが続くから、これからの3か月の寒さをどう乗り切るのかを コロナ対策を前提に考えておかないといけない。当方も、今年は早く暖房器具 の準備や新しい暖房方式の検討に着手した。 ・寒いが通勤は依然として自転車でカバーする。地下鉄、バスは感染の確率が 高い。以前からそうだが真冬でも自転車で30分弱の時間だから、少々の寒さに は完全武装して対応する。カイロをはじめ、いろいろなグッズを駆使して寒さ 対策を行っている。夏に比べると、その準備段取りに非常に時間がかかり、余 分な準備時間を要する。しかし、それを楽しんで行うようにしないといけな い。面倒だと思うと途端にやる気が失せる。そうなると、ミスも起こるし何か を間違う。やるからには、完ぺきだと自画自賛できるくらいに精度を高める工 夫が要る。装備には少々投資をすれば、もったいないという気持ちになるから 積極的に活用し、利用する。投資をムダにしない心掛けが必要だ。 ・先日も、少々早めに冬装備の点検を行った。服装に始まり、いろいろな小物 のグッズなどの準備を前倒しで行った。7月に引っ越したので、どこに冬物の 何が入っているのかを確認する意味でも、今年は立冬になったら前倒しで行う ことを決めていた。週末もいろいろと仕事や行事があるから、意外と空いてい る時間がない。2時間刻みでやることを決めて、段取り良く次から次へとこな していくリズムが必要だ。天気も関係するので、当初の想定ほどうまく運ばな い場合もあるので、予備の時間も設けておかないといけない。そのようなとき に限って、突然想定外のアクシデントが起こることがある。それでも手戻りし ないように手順前後のないように、仕掛ける順番を間違わない。 <新常態に果敢に挑む> ・仕事も随分リモートで行う機会が増えた。つい先ほどまでも、日経新聞社主 催のWEBセミナーを聴講していた。本来東京の会場で開催されるようなセミ ナーだが、オフィスのデスクで聞くことができる。1時間のセミナーだが無料 で、しかも直前まで他の仕事をしていて、時間になればすぐに画面を切り替え て聞くことができる。ネットの環境とパソコンがあれば、他にはヘッドセット があればいい。以前には考えられないほど便利になった。何よりその場に行か なくてもいいのが、非常にありがたい。今後、このようなWEBでの開催が主流 になるだろう。いろいろなところに網を張って、こまめに拾っていけば何も都 度東京や大阪の会場に行かなくても、ライブでいろいろな貴重な情報がゲット できる。 ・ビジネスの面談も、一定以上の親密な関係のある人は、もうオンラインの面 談で十分だ。近い人には会いに行けるが、遠方の人とのコミュニケーションは オンラインの面談が非常に便利だ。年配の経営者の方には少々ハードルが高い かもしれないが、社内で若手に準備段取りしてもらって活用すればいい。何よ り費用面では時間の節約が大きい。移動時間が往復で節約できる。浮いた貴重 な時間を、次の課題解決に向けて生産性の高い業務に費やさないといけない。 節約できた時間を無駄に使うと、結局意味がない投資になる。時間は費用と同 じだから、この時間を無駄にしないように前後の仕事での効率化を図るように しておく。急に時間が出来たからといって、いい仕事はできない。 ・この3月から半年間、随分講演する機会が減った。大学院の講義はリモート に切り替わり、予定通り行ったが、通常7月くらいからぼちぼち増えてくる講 演の機会が、今年はほとんどなかった。ようやくこの11月になり数回の講演の 機会をいただいたが、リモートであったり、少人数のリアルであったり、まだ いろいろと試行錯誤の段階で面食らうことも多い。講演の最中に画面がうまく 切り替わらないというトラブルも多く経験した。やはり、新しい方式、やり方 にすぐに完璧に対応、順応することは難しい。難しいが、難しいからといって トライしないわけにはいけない。今後、このような方式の機会がどんどん増え るだろう。新常態という新しい枠組みに参加する勇気を持たないといけない。 <次のステップに進む勇気を持つ> ・非接触という状態が通常になると、美容院、居酒屋など、人と人とが接触し て成り立つビジネスは非常に厳しい状態におかれる可能性が高い。混雑する通 勤電車も嫌われる。現に交通ビジネスの収入は激減した。電車、飛行機、新幹 線、市バス地下鉄などの公共的な交通機関は軒並み減収減益という厳しい常態 だ。早期退職の公募をしている企業もある。ファミリーレストランやファース トフードという業態も非常に厳しい経営になる。紳士服の大手チェーン店も、 ウエディングビジネスで成功した企業も、軒並み減収減益で業態の縮小を余儀 なくされている。ここまでのパンデミックは想定外だから、この状態を責める ことはできない。大事なことは、このピンチをいかに脱出するかだ。 ・一時的な縮小はやむを得ない。ここは割り切る必要がある。いったん縮小し て、次の成長に備えることが大事だ。足元は赤字で出血が止まらないなら、一 時的にバケツの底の穴に栓をして出血を止めるのが最善の選択だ。ここは世間 体を気にしている時間はない。逆に、早く果敢に縮小に走ったほうがいい。小 職の知己の企業はサービス業だが、断腸の想いで従業員の早期退職の決断に踏 み切った。先日事務所を訪問したが、誰もスタッフはいなかった。代表者は意 外とさばさばした感じで、これで当面資金の心配がなくなり、やり直すいい チャンスをもらったと前向きだった。このピンチをビジネスモデルの転換のい い機会にするつもりだ。このように前向きに考えることが大事だ。 ・後ろ向きに考えだすと、きりがない。緊急融資を活用して、いち早く次の対 策資金にする。市町村からの補助金を活用し、バケツの穴を埋めながら次の10 年に稼げるビジネスに取り組む資金にする。せっかくのおカネをマイナスの業 務に使うのではなく、今後稼げるビジネスモデルに転換するための投資費用に する。業績が苦しいとき、悪いときに積極的に打って出る。逆に、業績が良く なったら、脇を締めることを忘れない。いいときに緩んでしまうと、次の備え ができないまま進んでしまう。経営は、ときに逆に考えないといけない。業績 が良くなって喜ぶのは従業員だけで、経営者は厳しく考える。逆に、今のよう に厳しいときに積極的に体質改善をしてぜい肉を落とし、身軽にして次の成長 に備える。考え方次第だ。